ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

古代の日本海文化

【ものづくり日本の始まりの地・糸魚川から】アビガン(ファビピラビル)で見え始めた新型コロナの出口戦略【ヒメ様の手のひらに】

沼河比売(奴奈川姫)と建御名方命の像 海望公園 Wiki オオクニヌシとの間に生まれた建御名方命(たけみなかたのみこと)は諏訪大社の御祭神ですね(地域伝承) 奴奈川姫神像 奴奈川神社(長者ヶ原考古館資料より) うれしいニュースです。 新型コロナウィル…

【シャコちゃん】謎ではなかった 遮光器土偶のスリット目【亀ヶ岡考古資料室(4)】

有名な遮光器土偶(東京国立博物館所蔵、国重要文化財) 誰でも知っている左脚のないシャコちゃん(写真はつがる市特製のクリアフォルダより) 奇妙なスリット目は宇宙人説もあるが(笑)、『北極地域で生活するエスキモーの雪用めがねであると見るのが妥当…

激しい盗掘と遺物の散逸 いまだ謎の多い亀ヶ岡遺跡【亀ヶ岡考古資料室(3)】

亀ケ岡考古資料室 亀ケ岡考古資料室 説明パネル(要約)、金箔を貼った土器、散逸した遺物 亀ヶ岡遺跡は、標高4~16メートルの丘陵に位置し、大きく低地の近江沢、沢根、丘陵上の雷電宮の3地区からなる。シャコちゃんの他にも、綿密な紋様が施されたり、…

【亀ヶ岡考古資料室(2)】頭のない遮光器土偶

亀ヶ岡考古資料室 亀ケ岡遺跡の年代は「縄文晩期」、3000~2300年前とされ、遺跡から出土した亀ヶ岡式土器は6つの様式に区分される。 資料室の縄文時代区分と様式(上段が青森県、下段が東北地方) 亀ヶ岡文化 遮光器土偶を含む亀ヶ岡式土器は、北…

【遮光器土偶の故郷】列島 縄文から弥生への移行期 津軽で華開いた亀ヶ岡文化【亀ヶ岡考古資料室(1)】

昨年11月、史跡・亀ヶ岡遺跡を見学した時に、亀ヶ岡考古資料室(縄文館、青森県つがる市木造舘岡屏風山195)を訪問した。 亀ヶ岡考古資料室 青森県道12号線、鰺ケ沢蟹田(あじがさわ・かにた)線沿いの亀ヶ岡遺跡から西南に車で約5分、大溜池を見下ろす…

日本古代製鉄の謎(3)アムール ハイウェイとタタール(間宮)海峡【古代の北方ルート雑考】

前回記事 の後半で書いた、北方ルート。 製鉄技術の日本への伝播(日立金属サイトより) www.hitachi-metals.co.jp 北方ルートはあいまい(一直線。笑)に描かれているが、具体的には次のルートが最もあり得る。 インド北部⇒(タタール人居住域)⇒バイカル湖…

日本古代製鉄の謎(1)糸魚川ヒスイの再発見で教訓とするべき考古学の歴史

古代の鉄の話をするのに、少し当ブログ「ヒスイの古代史」の話をお許しいただきたい。 関西人の私は縄文時代について、最盛期(縄文中期)の本場を知らないのがネック。 去年の秋、新潟・北陸・東北の各地の縄文遺跡や博物館・資料館を20ケ所近く巡り、話…

【石川県小松市・八日市地方遺跡】直径1ミリに満たない石針と極細管玉 弥生日本の超絶技巧

昨年12月、大阪府立弥生文化博物館(大阪府和泉市)「北陸の弥生世界 わざとこころ」を見学した(12月15日終了) 弥生時代の北陸屈指のものづくり大集落であった「八日市地方(ようかいちじかた)遺跡」(石川県小松市)の出土物を中心にした展示。 2017年…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(9)物部氏とヒスイの特別で重要な関係 ★★★ 物部さん考(15)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回、ヒスイ勾玉と物部氏には「ある特別で重要な関係」が推理され、実は、それが物部氏(宗家)が徹底的に滅ぼされ、ヒスイが隠ぺいされた理由ではないかと考えている、と書いた。 前回記事 www.ze…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(7)長者ヶ原遺跡とヌナカワヒメ伝説から糸魚川ヒスイを最初に推理した文学者【相馬御風・童謡かたつむり作詞家】

