ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

水の祭祀

【大和葛城山・鴨族の信仰】櫛羅(クジラ)の広大な祭祀空間

はじめに 葛城の古代史を調べる中で、#八咫烏神社(宇陀市)の栗野宮司さんが書かれた『#地元古老から聞いた葛城山の話』が大変参考になります。記事の紹介かたがた #葛城天神社 #猿目 #鴨山口神社 #鴨都波神社 の位置関係がわかる地図をつくりました 目次 …

【末刀岩上神社】下鴨神社の水ごしらへ場の磐座に降臨する水の神を祀る大岩

はじめに 京都洛北の松ケ崎 #末刀岩上神社。下鴨神社 #水ごしらへ場 の磐座に降臨する #水の神 を祀ると考えられます。境内には本殿がなく上面が平らな大きな磐座を御神体としています(2021年7月3日参拝) 目次 末刀岩上神社(まといわがみじんじゃ) 末刀…

【葛木水分神社】国津と天津。灌漑の農業神を祀る古社【水越川の源流域】

はじめに 奈良県御所市・国道309号線で #水越峠 方面。#葛木水分神社 は峠より約1キロ手前の旧国道に曲がってすぐ水越川の源流域に鎮座。大和の四水分神社(吉野,宇陀,都祁,葛木)のひとつ。田畑の灌漑、水にちなんだ農業神を祀る #天水分神 #国水分神 目次…

【上賀茂神社(賀茂別雷神社)】清き流れに願いをたくす 【祓いの短冊】

はじめに 梅雨明け初夏の #上賀茂神社(#賀茂別雷神社)。境内を流れる水が清々しいです。#立砂 #御手洗川 #御物忌川 #ならの小川 #瀬織津姫 #祓いの短冊 #梶田神社 ときどきシャープで奥行きのある写真は同行の三男撮影 目次 上賀茂神社 境内の水の流れと明…

【明神川と社家町(2)】水から生まれた『ハレとケ』 日本的パブリック精神

はじめに 上賀茂大通の #京雷堂 さんで #社家 見学。#明神川 の水は庭園池水(禊ぎ祓い)と生活用水として使用、汚水(ケ)はスイモ・スイコミに棄てる。下流でキレイな水(ハレ)が使える古来からの共同体の知恵 #ハレとケ 目次 上賀茂社家・石垣の穴 京雷…

【十面沢 貴船神社】長い石段の上に鎮座する御神体 とても古い信仰のこん跡【龍神信仰と鬼伝説】

はじめに 津軽 #岩木山 の麓を移動していて目に入った #十面沢 の赤鳥居。#貴船神社 の名をみて境内奥の長い石段をのぼって行きます。本殿の扉を開けると御神体。西日に照らし出された姿は神々しく。とても古い #龍神信仰 のカタチが残されていました #鬼伝…

【白雲大龍神・稲荷大明神】りんご娘に教えられ じゃわめぐ【岩木山神社(2)】

はじめに 岩木山神社 境内の #白雲大龍神(タキツヒメ)#稲荷大明神(トヨウケビメ)。青森のアイドルクループ #りんご娘 #RINGOMUSUME 彩香ちゃんのご当地レポートから、御祭神(五神)など、より詳しく知ることができました 目次 りんご娘に教えられ神紋読…

【桃川のおたきさま】絶えることのない水の恵み 畏敬と感謝と親しみと【桃川 多伎神社】

はじめに 古来より人は、水があるところに住み集まり、クニが生まれ文化が発展しました。人々は幾世代も絶えることのない水の恵みに畏敬の念をいだき、感謝し、親しみとともに守ってきました。#新潟県村上市 #桃川のおたきさま #多伎神社 #タキツヒメ 目次 …

【閼伽井(あかい)不動尊】弘法大師の足跡 高野山の守り神【笠山荒神社】

はじめに 遣唐使留学から帰朝した #弘法大師 #空海 が、高野山の開創を目指し水行したのが #閼伽井池。しかし火災や疫病に見舞わた時、再びこの地で水行をして石造の #閼伽井不動明王 を祀り、無事、高野山を開山したと伝えられます。#笠山荒神社 山域のもう…

