ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

高津神社(2) おおらかな人柄と恋愛遍歴が偲ばれる数々の仕掛け 主神・仁徳天皇 高津宮 夏祭り 2019

昨日に続き、高津神社(高津宮)の紹介と仁徳天皇について。

高津神社(大阪市中央区高津1丁目)

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仁徳天皇(拝殿の肖像画

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夏の高津さんは緑、桜の頃

仁の風は宇宙を吹きわたり徳は乾きをうるおす。合わせて「仁徳」

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狛犬。オスとメス

神社の西側に石段があり、それぞれ相合坂(縁むすび坂)、西坂(縁切り坂)という。

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相合坂(縁むすび坂)と西坂(縁切り坂)

縁むすび編 相合坂を二人で。頂点での出会いはピタリ息を合わせて

神前結婚式にもグッド。二人だけ~親族友人参加式。披露宴も対応してくれるそう(社務所にお聞きください)

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頂点で石段が交わる

横(西)から見ると二等辺三角形の頂点で二つの石段が交わる。頂点で出逢った男女が一緒に神社への石段を登る。

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相合坂(縁むすび坂)

男性がこちら、女性があちら、といったルールはなさそう。カップルでそれぞれ好きな方を。

恋文のくじ(2019年春~)

縁むすび坂を無事登り終えたら社務所へ。

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恋文のくじ

「息子の参考に」と適当なことを言いつつ引いた。

十四番)うちひさつ 宮の瀬川の 顔花の 恋ひてか寝らむ 昨夜も今夜も

現代語訳、書き写し)宮の瀬川のほとりに咲く顔花は、太陽が沈んで夜になるとしぼんでしまうの知ってた?あなたに逢えない日の私みたい。ゆうべもシュンってしぼんでたのよ。今夜もシュンってしぼんじゃう(逢えない日)

うん!わかった。顔花って朝顔のことやんな。

縁切り編 縁切り坂を下る。一人でもよさそう

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西坂(縁切り坂)

縁を切りたい方はコチラ。曲り石段が特徴。説明板では明治初期まで「三下り半」になっていたそう。降りて効能があるようだ。

縁むすび坂をリバースで「二人で下りてわかれる」というのも効果がありそうに思うが、聞いていないのでわからない。

なお同じ縁切りでも、藁人形と五寸釘セットや鎌を使ったハード系ではないため、効力は緩やかである可能性がある。

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2019高津宮夏祭り

仁徳天皇 愛の遍歴とおおらかさ

高津さんの右座には、后の「葦姫皇后」と長男の履中天皇が鎮座する。

仁徳天皇の皇后は二人。前皇后の磐之媛命(※1)と後皇后の八田皇女(※2)だ。前皇后は履中天皇反正天皇允恭天皇の実母でもあり血統の優先性で「磐之媛命」が鎮座していてもおかしくないはず。他に3人の妃(いわゆる愛人)の存在も伝えられるがその中に「葦姫」の名はない。私としては、葦は「女性」を意味し、仁徳天皇が愛した皇后・妃をまとめた神名であると解釈している。いずれにしても「盛んな」天皇であったとともに、愛した女性を「ひとりも見捨てない」おおらかな人柄だったのだろうと思う。(今回はここの謎解きがテーマではないので推理は雑です)

境内東の崖下には「谷末社」と「陰陽石」がある。

「谷末社」は、常高社(大山祇命、おおやまつみ)、白菊社(草野姫命、かやぬひめ)、千年社(大市姫命、おおいちひめ)の三座。お父さん、お母さん、娘の構成。大市姫命はイチキシマヒメ(弁天さま)のこと。

陰陽石」はいわゆる男女を表現した石。仁徳天皇の神社ならではの史跡と言える。東側の梅林の小路、塀外から眺めた方が遠目でわかりやすいが、ほとんどの人は知らずに通り過ぎる。

※1:磐之媛命(いわのひめのみこと、古事記石之日売)嫉妬でヒステリックになったことが伝えられている

※2:八田皇女(やたのひめみこ、古事記では八田若郎女、仁徳天皇の異母妹)

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