ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【四天王寺】青龍伝承 水は東に流れる【見えない川、地下水脈のヒミツ】

目次

要約

上町台地(古代上町半島)は北の #大阪城 を頭に、南の #住吉大社 まで下る巨大な地下水の流れ #龍の水脈 があるのですが #四天王寺 あたりは龍の背から東西に流れています。このうち境内は西から東への流れに沿って #鏡池 #亀の池 #弁天池 が並んでいます #青龍伝承 #龍の井戸

本文

上町半島の巨大地下水脈(南北)

古代上町半島は、北の大阪城を頭に、南の住吉大社(尻尾)まで、ゆるやかに下る巨大な地下水の流れ(龍の水脈)があります。

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四天王寺の地下水脈(東西)と龍穴

四天王寺境内にはその水脈が現れた所(龍穴、りゅうけつ)があり、そのひとつが丸池(またの名を鏡の池)です。

写真のお地蔵さんは、東向き、亀の池の方を向いています。

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四天王寺 丸池・鏡の池

池のそばの立札には『いかなる日照りによる水不足の時でも池の水が枯れることはなく、往古より雨乞いを行う時はこの池の聖水を使って祈祷をしていた』と書かれています。

丸池は「上の池」、亀の池は「中の池」、亀遊嶋弁天堂のある弁天池を「下の池」ともいいます。

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亀の池(西側)向こうが中央の石舞台

池が「上」「中」「下」と呼ばれている理由は、3つの池が東西に並んでおり、西の方ほど標高が高く、東に向かって地下水脈が流れ、それぞれが『枯れることのない』湧き水になっているからです。

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四天王寺 鏡池-亀の池-亀遊嶋弁天堂

標高といっても、鏡池と弁天池の高低差は数メートルしかなく、境内を歩いていて、斜面を感じるほどではありません。

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弁天池前の参道から。石畳の向こうが亀の池。その向こうに鏡池

なお、弁天池は、古来、月影を宿さない池ということから「月無池」とも呼ばれていたそうです。

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亀遊嶋弁天堂と弁天池

桜の季節の丸池と弁天池

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中心伽藍の『龍の井戸』

境内の五重塔や金堂のある中心伽藍の北西にある龍の井戸。

青龍の守護伝説と、東への水の流れが伝えられています。

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龍の井戸(井戸屋形の天蓋 龍の絵)

説明板・文字起こし)四天王寺では、中心伽藍金堂の地下深くに流れる荒陵池(あらはかいけ)の麗水に住む青龍が寺域を守護していると信仰されています。創建当初の事が記された『四天王寺御朱印縁起』にも四天王寺の地には七宝が敷かれ、青龍がつねに守護しており、その麗水は東に流れている・・・」とあり、江戸時代には井戸屋形が造られ、境内図にも「龍の井」と明記されるほど、中心伽藍では外せない重要な建物と認識されていました

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天蓋の龍が水面に映し出される

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四天王寺