絶景スポット【八大龍王弁財天大神 龗神神社】三輪山の麓 狭井川あたり【貴船神社(淤加美神)】

まとめ おかみのかみ。古事記では #淤加美神、日本書紀では #龗神。#水源の守護と水の祭祀 に関わる神様(女神さま)です。#三輪山 の麓・#山の辺の道 #狭井川 あたりには、二つの社があります。どちらもたいへん古い信仰のこん跡です 目次 大神神社 末社 貴…

【くつな石】女神の化身 ヘビが宿る巨石の伝承 水源の高龗神【べんてんさん】

目次 巨石イワクラ信仰と高龗神(たかおかみのかみ) くつな石 言い伝え*1 神奈備(かむなび)のたたずまい まとめ 明日香村で #べんてんさん と呼ばれる #くつな石。水源の #高龗神 を祀る #イワクラ だったのでしょうか。昔々、石にノミを打ち込んだ男、割…

【雨降れタンモレ】ふるい水の神・恵みの神への信仰のカタチ【葛神社(明日香村)】

目次 葛は国栖(くず)であり九頭(くず) 明日香村の葛神社(明日香村大字阪田736) 絵馬の起源(あるいは神馬の起源?) 明日香の雨乞い神事、南無天(なもで)踊り まとめ 国栖人(くずびと)の文化が色濃い奥明日香~宇陀~吉野には、葛、九頭など「くず…

【四天王寺】青龍伝承 水は東に流れる【見えない川、地下水脈のヒミツ】

目次 上町半島の巨大地下水脈(南北) 四天王寺の地下水脈(東西)と龍穴 桜の季節の丸池と弁天池 中心伽藍の『龍の井戸』 要約 上町台地(古代上町半島)は北の #大阪城 を頭に、南の #住吉大社 まで下る巨大な地下水の流れ #龍の水脈 があるのですが #四天…

【中の太子 野中寺(やちゅうじ)】聖徳太子・寺社建立のヒミツ★【仲哀天皇陵】

中之太子 野中寺(真言宗、大阪府羽曳野市野々上五丁目9番24号) 近鉄南大阪線・藤井寺駅から徒歩で約30分。駅前からバスも出ていますが、途中の仲哀天皇陵(岡ミサンザイ古墳)をじっくり見たくて歩きました。 野中寺は、藤井寺市から羽曳野市(はびきの…

四天王寺七宮は地上に描かれた古代のハザードマップ★

まとめ 四天王寺 には『七』の話がいくつかあります。#聖徳太子 の #七星剣 #七不思議 など。#四天王寺七宮 は寺を守るため創建時からあったと伝えられます。当時の #古代上町半島 の地形を考えれば、七宮が配置された理由、そして日本の神様の役割が見えて…

天を翔ぶ龍 水を駆ける龍 地に潜る龍【龍神?写真コレクション】

最近、マイブームの『龍』。 過去にアップしたものもありますが、ドラゴンの写真を集めてみました。 天を飛ぶ龍 7年前、元旦の日の出、難波宮から撮影したドラゴ・・・いやスネーク、いやツチノコ雲。(id:kaedeya さん。う、うなぎ!?) 2013年は巳年…

【古代の謎を繋ぐワンピース】眞名井の清水-産湯の玉之井-藤原氏の源流【産湯稲荷神社(2)】

先日の続き www.zero-position.com 産湯稲荷神社 産湯玉之井 産湯稲荷神社の境内北側、小さな鳥居をくぐって下ったところに、産湯(うぶゆ)の名の由来となった、産湯玉之井という井戸があります。 産湯稲荷神社 産湯玉之井 ご由緒には、神代の昔、大国主命…

【大阪・上町台地の龍穴】みず湧き、みどり濃い、街中の異空間【産湯稲荷神社(1)】

目次 産湯稲荷神社(うぶゆいなりじんじゃ) 鎮座地の地形図(国土地理院・標高地図) 桃が池公園のネコ弁天様 御由緒と御祭神 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ) 下照比売命(したてるひめのみこと) 大小橋命(おおおばせのみこと) アラハバキ解・汎日…

