ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

物部さん考

【石切剣箭神社 上之社】古代河内を支配した登美一族のこん跡【婦道神社、(旧)石切登美霊社】

はじめに 石切剣箭神社上之社。御祭神はニギハヤヒとウマシマデの #荒御魂。境内にニギハヤヒの后でウマシマデの母君 #ミカシキヤヒメ を祀る #婦道神社。古代河内一帯を支配した #登美一族 の長 #ナガスネヒコ は兄 目次 石切剣箭神社 上之社(大阪府東大阪…

【消された河内の古代史】謎のナガスネヒコ【長髄彦】

はじめに 春から #生駒山系 を歩き、なぜこれだけの重要な史跡があまり知られずに埋もれているのか?不思議でした。たまたま出逢い手に取った歴史伝承本はそのヒントになります #ニギハヤヒ #ナガスネヒコ #カムヤマトイワレビコ(神武天皇) 目次 生駒の大…

【石切剣箭神社・本社】物部氏の嫡流二柱が御祭神 ニギハヤヒ ウマシマデ【でんぼ腫れ物の神様】

はじめに スパッと切ることから #石切剣箭神社 は #でんぼ腫れ物の神様 として有名。御祭神は #ニギハヤヒ #ウマシマデ 親子二柱。#物部氏 の嫡流を祀ります。#穂積氏 目次 石切剣箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ、東大阪市東石切町1丁目) 石切剣箭神社 …

【大社御祖神社】先代旧事本紀に書かれた御祭神親子を祀る高宮の式内二社【高宮神社】

はじめに 寝屋川市 #高宮 の丘(旧讃良郡高宮村)には式内社が二社。一帯からは縄文土器、古墳時代の須恵器、飛鳥時代の寺院跡など。古代河内を代表する集落と氏族の居住地が継続してあったところ #大社御祖神社 #高宮神社 目次 高宮廃寺跡・大社御祖神社 大…

【四天王寺 守屋祠】毎月22日 太子御命日にお詣り 新たな謎【願成就の宮】

はじめに 毎月22日、太子の月命日 #四天王寺 聖霊院(太子殿) が開放されます。境域に #守屋祠 とも云われる #願成就の宮。#物部守屋 御霊のほか #弓削小連 #中臣勝海連 を祀ります。#太子と馬像 #熊野権現 #布袋 目次 毎月22日太子の御命日に開放される聖…

【新説・四天王寺】ベールに包まれた守屋祠が物語る謎【物部さん考】

四天王寺 物部守屋祠(太子の月命日(22日)公開) はじめに 四天王寺にあったと推理される熊野神社を探す目的で書き始めた #新説・四天王寺 シリーズ。調べるほどに新たな謎がさらに謎が呼ぶ展開に。#物部守屋 #守屋祠 #日出ずる処 #丁未の乱 目次 新説・四…

物部氏の【十種神宝】が眠る!? 式内楯原神社【神宝十種之宮】

はじめに ひさしぶりに #十種神宝のこと。古代ヤマト王権の成立に深くかかわった #物部氏の氏神、石上神宮の神拝詞(しんぱいし、のりと)のうち、十種祓詞(とくさのはらへのことば)で唱える十種類の神宝のことです #式内楯原神社 #神宝十種之宮 #三種の…

【伏見稲荷大社】めくるめく赤の世界に目がまわる

はじめに お稲荷さんの総本社 #伏見稲荷大社 に参拝。一の鳥居からの参道ー楼門ー外拝殿ー本殿は、御神体山 #稲荷山 の頂を正面にライン上に並んでいます。山腹の #千本鳥居 を進みながら、めくるめく赤と現世御利益祈願の世界を見ることになります 目次 伏…

【奈良 倭文神社(1)】フツと切れた大蛇のシッポは帯解へ飛びアタマを祀る【蛇塚神社】

はじめに 奈良市内 #倭文神社 #しずりじんじゃ に参拝。春日大社系・藤原氏の一族が769年に勧請。一帯の古地名は辰市郷。境内社に #蛇塚神社 が鎮座するなど #大蛇伝説 が残されています #ヤマタノオロチ伝説 #スサノオ #龍頭山西福院 #物部氏 目次 倭文神社…