前回から続く www.zero-position.com 前回紹介した古事記や出雲風土記の、高志(糸魚川)ヌナカワヒメと出雲オオクニヌシ(ヤチホコ)の神話、 実は、日本古代史を考えて行く上で、考古学、いや、日本人に 貴重な教訓 をもたらしてくれたことをご存じだろう…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(6)ヌナカワ姫を探せ!ヒスイ工房跡・長者ヶ原遺跡【長者ヶ原のビーナス】

※ヌナカワは「奴奈川」「沼川」「淳名川」などの表記がある。記事では「ヌナカワ」または「ぬなかわ」とした ぬなかわの底なる玉のような美しい姫とオオクニヌシの伝説 古事記の大国主の神話の段。ヌナカワ姫と出雲のオオクニヌシが結ばれた話(ざっくりあら…

ものづくりで方言と標準語を創造した縄文はあらためてスゴイ!と思う【今年。北・東日本めぐりのまとめ】

昨日で、この度の「北陸・新潟・佐渡・津軽・福島巡り(仕事の合間の弾丸めぐり)」で、縄文の土器・土偶については、おおよそ書き出した。 www.zero-position.com ヒスイ(翡翠)を始めとした「古代日本海の地下資源」はまだ少し。 www.zero-position.com …

良きライバル 新潟の火焔と長野の水煙 【地域交流と匠の精神が縄文中期に生まれた証】

新潟県立歴史博物館・「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了)より 大阪に住んでいて、この秋、新潟・富山・福島で、本場の縄文土器をはじめてまとめて見ることができた。 太陽の塔を通じてしか縄文土器を知らない初心者であるが、一応「岡本…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(5)ハヤブサはイトカワで新発見 私はイトイガワで再発見(=古代妄想)

ご注意)記事中「ハヤブサ」の話はありません。念のため(´▽`) 前回記事(4) www.zero-position.com この国の文化は北・東日本から始まり今に繋がっている 約5,000年前、ヒスイ大珠が作られ始め、海路・陸路で拡散。今より温暖で海が深かった縄文中期の文化…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(4)縄文中期 ギルド工房・匠の技から生まれる大珠(たいしゅ)北・東日本に流通

前回記事(3) www.zero-position.com 糸魚川でヒスイの大珠(たいしゅ)が造られ始め、北日本、東北、関東に広がっていった様子を紹介。 ヒスイ工房遺跡(寺地遺跡、長者ケ原遺跡(記事後半)) 希少な糸魚川のヒスイ(硬玉)産地を流域に持つ、青海川・姫…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(3)縄文中期(約5,000年前)匠文化の萌芽と発展 大珠(たいしゅ)ブーム

前回記事(2) www.zero-position.com ● 約7,000年前(縄文早期)、石器の加工用ハンマーとして始まったヒスイ(大角地遺跡) (写真、左:新潟県埋蔵文化財センター資料より、右:Wikiより) たたき石(ヒスイ)と原料(蛇紋岩) 磨製石斧(Wikiより) 磨製石斧(…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(2)【ざっくり】生まれ方と歴史

前回記事(1) www.zero-position.com ヒスイのざっくりした歴史(フォッサマグナミュージアム(糸魚川市)展示・資料をもとに加筆作成) ● 約7,000年前(縄文早期)、石器の加工用ハンマーとして始まったヒスイ(大角地遺跡)(前回) ● 約6,000年前(縄文…

「科捜研の女・新年スペシャル風」小竹貝塚遺跡(縄文)解説(後半)★★★ 富山県埋蔵文化財センター

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 富山県埋蔵文化財センターを見学した古代妄想が、ご長寿ドラマ「科捜研の女」にインスパイアされ創作したストーリー(★★★)の後半。劇中、本当は「土門さん」だが、縄文の土器・土偶にちなみ「土文…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(1)石器づくりの「たたき石」から始まった歴史

唐古・鍵、弥生の宝石箱のダヴィンチ・コード 唐古・鍵(奈良県桜井市)の「宝石箱」に見とれてから、古代の鉱物資源に興味を持っている。 唐古・鍵(約、紀元前200年~西暦200年)は古大和湖古奈良湖畔で繁栄し、 伊勢神宮・唯一神明造(ゆいいつしん…

「科捜研の女・スピンオフ風」小竹貝塚遺跡(縄文)解説(前半)★★★ 富山県埋蔵文化財センター

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 富山県埋蔵文化財センターを見学した古代妄想(朝ドラ・みおつくし以来の沢口靖子さんファン)がご長寿ドラマ「科捜研の女」にインスパイアされ創作したストーリー(★★★)見たことない人スミマセン…