治水の歴史の記憶 土木遺産 王のベッドの正しい利用法 大阪府立狭山池博物館

日本の古代史を考える時、いくつかのポイントがあるが、そのひとつが「水の祭祀」と「治水」だ。 為政者(王権)は水をコントロールできる者でなければならない。 古代には「祭祀・祈り」であったが、歴史が進むとともに「治水」に変わって行く。 日本で、そ…

奥明日香・飛鳥川の川上、フナト川 男渕 斉明女帝の雨乞い神事(3)龍神が住む滝 三頭の狛犬

男渕 林道から 栢森(かやのもり)の女渕(めぶち)から、細谷川(フナト川)の上流・約2キロのところにある男渕(おぶち)にお参りした。 飛鳥時代、斉明女帝が皇極天皇の時代に、雨乞い神事を行ったことが日本書紀に書かれているが、おおよそ3ケ所が推定…

奥明日香・飛鳥川の川上、フナト川 女渕 母と娘が祀られる二つの神社の奥に 斉明女帝(皇極時代)の雨乞い神事(2)お参りの注意点・追記

女渕あたりの流れ 伽夜奈留美命神社(かやなるみのみことじんじゃ、フナト川沿い、滝本神社とも云う)の御祭神は下照姫。オオクニヌシの娘。 飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社(あすかのかわかみにいますうすたきひめのみことじんじゃ、飛鳥川沿い)の御祭神は…

奥明日香・飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社 斉明女帝(皇極時代)の雨乞い神事(1)★

女渕あたりの小さな滝 奥明日香訪問。前回の続き www.zero-position.com 「あすかのかわかみにいます・うすたきひめのみこと・じんじゃ」・・・神社名の文字数と長さでは日本一、ギネスかも知れない。 日本書記・皇極天皇元年条(642)に、斉明女帝が皇極天…

日本史上最大の水の祭祀史跡 神泉苑 祇園祭発祥の地 雨乞いのオールスター

東寺 真言宗 神泉苑。京都市中京区御池通神泉苑町東入門前町166。二条城の南 神泉苑 東寺の所有 鳥居 中央に空海さんが勧請した善女龍王社。朱色の反り橋は法成橋。周囲は法成就池。 善女龍王社 法成就池 造営時、南北500m×東西250mの巨大さ 京都市平安京創…

奥明日香・栢森の女綱 稲渕の男綱 綱掛神事(カンジョ神事)加夜奈留美命神社のイクメン狛犬?

一般的に狛犬の吽形(うんぎょう)はオス。イクメン狛犬? 飛鳥川の源流域を「奥明日香」という。 明日香の中心(石舞台古墳)から、稲渕(いなぶち)、栢森(かやのもり)、入谷(にゅうだに)と源流域に入ってゆく。 栢森 案内板 南北逆 聖なるフナト川 栢…

水の祭祀の記憶(0)大陸の龍は天空を駆け、日本の龍は大地を流れ下る(龍神信仰)

しんぶんしアニマルアーティスト・なんめんよしこさん作。 全長18m 新聞紙の龍 日本の謎の古代史を妄想するこのブログで、これまで考えてきたことを中心に書いているが、書きながら調べ、現地に足を運び、新しく気づき始めたこともある。 そのひとつが「水…

飛鳥京跡苑池 新たな流水施設が見つかる【8月10日・現地説明会・参加】

飛鳥京跡苑池(南側)イメージ。個人的に「シマ」が気になる(本記事では妄想無し) 飛鳥京跡苑池(南側)イメージ ***** 8月8日、橿原考古学研究所(奈良)が、飛鳥時代(7世紀)の築造で国内最古の宮廷庭園跡といわれる「飛鳥京跡苑池(えんち)」…

物部さん考(9)ポスト物部 神仏混沌の時代 妻・母として 巫女を貫いた孤高の女帝★★

酒船石遺跡で。観光ボランティアさんの地図。 飛鳥遺跡地図 左:地図の「酒船石遺跡」あたり、丘の下の亀型石槽。 右:丘の中腹にある有名な酒船石。用途は謎だが亀型石槽との関連が考えられる、 亀型石槽と酒船石 このあたりは飛鳥池遺跡や狂心渠(たぶれごこ…