ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

ものづくり日本

【井戸尻考古館】躍動する在野の考古学精神の系譜

はじめに 八ヶ岳南麓 #井戸尻考古館。初見学で驚かされたのが縄文中期の文化に対するユニークな考察と説明。その根底には世代を超えて紡がれてきた在野の考古学精神があると思われます #藤森栄一 #武藤雄六 #森本六爾 目次 井戸尻考古館の面白さ 在野の考古…

【古諏訪湖の水位低下は自然災害か?人為的か?】磐座信仰遺跡「小袋石」の話②

はじめに 以前から #諏訪湖 の湖水面低下が疑問(古大和湖も同じ)。今回の諏訪、特に #諏訪大社 #小袋石 訪問で考えたことを整理。さて古諏訪湖の水位低下は自然災害でしょうか。人為的な働きかけの結果でしょうか 目次 諏訪湖について 諏訪地方の縄文遺跡…

【井戸尻考古館】半人半蛙の暗号解読 縄文の世界観と哲学【月と蛙 復活と再生】

はじめに 諏訪八ヶ岳地方・縄文の代表的な展示館のひとつ #井戸尻考古館 で特に惹かれた解説案内がいくつかあり、本記事ではそのひとつ #半人半蛙(はんじんはんあ)が描かれた土器について(全文起こしのため文字数多し) 目次 井戸尻考古館 半人半蛙が描か…

黒曜石やキラキラ土器に触れる資料館【厚真町軽舞遺跡調査整理事務所】

はじめに 北海道 #厚真町軽舞遺跡調査整理事務所。かつての小学校校舎を、郷土の歴史資料館として活用。出土した #黒曜石の矢尻 #キラキラ土器 などに触れ見学できます 目次 厚真町軽舞遺跡調査整理事務所 遺跡の多い厚真町 縄文時代の展示 黒曜石の矢じり …

ヤマト創世記 隠国(こもりく)の地図【古代史の点と線】

はじめに 数年前から紹介してきた史跡をまとめて #ヤマト創世記 #隠国(こもりく)のマップを作ってみました。眺めていて忘れられた古代史の点と線が浮かび上がってくることに気が付きます #野見宿禰 #土師氏 #箸墓古墳 #ホケノ山古墳 目次 ヤマト創世記 隠…

笠縫と鏡作【7】境内案内文から繋がった2つの点と線【鏡作麻気神社】

はじめに 奈良盆地の中央、古墳時代の #鏡作郷 を探訪。#天目一箇神 を御祭神とする #鏡作麻気神社 に参拝。境内に掲示された #田原本町 の由緒案内には #笠縫と鏡作 についての重要な #点と線 が書かれていました #たたら製鉄 #村下(むらげ) 目次 鏡作麻…

笠縫と鏡作【6】ヤマト創世記の舞台【神浅茅原】

はじめに 個人的に #唐古・鍵遺跡(紀元前200年~西暦200年)~ #纏向遺跡(西暦200~400年)の時代を #ヤマト創世記 と呼んでいますが、それらを俯瞰できる地図を作ってみました #神浅茅原 #倭笠縫邑 #鏡作郷 #黒塚古墳 #鏡作坐天照御魂神社 目次 ヤマト創…

笠縫と鏡作【5】黒塚古墳 謎のU字形とY字形の鉄製副葬品【黄幢か?笠松形か?】

はじめに 奈良県天理市 #黒塚古墳 から用途不明で他に類例がない #U字形鉄製品 #Y字形鉄製品 が出土。魏志倭人伝の伝える #黄幢(こうどう)説が提唱されていますが、私は #笠松形 ではないかと考えています 目次 黒塚古墳 古墳時代前期初頭の築造 謎の鉄製…

笠縫と鏡作【4】黒塚古墳出土 三角縁神獣鏡33面について笠松形を確認してみました

はじめに 先日紹介した #三角縁神獣鏡 #笠松形紋様について #黒塚古墳 出土の銅鏡で調べてみました。笠松形は33面中の32面の高確率で確認できました。一面あたり1〜4本が描かれています 目次 1号鏡(笠松4)、2号鏡(笠松2)〇 3号鏡(笠松4)、4号鏡(…

【天理市立 黒塚古墳展示館】発掘当時の石室復元と銅鏡34面が並ぶ壮観【三角縁神獣鏡】

はじめに 天理市立 #黒塚古墳展示館 盗掘されなかった朱色に染められた石室は埋葬当時の状態を正確に復元。また出土した #三角縁神獣鏡 33面、画文帯神獣鏡1面がズラリと並ぶ展示。銅鏡の勉強や研究には最適な国内屈指の施設 目次 天理市立 黒塚古墳展示…

