ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【畚部(フゴッペ)】岬の洞窟とストーンサークル、アラハバキ神社

はじめに

小樽港から西へ車で約30分。#畚部岬(#フゴッペ岬)に行きました。北に向かって龍のように伸びるカタチをしています。周辺には北海道 #続縄文時代 の #フゴッペ洞窟(#岩面刻画 で有名)#西崎山環状列石 #アラハバキ神社 などがあります #ストーンサークル

目次

本文

畚部(フゴッペ)の地形

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畚部(フゴッペ)岬と西崎山環状列石(ストーンサークル、青い印)

小樽港から海沿いの県道を西に約二十分。畚部(フゴッペ)岬の横腹をくぐるトンネルの手前の蘭島西バス停(中央バス)が目印になります。(函館本線では蘭島駅下車)

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畚部(フゴッペ)岬 近くの蘭島西バス停

アラハバキ神社(金吾龍神社)

そこから少しトンネルの方に行くと、アラハバキ神社(金吾龍神社)の入口があります。(43.19723377902665, 140.84721419208634)

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アラハバキ神社(金吾龍神社)

事前の調べでは、現在は東京の宗教団体の管理になっているようです。

個人的には、北(北北西)に向かって海に突き出た特別に見える岬のカタチと、その根元にあるアラハバキ神社、フゴッペ洞窟、西崎山環状列石(ストーンサークル)をまとめて見学したく訪問しました。

残念ながら、赤い鳥居の向こうは倒木などの影響で、現在は立入禁止になっており、岬の丘の上の奥宮までは行けませんでした。

地元の方に聞くと、もともと鎮座していた旧い社を、ある宗教法人が買収して管理しているが、予算がなく復旧できていないとのことでした。参考に御由緒書を貼っておきます。

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アラハバキ神社(金吾龍神社)御由緒書

畚部(フゴッペ)岬

畚部(フゴッペ)岬 東から。向こうに見えるのが兜岬の兜岩(かぶといわ)

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畚部(フゴッペ)岬 東から

畚部(フゴッペ)岬 東から。丘の先端に見えるのが尻馬山とシリパ岬。

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畚部(フゴッペ)岬 西から

火山岩(溶岩)と堆積砂が混ざって固まった岩がゴロゴロしています。

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畚部(フゴッペ)岬の岩質

溶岩と書いたのは、黒っぽい岩には無数の孔があいているからです。流れ出した溶岩は、大気に触れると中からガスが噴出して急速に固まり、写真のような発泡跡が残ります。

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畚部(フゴッペ)岬の岩質

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畚部(フゴッペ)岬の砂浜

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畚部(フゴッペ)岬の砂浜

フゴッペ洞窟

トンネルを抜けて、道なりに西に車で5分ほど進むと、フゴッペ洞窟。洞窟を保護するための建物自体が展示施設になっています。

(43.19496789763319, 140.8387328485014)

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フゴッペ洞窟 展示施設(北海道余市郡余市町

本州では弥生時代にあたる続縄文時代(しょくじょうもんじだい)の遺跡で、全国では小樽市手宮洞窟とここの二ケ所しかない岩に彫られた絵画(岩面刻画)を見ることができます。

こちらは遺跡の保護(明るい光がダメ)のために撮影禁止でしたので、ショップの写真をアップしておきます。

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フゴッペ洞窟 岩面刻画

西崎山環状列石(ストーンサークル

(43.19060397722805, 140.8465427041142)

行き先は最初の地図(青い印)を参考にしてください。あるいは、フゴッペ洞窟の展示施設で詳しい道順を書いた紙をいただけます。

畚部(フゴッペ)岬の根元の台地、丘の一番高いところにあります。

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西崎山環状列石(ストーンサークル

西崎山環状列石から見ると、冬至の日に西のシリパ岬に日が沈む とのこと。(フゴッペ洞窟の掲示物より)

詳しくは調べていませんが、同じ冬至の日に東の兜岬あたりから日が昇ると考えられます。

この景観は、続縄文期のストーンサークルの意味を考える時の参考になるかも知れません。

また、ここから北に鎮座するアラハバキ神社の成立にかかわる考察ができるかも知れませんね。

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西崎山環状列石(ストーンサークル)から北の海(西のシリパ岬、東の兜岬)

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