今月から始めた断捨離。押入れの奥から出てきた蓄音機と古いレコード。
アメリカのコロムビア社製で『Viva-tonal ヴィヴァ・トーナル』という銘が描かれている。
調べてみると、大正末期に欧米の大手レコード会社(コロムビア、ビクター、ポリドール)が始めた『電気録音』時代のコロムビア製。
レコードはスウィングジャズ(ベニー・グッドマンなど)の他、江里チエミ・雪村いずみなどの戦後歌謡曲、唱歌なども含めて約50枚。
江利チエミ・テネシーワルツ(SPレコード盤)
家を新築した20年ほど前に、近所の建築関係のおっちゃんが、神戸元町のJR高架下で営業していたジャズ&ダンス喫茶の解体工事でもらってきたものを、なぜか『お前んとこいらんか?』と置いていった。
もらったときに1回だけ、レバーをグルグル回して、レコード(♬芸者ワルツ)が回って鳴ることを確認したが、なにぶん、仕事と子育てに忙しい日々の中、いつの間にか忘れてしまい押入れの奥で眠らせていた。
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蓄音器についていた試聴盤らしきものもあり、今読むと、たいへん面白いことが書かれていたので文字起こしをした(太字=開物が強調)
ヴィヴァ・トーナル・コロムビア蓄音器は現代科学の粋と永年の経験と、熟練せる技術との結晶で、斯界随一の最高級蓄音器であります。発声は最高音から最低音に至るまで、極めて自然に、淀みなく再生せられ、実に『実演其儘、じつえんそのまま』であります。
蓄音器を完全に鑑賞するには、蓄音器、レコード、針の三つが完全に一致しなければなりませぬ。コロムビア蓄音器にはコロムビア蓄音器針の使用が絶対必要です。コロムビア蓄音器針は極めて精錬せる鋼鐵製で、品質の高級なると、均一なるとに依り、絶対の満足を得られます。特大音、高音、中音、低音、長時間用の五種がありますから、室内の反響、音楽の種類等に依り適当なる針を御使用になる事をお薦め致します。
最高権威 コロムビア・レコード 吹込音楽は一流の芸術家をことごとく網羅し日本音曲の一大宝庫と云うも過言ではありません。電気吹込装置とその技術は多年の経験と現代科学との結晶で絶対他の追随を許しません。
電気吹込装置とは録音装置のことらしい。技術とはスタジオ音響技術のことだろうか。
ニュー・プロセスの製法に依りて、レコード表面は玉の如く滑らかにして不快な針音がございません。発音は明快にしてしかもレコードの耐久力は他のレコードに比して格段の相違がございます。
レバーを回すと以前のようにレコードは回ったが、針を置くと重みで回転が止まってしまう。
もしかしたら、レバーをグルグル回しながら聞くのだろうか。壊すのもちょっと怖いので少し調べてから試してみることにする。
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なお、江利チエミ、雪村いずみ、それに美空ひばりを加えて「三人娘」と云われていた。私のリアルタイム(中学時代)の三人娘は天地真理、小柳ルミ子、南沙織。その後、山口百恵、森昌子、桜田淳子の時代になった。
江利チエミはアニメになる前のサザエさんを演じていたのを覚えている。高倉健の奥さんだったが、事情があり、愛するゆえの離婚。人としても、大した女性だった。享年45歳(Wiki参照)