ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【岩根沢三山神社】太々神楽 木面(2)オオヤマツミ、スサノオ、フツヌシ

まとめ

岩根沢三山神社 #太々神楽 #木面 。#日本の神々の顔の2回目。#オオヤマツミ #スサノオ #フツヌシ。#日本神話 #物部氏 #石上神宮

目次

本文

岩根沢三山神社 太々神楽 木面

岩根沢太々神楽(いわねざわだいだいかぐら)

パンフレット等より)明治の初年ごろ、福島県伊達地方(現福島県郡山市)から伝わったと言われています。当初は、大神楽三十六座(面をつけて舞う)小神楽十二座(面をつけないで舞う)合わせて四十八座伝わったと言われていますが、長い継承の年月のなかで、特に、戦中戦後の混乱期もあり、現在は十座のみ演じることができます。岩根沢太々神楽保存会が平成25年11月3日に、伊勢神宮で執り行われた「第62回神宮式年遷宮奉祝奉納行事」で七つの舞を奉納しました

前回に続き2回目(1回目は、サルタヒコ、ウガノミタマ、オオクニヌシ

岩根沢三山神社 太々神楽 木面

大山祇神オオヤマツミ

たとえば「山口」と名が付く、入山口に鎮座する神社の御祭神は、たいてい大山祇神ですね。

もともとは出雲のクニの御神体・大山(だいせん)の神様だったのが、出雲文化の浸透とともに「山の神」として広がったと考えられます。

大きな山のごとく翁(おきな)の風情の左下の木面が大山祇神です。

岩根沢三山神社 太々神楽のひとつ 大延舞(国土安泰)

素戔嗚尊スサノオ

ご存じ、ヤマタノオロチ退治のスサノオ。牛頭(ごず)天王として祇園信仰の神様でもあります。

全国の祇園・八坂系神社の御祭神です。

もちろん怖ろしい形相をしていますが、同じような木面が二つありますね。

下段中央の青っぽい顔の方が素戔嗚尊スサノオ)です。

岩根沢三山神社 太々神楽のひとつ 鎮悪神舞(八岐大蛇退治)

経津主神(フツヌシ)

岩根沢三山神社 太々神楽 木面

その隣のよく似た顔の木面は、経津主神(フツヌシノカミ)。

国譲り神話で、高天原から武甕槌神(タケミカズチ)とともに派遣され、葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定したと書かれています。

スサノオの木面(下段中央)のむかって右隣が経津主神(フツヌシノカミ)です。

岩根沢太々神楽では国堅舞(くにがためのまい)で、国譲りを演じます。

なお「フツ」とは剣の切れる音・勢いを表すとされており、この話は、石上神宮奈良県天理市布留町)および所蔵の布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)の伝承とつながっています。

出雲ではスサノオはモノノベの祖、フツヌシはその子孫として伝承されており、似ているのは同族だからと考えられます。

石上神宮物部氏氏神で、

● 布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)を布都御魂大神として、

● ヤマタノオロチを退治した天十握剣(あめのとつかのつるぎ=蛇の麁正、おろちのあらまさ)を布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)として、それぞれ所蔵しています。

www.zero-position.com

長くなりましたので続きは次回(最終回)

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