はじめに
竪穴住居。縄文の人たちは森が地力を回復する約20年サイクルで建て替えていました。#式年遷宮 みたいですね。住まいは寿命を迎えると #草屋根 となり土に還ろうとします。現代建築にとり入れた #藤森昭信 さん設計 #ラコリーナ近江八幡 #縄文的思考 #持続性社会
目次
本文
夏は涼しく冬は暖かい、火を絶やさなかった縄文の竪穴住居の生活の続き。
前回と同じ、参考にした記事です(2017年)
二十年のサイクル 地力の回復
縄文の竪穴住居は二十年ごとに建て替えられていたという以前どこかで聞いた話が印象的で、検索で見つけたのが井戸尻考古館(長野県)学芸員・小松隆史氏のインタビュー記事でした。
『・・・竪穴住居の耐用年数は 20年ほど です。彼らは農耕をしていたのですが、おそらく焼き畑のようなことをして、転々と住まいを移し、そして地力が回復する頃にまた戻ってくる・・・』
縄文時代は、草創期の16,000年前(MAX)から晩期の3,000年前(新しい画期)までの、約13,000年間も続いた 持続性 のある世界最長の生活文化*1ですが、小松氏のこの言葉には、多くのことが詰まっています。
『・・・柱につかわれる木は、太くても直径20cmほど、好んでつかわれたのは栗の木で、食料にも住居の柱にもなる、成長の早い栗を栽培していたことが発掘調査からわかっています。』
日本の山々が「はげ山」にならなかったのは、温暖で多雨な気候もさることながら、縄文のご先祖様の直線的な発展に向かう文明とは一味違うライフスタイルがあったことを、現代の私たちは感謝すべきかも知れません。
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井戸尻考古館で復元された竪穴住居も、20年以上も経てば、屋根材の茅(かや)が土に還ろうとして、屋根から草がどんどん生えるそうです。
なんだか愛しい話ですね。縄文史跡公園などで竪穴住居を見かけたら、ぜひ屋根を見てみてください。
10月に滋賀県のラコリーナ近江八幡に行きましたが、その時の写真を。
(地元の菓子舗たね屋が運営するお菓子のテーマパーク。洋菓子はクラブハリエ)
藤森昭信さんの縄文ライフスタイルを底流にした奇想天外な建物が人気を呼び、今では滋賀県最大の観光集客地になっています。
草屋根の内側は、ホール(カフェ)になっています。漆喰の白壁に調質と清浄効果のある多数の木炭を埋め込んでいます。
草屋根から落ちるしずくが見えるでしょうか。
藤森さんの建物には、子どもたちもワクワクします。
アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(新章公開。連載中)
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*1:文明は農耕+定住+言葉、その結果としての文化的発展を要件とします