その名の通り、古代・難波津の淀川河口の中州だったところが現在の中之島(なかのしま)です。
現在、中之島エリアには、中之島図書館のほか、大阪市役所、中央公会堂などが並んでいます。
中之島図書館(本館)は、明治37年に住友家15代当主・吉左衛門氏の寄付によって建てられました。
外観はルネッサンス様式を基本に、コリント式円柱に支えられたギリシア神殿の正面玄関、教会をイメージさせる天井ドームがあります。
とことんミックス様式。
内部はバロック様式を基本にしているそうです。
利用者は正面玄関から入って、天井ドームを眺めることができるホールを通り過ぎて、貸し出し受付で本を書庫から出してもらいます。
ずらーっと書架が並んでいるような空間がない図書館ですので、そういうイメージで行くと少し期待外れかも知れません。
階段を上がって、正面2階室は、半円型の飾り窓のある重厚なインテリアの応接室。見学は自由です。
建物の正面外まわりに、五十周年を記念して住友社員で大阪勤務歴のあった歌人・川田順さん(1882~1966)の歌碑が湧水の中に置かれています。
難波津の まなかに植ゑし 智慧の木は 五十年(いそとし)を経て 大樹(おおき)となりぬ