下鴨神社・大炊殿(おおいどの)は、姫さま(斎王)が神さまの食事をつくっていたキッチン。
古社のこのような施設、他では見れないですからお奨めです。(公開日を確認していませんので、お参り前に社務所に確認するようにしてください。)
立て札に書いてあった「ぶと」って何だろう?と思いながら見学。
この記事では、大炊殿に説明書きやサンプルがあった「和菓子」を3点、お店も紹介します。
みたらし団子 : 下鴨神社(北西口からすぐ)
(左)大炊殿に展示されていた加茂みたらし本舗の由緒書
(右)御手洗社(みたらししゃ)・説明
大炊殿の見学が終わったら、西に向かって徒歩数分。通りをわたってすぐ。
平安の時代、みたらし池に湧き出す水玉を型どって作ったお団子。
始めにひとつ、後に四つが五十串(いそぐし)に通してあるのは、五体、人間の身体を表したもので、昔は団子を神前に供え、祈祷を受けた後、家に持ち帰っていただいたそうです。
お団子が上質で、甘味がほんのり、タレも昔ながら、いにしえの風味そのまま楽しめます。
あべかわのサンショウの粉。精が強いのか、食べた後、しばらくクチビルがほんのりシビれていた。
写真、あべかわのお皿の薄緑色がサンショウ粉。お好みで粉を付けながら、あべかわをいただくスタイル。
加茂みたらし本舗、食事喫茶、075-791-1652
餢飳(ぶと): 八坂神社(正面すぐ)
餢飳(ぶと)、きんちゃく型の清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)。どちらもゴマ油で揚げており硬い。
餢飳(ぶと)は奈良時代、遣唐使が持ち帰った唐菓子のひとつ。千年前の姿そのままで、主に神社の祭礼に供えられる神饌菓で宮中や貴族の間で用いられたという。
米や麦の粉の皮にアンを挟んで折り、兜形にして、煮えたぎったゴマ油で揚げるため、保存性がよく賞味期限は二週間。
指で割って食べるが、皮の後味がよく美味しかったです。
清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)はついで買い。製法はぶとに似ているが、八葉の蓮華をあしらった形とお香入りのアンが特徴。亀屋清永さんでは比叡山の阿闍梨(あじゃり)から秘法を習い作ったと伝えている。
口の中に広がるお香の薫りに驚いたが、しばらくすると、確かに身体の中から清らかになる感じがする。これが清浄歓喜か!?
お香をいただくイメージなので好みがあるかも(´▽`)
亀屋清永、075-561-2181
(京都、東京の有名百貨店に出店しています)
すはま(洲濱): 京都御苑内・厳島神社からすぐ
京都御所から、南に徒歩10数分
(左)ミッキーマウス型の州浜(右)祇園祭(前祭)・放下鉾の州浜紋。日・月・星三光をあらわす。
京都で洲浜菓子と言えば植村義次さんが代名詞だったが、数年前、ご高齢で引退。現店主の芳野さんは洲浜大好き女性で、植村さんの店じまいを知り、ご自分で継ぐと、弟子入り修業の後、お店を再開された。
一人の女性の熱意が、京都の伝統のひとつを守っている。
こういった心意気、応援したいものです。
本人は「まだまだです」と仰ってられましたが、なかなかどうして、ほどほどの甘味。よい具合にしっとりしていて大変美味しかったです。
大豆粉(きなこ)、和砂糖、麦芽飴だけでこれほどのものができるんですね。コーヒーにも合う、豆型の菓子(春日乃豆)も美味しかった。
良心的なお値段で安心。お土産にも最適。
お店は先日紹介した絶景の京都御苑・厳島神社のすぐ近く。歩いて五分ぐらい。
洲濱xCOFFEE「すはま屋」 (植村義次さん伝)075-744-0593
● 日曜日休み