【黒塚古墳】三角縁神獣鏡33面が出土した初期の前方後円墳

はじめに 奈良県天理市の #黒塚古墳 #三角縁神獣鏡 が国内最多の33面も出土した古墳時代初期(西暦200年代後半)の #前方後円墳 #黒塚古墳展示館 #笠松形 目次 黒塚古墳(初期の前方後円墳) 三角縁神獣鏡の笠松形 黒塚古墳を見学 本文 黒塚古墳(初期の前方…

笠縫と鏡作【3】三角縁神獣鏡の笠松形(笠紋様)について(文字多いです<(_ _)>)

はじめに 既に四五百枚以上報告されている #三角縁神獣鏡(銅鏡の縁が三角山形)は中国では発見されていません。また笠松形の紋様も中国には皆無(#王仲殊)であることから国産鏡と考えられます。笠松形の考察 #深江郷土資料館 #ヒミコの鏡 目次 三角縁神獣…

弥生から古墳へ 日本古代史の大転換期を解くカギか?笠縫と鏡作【2】【鏡作坐天照御魂神社②】

はじめに 古墳時代の #鏡作郷 の中心地だったと考えられる #鏡作坐天照御魂神社。御神宝は #三神二獣鏡(#三角縁神獣鏡 様式)。三神と二神獣が描かれたこの銅鏡には他に #笠松形 といわれる紋様が描かれています 目次 鏡作郷(かがみつくりのさと)と倭笠縫…

【鏡作坐天照御魂神社①】古代史の点と線 笠縫と鏡作【1】

はじめに 古代 #笠縫 を追いかけるにおいて #鏡作(#銅鏡)との関係性は深いと考えており、その流れで #鏡作坐天照御魂神社(奈良県磯城郡田原本町)を参拝。一回目は神社と境内の紹介 #倭笠縫邑 #八咫鏡 目次 鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにますあまて…

【深江郷土資料館】笠縫氏の伝統技術 大嘗祭・伊勢式年遷宮の笠細工

はじめに 深江稲荷神社に隣接する #深江郷土資料館。深江の鋳物師(人間国宝)#角谷一圭氏(故人)鋳造品、#深江笠縫保存会 の菅細工、各地の人間国宝級の工芸品が展示されています #大嘗祭 #伊勢神宮式年遷宮 #笠縫の島 目次 深江郷土資料館(大阪市東成区…

【深江稲荷神社】大和の笠縫氏が摂津に移住。すげ笠づくりで栄えた街

はじめに 古代の大和 #笠縫氏。おそらく古墳時代、摂津国・笠縫島(大阪市東成区)に移り住む。子孫は湿潤な地に水路を引きスゲを栽培。江戸期にすげ笠づくりが盛んに 目次 深江稲荷神社(大阪市東成区) 深江稲荷神社 摂社 末社 すげ笠づくりの街 本文 深江…

朝なぎに 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ 海乙女【平林 貴船神社遺跡】

はじめに 播磨灘を見晴るかす丘の上に #平林貴船神社。毎年十月、出雲に旅立ちまた帰省する産土の神が立ち寄ったところから #寄神様 と云われたそう。浜辺に近いところに弥生時代以来 #塩づくり のムラがありました #藻塩 目次 平林貴船神社(兵庫県淡路市野…

【五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)】弥生時代後期(1~2世紀頃)の鉄器づくりのムラ

はじめに 淡路島北部、西側の海岸線から約3キロ、標高約200mの丘陵地の #五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)。2004年に発見され、弥生時代後期(1~2世紀頃)の鉄器づくりのムラであることがわかりました #倭国大乱 #板状鉄斧(ばんじょうてっ…

【松帆銅鐸】赤銅色に輝き、鳴り響いた銅鐸【淡路島の古代史】展示情報の整理・備忘録

はじめに 先日紹介した「奇跡の松帆銅鐸展~砂山からの軌跡~(玉青館)」より。出土全七点整理(写真&情報)。四号銅鐸をみると赤銅色に輝き鳴り響いていたことが確認できます #同笵銅鐸 #荒神谷遺跡 #加茂岩倉遺跡 目次 【銅鐸の編年(玉青館)】「鳴らす…

初の七点勢ぞろい【奇跡の松帆銅鐸展~砂山からの軌跡】

はじめに 2015年、南あわじ市の製造工場の砂山から現れた #松帆銅鐸(まつほどうたく)。発見当時は大ニュースになりました。地元に里帰りした全七点、初の一斉展示中(玉青館〜9月11日) 目次 玉青館 夏季特別展「奇跡の松帆銅鐸展~砂山からの軌跡~」 7…