京都の秘境・芦生(あしう)の森 原生林(2)もののけ姫の世界観 集落跡に残る灰野神社【鯖街道 やちまた・考察】

前回(入林は単独行動を避け、現地で届け出が必要です) www.zero-position.com BGMにどうぞ(初期音量設定にご注意)朝倉さや www.youtube.com 晩秋の森の彩り 美味しそうな色 シダも色付く 野生のムラサキシキブ マムシグサの実 まるで絵画のような かつて…

京都の秘境・芦生(あしう)の森 原生林(1) 芦生熊野権現神社 古代の道・鯖街道

芦生の森 由良川 芦生の森と鯖街道(さばかいどう) 京都・芦生の森(原生林)は、福井県の日本海に注ぐ由良川の源流域。京都の秘境と云われる。 原生林ということは縄文・弥生の人々も同じ景色を見ていたということ。開物妄想では古代日本海から京都(山背…

【ざっくり】日本列島の成り立ちと古代の鉱物資源【ヒスイ、砂鉄を例に、珪藻土も】

(注意書き)大変ざっくりした記事です。日本の古代を考える時に、海進・海退(かいしん・かいたい)とともに、知っている方が、想像(妄想)が膨らんで面白い自然条件として書いています。 より詳しくは、各専門のサイト・ページを検索してご覧下さい。 *…

佐渡は古代のタイムカプセル(4)ムラのものづくり 分業スタイル 匠・名工を生み出す風土

フェリーから海猫 水平線(右)に佐渡 佐渡島 Wikiより 「佐渡は古代のタイムカプセル」というテーマで書いてきたが、今回が一応、最終回。 縄文からの玉作(玉造)の伝統を繋ぎ、高度化し、そのオンリーワン(特に管玉製作技術)が、弥生・古墳時代に全国の…

佐渡は古代のタイムカプセル(3)縄文から弥生へ、玉作(玉造)技術の伝承【海進・海退期にあらわれた古国仲湖】

目次 佐渡には約180ケ所の縄文遺跡 古国仲湖(縄文時代) 前回(弥生の高度な管玉づくりの技術) 古代のタイムカプセルの意味 佐渡市 新穂歴史民俗資料館 佐渡めぐり記事(2019年、2020年) 本文 佐渡には約180ケ所の縄文遺跡 新穂歴史民俗資料館があ…

管玉(くだたま)づくりが見せる古代の地場産業的ものづくり文化と精神【新穂村玉作遺跡群】佐渡は古代のタイムカプセル(2)

新穂歴史民俗資料館 新穂と下畑の玉作遺跡群 佐渡の弥生時代(約二千年前)、多種多様な石加工品(石器)、中でも、碧玉と鉄石英の細型管玉、ヒスイやメノウの勾玉を作っていた。 特に面白いのは、工程ごとに集落で分業し、地域全体として玉・管玉を生産供給…

佐渡は古代のタイムカプセル(1)弥生~古墳時代の新穂村玉作遺跡群 軟弱地盤との闘い【蔵王遺跡ほか】

新穂村玉作(にいぼむらたまつくり)遺跡群 国中(国仲)平野にある弥生~古墳時代の集落遺跡。遺跡総面積が47万平方メートル以上の国内最大規模の玉作遺跡群(東京ドーム10個分以上) 蔵王、竹の花、桂林(かつらはやし)、平田、塚田、城ノ畠などの遺…

佐渡を歩けば村社にあたる? 古代から今に繋がるムラ・コミュニティの厚い信仰の歴史と文化【舞い倒す薪能の舞台】佐渡諏訪神社

昨日の記事で「朝一番でどこに行くかはノープランだった」と書いたが、 一日の佐渡滞在で、たくさんある神社のどこに行けばよいかわからなくなったのが実情。 www.zero-position.com 結局、宿から加茂湖を眺めて、樹崎神社に決めたのは、おみくじを引く感覚…

佐渡 加茂湖に突き出した岬の先端 樹崎神社(村社、御祭神は市杵嶋姫命)

佐渡 加茂湖と樹崎神社の位置 縄文時代(中期)、海抜が今より5メートルほど高かった大海進の時代、佐渡は大佐渡(北側)と、小佐渡(南側)の二つの島だった。 その後の海退の(海が浅くなった)時代、大佐渡・小佐渡の山から流れ下る川の土砂が堆積し、国…

遮光器土偶の故郷 亀ヶ岡石器時代遺跡 史跡の中心にある雷電宮

亀ヶ岡石器時代遺跡を目指して、晩秋の津軽を十三湖までドライブした(前回記事) www.zero-position.com 青森市内から車で約1時間、県道12号・鰺ケ沢蟹田線を北の十三湖(じゅうさんこ)に向かって進むと、途中、亀ヶ岡遺跡の看板が見えたところが「しゃこ…