京阪天満橋駅の南側、土佐堀通に面した永田屋昆布本店の店頭で「八軒家」という非売品の冊子をいただけます。
その中に。。。「難波往古図」をもとに描かれた熊野古道曼荼羅。
かつて存在した渡辺橋のたもと、クボ津(窪津)の八軒屋の船着き場は上町台地の熊野街道の出発点ですが、ここからまっすぐすすむと四天王寺さんがあるイメージが描かれています。
このイメージは正確で、先日紹介した四天王寺の伽藍の中心点(転法輪石)を真北にたどると、窪津・八軒屋の船着き場(永田屋昆布本店さん)あたりを指しています。
この絵を見て、実際の地図を見ているうちに、四天王寺さんの伽藍が東に約3度、傾いていることに気がついたのです(ありがとう!)
大阪市内 熊野街道 観光ルート地図
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1464/00002290/K02-03(1312).pdf
大阪市内を散策する熊野街道のガイド地図ですが、このルートでは四天王寺さんをすっ飛ばして行くことになりますので、
四天王寺さん境内の熊野街道おススメルートを紹介させていただきます。
おススメ・四天王寺さん境内 熊野街道 歴史散策ルート
四天王寺さんの最寄り駅は、大阪メトロ・谷町線、四天王寺前夕陽丘駅になります。
駅出口を上がると、谷町筋よりひとつ東側の道を進んでください。我が母校、大江小学校の前を通ります。
進んで右に折れると、亀の池が見えます。せっかくですから、亀の池の真ん中を通りましょう。
人生幸朗(師匠)「(さんざんボヤいて最後に)責任者出て来~い!」
生恵幸子(師匠)「なに毎度、おんなじこというとんねん!この四天王寺のドロ亀ぇ~!」
人生幸朗(師匠)「お母ちゃん、ごめんちゃい。」
亀の池を抜けたら、右(時計)回りでも、左回りでも。
中心伽藍の転法輪石にお詣りしましょう。
その後、南大門そばの熊野権現礼拝石を見てから、西大門(転法輪をくるくる回せます)を通り、石鳥居の西門(さいもん)に向かいます。
この間に、熊野詣を盛んに行った上皇や平安貴族、さらには、日想観を修業した法然上人(浄土宗)の気持ちになりましょう。
(西大門から西門の石鳥居の空間は、日本の浄土思想の発祥の地とされています。)
難波がた 入りにし日を ながむれば よしあしともに 南無阿弥陀仏(後鳥羽上皇)
(開物解説:よしあしは、良し悪しですが、葦は「よし」とも「あし」とも読みます。上皇は難波の潟に茂る葦の原を眺めて詠んだのでしょう)
阿弥陀仏と 心は西に 空蝉の もぬけ果てたる 声ぞ涼しき(法然上人)
(阿弥陀仏。あみだぶ~、と詠んでください。陸奥宗光の詩にも「空蝉、うつせみ」が登場します。)
鳥居を出て、四天王寺さんに一礼。
左(南)に折れて、まっすぐ行くと、あべのハルカスが見える谷町筋に出ます。
ここで時間がある方は、ぜひ、通りの向かいの堀越神社へ(主祭神:崇峻天皇、四天王寺七宮のひとつ)。
もともと天満の八軒屋あたりにあった熊野九十九王子(神社)の第一番目、窪津(くぼつ)王子社は、現在、ここに遷座しています。
(冒頭に紹介した「熊野古道曼荼羅図」にも描かれている社です)