【石山の謎】大阪城 豊臣石垣公開プロジェクト【豊臣期天守と徳川期天守】

はじめに 現在の #大阪城 は昭和〜平成に、ほとんど再築された鉄筋コンクリート製。その前には #豊臣期天守(約40m)#徳川期天守(約50m)が存在しました。昭和時代に発掘された豊臣期天守の古い石垣遺構を恒久的に見学できる施設が建設中 目次 大坂城の歴…

【縄文・弥生・古墳時代のDNA三段階】日本人の起源について

はじめに 国立科学博物館館長で遺伝人類学者 #篠田謙一氏 の「人類の起源」新刊記念対談。特に気になった #日本人の起源 に関するポイント二点。過去記事あわせて妄想解説 目次 日本人の起源 北海道縄文人のDNA解析 縄文・弥生・古墳時代のDNA三段階説 本文 …

【高師小僧(たかしこぞう)】日本の古代製鉄の謎を解くカギ?【褐鉄鉱】

はじめに かつて葦や茅が生い茂る水辺だったところに産出する粘土状の #褐鉄鉱 を #高師小僧 といいます。実物をじっくりみるため #高師台地区市民館(愛知県豊橋市)を見学。中心が空洞で人形に似たこの鉱物は #日本の古代製鉄 のナゾを解くカギかも知れま…

江戸期の薬屋の菊花紋 国内外の神仏の力を借りて秘伝の妙薬を販売【宇陀市 薬の館(続き)】

はじめに 宇陀市 鍾馗(しょうき)さんの #薬の館 の続き。江戸期の薬屋看板に菊花紋が使われていた理由とは。当時の薬商人は宮家のほか国内外の神仏の力を借り、秘伝の妙薬を売っていました。現在の広告宣伝に繋がる話 #外郎売り #薬師如来 目次 薬売りの菊…

【鍾馗(しょうき)】魔物退散・破邪の神をシンボルにした藤沢樟脳【宇陀市 薬の館】

はじめに 奈良県宇陀市は江戸期に、大坂道修町とともに発展した薬の街。宇陀市歴史文化館 #薬の館 を入ると壁に掛けられた #鍾馗(しょうき)が怖ろしい顔をしてこちらを睨みます。#藤沢樟脳 目次 宇陀市歴史文化館「薬の館」 藤沢樟脳のシンボルマーク鍾馗…

【大阪城】巨石あるところ水運あり。水運あるところ巨石あり【大手口桝形の巨石・考】

はじめに 昨日の京都太秦・蛇塚古墳の続きで #大阪城 #大手口桝形の巨石。歴史に気の多い私ですがムリヤリ繋いでいる訳ではありません(笑)申し上げたいことは #水運のあるところ巨石あり 目次 大阪城 大手門 大手口桝形の巨石 信長公の謎 本文 【昨日の記…

【相槌神社】男山麓の山ノ井の霊泉に伝わる神との作刀伝承【石清水八幡宮(1)】

はじめに 石清水八幡宮が鎮座する #男山(おとこやま)東麓 #相槌神社(稲荷)神が来りて刀鍛冶の匠と相槌を打ったという伝承が神社名に。#山ノ井 の霊泉湧き出るこの地に #源氏 の #髭切 #膝丸 作刀伝承 目次 相槌神社(京都府八幡市八幡平谷10) 山の井の…

【月山日本刀鍛錬道場】強靭さと美しさを追究する和魂(にぎたま)の刀鍛冶の現場

はじめに 山形県の霊山 #月山 に始まり、長じて幕末に #大坂月山流 、現在は三輪山麓で刀鍛冶を行なう #月山日本刀鍛錬道場 を見学。芭蕉翁が『霊泉を選びて、ここに潔斎して剣を打ち』と書いた高度なものづくり精神に少しだけ触れることができました 目次 …

【山ノ神遺跡】山麓に点在する辺津磐座のひとつ【三輪山祭祀の原点】

はじめに 三輪山 #狭井神社 周辺には #大神神社 摂社 #磐座神社 に代表される #辺津磐座(群)が点在。#山ノ神遺跡 からは #三輪山の古代酒造 に関連する #土製模造品 の他 #子持勾玉 が出土 目次 山ノ神遺跡への道 山ノ神遺跡 磐座 山ノ神遺跡の出土物 本文…

【銅座跡、住友銅吹所跡】江戸期 大坂の銅精錬【大田蜀山人】

はじめに 江戸時代、銅は日本の重要な輸出品。大坂には全国から粗銅が集められ、銅吹所で精錬し、長崎に回送していました。大阪市内には #銅座跡 #銅吹所跡 などが残されています #大田蜀山人 #大海神社 #尾去沢鉱山(秋田県鹿角市) 目次 大坂銅座跡 住友銅…