古代妄想の参考書と基本スタンス【古代連想のやちまた】

はじめに 神社の由緒や御祭神の名、そして #古事記 #日本書紀 にも #方便としてのウソ は混ざります。一方で #偽書 とされる史料のホント。そういったことを少し考えてみました。#先代旧事本紀 #東日流外三郡誌 目次 神社の由緒や御祭神、神話 古事記や日本…

【岩根沢三山神社】太々神楽 木面(2)オオヤマツミ、スサノオ、フツヌシ

まとめ 岩根沢三山神社 #太々神楽 #木面 。#日本の神々の顔の2回目。#オオヤマツミ #スサノオ #フツヌシ。#日本神話 #物部氏 #石上神宮 目次 岩根沢太々神楽(いわねざわだいだいかぐら) 大山祇神(オオヤマツミ) 素戔嗚尊(スサノオ) 経津主神(フツヌ…

【ヲホド王・継体天皇】治水・クニ造り・水運の実業家【欽明天皇の父上 聖徳太子の曽祖父】

継体天皇石像(福井市足羽山)2019年11月撮影 まとめ 日本古代史で #継体天皇 #ヲホド王 は中興の祖と言えるでしょう。善政を行ない今でも北陸の人々の誇り。治水を始め #クニ造り #水運 に長けた大王で今風にいえば実業家の顔を持っていたようです。北陸・…

玉祖道・古代河内のウォーターフロント産業から見える「モノノベ経済モデル=ものづくり王国」物部さん考(21)

大阪に住んでいるおかげで、古代を考えるときは古地図を確認するクセがついている。 現在の日本の沿岸部平野は、例外なく、縄文晩期~弥生時代に海抜が下がる「海退」と、河川が運ぶ土砂の堆積(沖積)でできた「新しい国土」で、ここを押さえておかないと、…

【大伴家持】雅な歌人とは別の顔を持つ男 【百人一首 鵲(かささぎ)の詩 考察★★】物部さん考(20)

万葉集の編纂に関わったとされる大伴家持(おおとものやかもち、718年頃~785年)は、三十六歌仙の一人で、小倉百人一首にも名を連ねる。 百人一首 大伴家持 歌人として知られるが、実は、ヤマト朝廷以来の古代豪族、武人の家系で、奈良時代の大伴氏の…

【鵲森宮 森ノ宮神社】聖徳太子 親子が御祭神【物部守屋の本宅があった場所】物部さん考(19)

大阪歴史博物館の最上階では、北側の大阪城から南側の難波宮まで一望できる。 周辺の神社を含めて、説明を入れてみた。 秀吉の大阪城は、玉造稲荷神社あたりまでが三の丸(城の外縁)という壮大な建造物であった。 www.zero-position.com 正面に生駒の山並み…

【河内あるいは難波王朝?】幻の難波宮を再び地上に導いた考古学者・山根徳太郎の執念

難波宮全景 大阪歴史博物館から 1960年代に関西の著名な考古学者・歴史学者が提唱し、1980年代以降、否定的な見解となった『河内王朝』(Wikiより)をご存じだろうか(現在は河内政権というほどのニュアンスでとらえられているのだろうか) 古墳時代…

難波玉作部・物部氏のこん跡 水越弥生遺跡と都夫久美神社★国石 ヒスイの古代史(翡翠)(13)物部さん考(18)

俊徳街道・十三街道。ふるくは玉祖道(たまおやのみち)と称された 古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回記事(玉祖神社) www.zero-position.com 玉祖神社は八尾市神立(こうだち)の山腹に鎮座し、境内から見下ろす周辺で確認され…

河内にやってきた糸魚川の玉作集団・難波玉作部の居住地跡 玉造稲荷神社★★★国石 ヒスイの古代史(翡翠)(11)物部さん考(17)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回記事 www.zero-position.com 年末年始で間が空いてしまったが、ヒスイの古代史の続き。 物部氏の独占 物部氏は、今でいう通貨価値としても通用するヒスイと鉄を独占し、 前方後円墳の造営と水田…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(10)丁未の乱は古墳(モノノベ)時代を強制終了した経済の覇権戦争 ★★★ 物部さん考(16)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 丁未の乱(ていびのらん、587年)で物部氏(宗家)とともに前方後円墳の古墳時代が実質的に終わった。そして、副葬品としてのヒスイ勾玉や埴輪などの「ものづくり産業」も終焉を迎えた。 前回記…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(9)物部氏とヒスイの特別で重要な関係 ★★★ 物部さん考(15)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回、ヒスイ勾玉と物部氏には「ある特別で重要な関係」が推理され、実は、それが物部氏(宗家)が徹底的に滅ぼされ、ヒスイが隠ぺいされた理由ではないかと考えている、と書いた。 前回記事 www.ze…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(8)ヒスイ勾玉 衰退と消滅そして忘却の謎 ★★ 物部さん考(14)

