はじめに
石切剣箭神社上之社。御祭神はニギハヤヒとウマシマデの #荒御魂。境内にニギハヤヒの后でウマシマデの母君 #ミカシキヤヒメ を祀る #婦道神社。古代河内一帯を支配した #登美一族 の長 #ナガスネヒコ は兄
目次
本文
近鉄奈良線石切駅。先日紹介した石切剣箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)本社とは逆に、生駒の山手の方に上之社は鎮座します。
御祭神:饒速日尊(ニギハヤヒノミコト)荒御魂、可美真手命(ウマシマデノミコト)荒御魂
御由緒書、要約)神武紀元二年、生駒山山頂に近い「宮山」にニギハヤヒノミコトを祀ったことを起源とし、後の崇神天皇の代にウマシマデノミコトを祀るため下之社(現在の本社、東石切町)が創建されました。慶安三年(1650)に宮山からここ光堂山(現在地、上石切町)に遷座し、上之社と称されるようになります。明治四十年、明治政府神社合祀政策により上之社は下之社に合祀され、ここは石碑のみとなりましたが、昭和四十七年に再興され現在に至ります
荒御魂は「あらみたま」、対応する和御魂は「にぎみたま」と読みます。
御由緒書後半、要約)神様の働きには優しく平和的な「和御魂」と荒々しい「荒御魂」の二つの側面があります。荒御魂は勇猛果敢で義侠心に富み、新しい事象を生み出す活力の源とされます。同一神ですが別の神様に見えるほど強い個性をお持ちです。伊勢神宮の内宮における正宮は天照大神の和御魂を祀り、荒祭宮には荒御魂が祀られています。同様に上之社では取り立てて石切剣箭大神様の荒御魂を奉斎しております
石切剣箭神社 上之社 境内
御礼池の上には石切の御滝があるようですが見えませんでした。
祈願をし成就の際、感謝の心を記し御礼亀の腹中に治めて、御礼池に放ちます。
たくさんのお願いが成就したようです。
境内の一角に(旧)石切登美霊社(いしきりとみれいしゃ)。「旧」と書いているのは、玄関の張り紙に「登美霊社」が修繕の見通しが立たないほど毀損しており、御神体を(隣接する)婦道神社に遷座した」旨が掲示されていました。
御祭神:弟橘姫命(オトタチバナヒメノミコト)、御炊屋媛(ミカシキヤヒメ)
後半文字起こし、一部要約)御炊屋媛はニギハヤヒの后でウマシマデの御母上。古代河内一帯を治めていた登美一族の長であるナガスネヒコの妹君。当地に天降られたニギハヤヒと兄の仲を取り持ち、互いに争うことなく力を合わせてクニづくりができるように努められた
この内容は昨日の記事に関係する他、日本古代史にたびたび登場する トミ について言及しています。なにか繋がりそうですね。
【昨日記事】ナガスネヒコはトミノナガスネヒコ、カシキヤヒメはトミヤヒメ(登美夜姫)ともいいます。
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「八大」ではなく「八代」と書くんですね。
アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(全54話完結)
【2020年12月~2021年5月、連載完結】