前回記事 www.zero-position.com なぜヒスイは千三百年もの間、忘れ去られていた? 弥生の宝石箱 一級品の輝き(唐古・鍵考古学ミュージアム) 日本では、奈良時代中期を最後に、文学者・田中御風さんの推理でヒスイ峡が再発見された昭和初期まで、糸魚川で…

物部さん考(13)古代祭祀としての鎮魂祭・玉の緒祭 十種神宝 布留遺跡と石上神宮より

(注意)天理参考館では弥生時代の始まりをBC300年としている(近年はBC1000年とする説が有力) 布留遺跡 祭場 復元 天理参考館の建物に入ったロビーフロアに、実際に出土した円筒埴輪(壺型埴輪)を使って、古墳時代の布留(ふる)の祭場が復元展示…

物部さん考(12)弥栄(いやさか)の鈴・諏訪大社・古代妄想ガイド★★★ 【信濃と大阪・上町台地(5)】

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回の続き www.zero-position.com 諏訪大社上社前宮 鳥居 神原(ごうばら) (左)神原の地元有志作成の案内板(守屋山を北に描いている) (右)「諏訪大社上社前宮神殿跡」説明板(作成者:長野…

物部さん考(11)物部守屋の「もの」 諏訪大社・古代妄想ガイド★★★ 信濃と大阪・上町台地(4)

前回の続き www.zero-position.com 上社(二宮)と下社(二宮)が違う理由を考える 諏訪大社・下社二宮と上社二宮は距離的に離れており、それぞれ異文化の雰囲気。下社は大注連縄(おおしめなわ)など出雲文化が残っている。上社にはない。 諏訪大社四宮めぐ…

物部さん考(番外編)十種神宝 二鏡一剣 中間報告(サボらず続けてます)

いつもご覧いただきありがとうごさいます。 こちらでブログを始めて72日目。記事数はこれを入れて90本。読者登録いただいている方、246名。1日あたりのプレビュー数は平均で100ちょい。当ブログ業界で言うところの何とか砲ナシ というところであります。 特…

物部さん考(10)戦国時代・石山合戦図に見える本願寺・大阪城の前 モノノベ式聖地

石山合戦配陣図(和歌山市立博物館蔵。石山合戦(1570-1580)当時の石山本願寺と織田信長軍の配置図)に現在の大阪を少し書き込んでみた。 石山合戦配陣図 秀吉公の前、今の大阪城の地には、石山本願寺という浄土真宗(門徒さん)の大きな寺と寺内町(じない…

物部さん考(9)ポスト物部 神仏混沌の時代 妻・母として 巫女を貫いた孤高の女帝★★

酒船石遺跡で。観光ボランティアさんの地図。 飛鳥遺跡地図 左:地図の「酒船石遺跡」あたり、丘の下の亀型石槽。 右:丘の中腹にある有名な酒船石。用途は謎だが亀型石槽との関連が考えられる、 亀型石槽と酒船石 このあたりは飛鳥池遺跡や狂心渠(たぶれごこ…

物部さん考(8)前方後円墳 モノノベ・ビジネスモデル ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回(7)の終わりに「物部氏が滅んだ瞬間に古墳時代が終わる」と書いたが、正確にいうと「前方後円墳」のことだ。 丁未の乱(587)で物部氏が消滅して以降、前方後円墳が新たに造られることはな…

物部さん考(7)嶋大臣。実は仇敵のあだ名を付けられていた馬子 ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 私が蘇我氏の実在を疑い、物部氏の事跡を暗示するために創作されたキャラクターだと考えるもうひとつの理由。 蘇我馬子(そがのうまこ)が、嶋大臣(しまのおおおみ)と「あだ名」で呼ばれていたの…

物部さん考(6)厩戸(うまやと)の御子は馬子を駒使い ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE はじめに書いておくと、蘇我氏は疑わしいが、厩戸皇子(聖徳太子)は、その業績を残した方は居られるというのが私の前提だ。 ただ厩(うまや)で生まれた聖人像が史実かと言うと、それは新約聖書(…