ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【北野天満宮(6)】御本殿前の眷属四社の意味 白太夫の秘密【菅大臣神社】

はじめに

菅原道真公が御祭神の #北野天満宮京都市上京区)#菅大臣神社 の共通点。カーブする南北の参道とご眷属の四社。#老松社 #福部社 は牛、#火之御子社は #雷神。となれば #白太夫社 は本来 #風神 ではないかと妄想

目次

本文

北野天満宮と菅大臣神社

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菅原道真公が御祭神の北野天満宮京都市上京区)と菅大臣神社(京都市下京区、道真公の誕生伝承地)には共通する点があります。

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菅大臣神社 境内図(新撰京都図会 巻四 昭和三十七年)左が北・右が南

南北にカーブした参道と、御本殿前の四社(老松社、福部社、火之御子社、白太夫社)です。

カーブした参道と、参道から見えない御本殿の位置は、道真公の御霊が、参道から外に出ないように配慮された結果と推理されます。(菅大臣神社は西側の参道に御本殿が正対していますが、これは後の時代の町割りの結果と考えられます)

御眷属四社(老松社、福部社、火之御子社、白太夫社)

北野天満宮 境内図 御本殿に向かう参道の左右に各二社

本シリーズ(3)で紹介した通り、老松社は御祭神が牛飼いの島田忠興、福部社は牛の世話役の十川能福(そごうののうふく)が御祭神ですから、道真公の眷属の牛に因んだ社と考えられます。

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北野天満宮 摂社 老松社と福部社

左は本シリーズ(4)で紹介した御祭神が火雷神の火之御子社。

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右は、伊勢神宮の若き神官・渡会春彦(わたらいのはるひこ)を御祭神とする白太夫社。

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北野天満宮 摂社 火之御子社と白太夫

(案内板、要約)御父上・是善(これよし)卿が、世継ぎの誕生を祈って伊勢外宮に祈願され、道真公が生まれたご縁から、生涯の守役として道真公に忠誠心を尽くした春彦翁は、若いころより髪が白く人々より白太夫と呼ばれた

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北野天満宮 摂社 白太夫

個人的に、①伊勢国の髪が白かった白太夫が渡会春彦翁であるというところ、そして、②四社の順から見て白太夫社が火之御子社(雷神)に対応しているのではないか、というところに妄想がそそられます。

風神と雷神★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE

シリーズ(4)では、雷神は、菅原家の祖・土師氏のシンボルである牛が怨霊となり鬼神と化した姿として描かれたものと、妄想考察しました。

雷神と来れば、相対するのは 風神

有名な江戸期の俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風(国宝)をご覧ください。左が雷神、右が風神。

風神のなびく髪。。。

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俵屋宗達 風神雷神図屏風(江戸期)

渡会氏の系図をしっかり調べて書いてませんので、妄想レベル★★としますが、伊勢豊受大神宮(伊勢外宮)の神主さんの世襲一族ですから、伊勢国とは深い関係にあります(三重県度会郡もあります)

伊勢には、かつて伊勢津彦(出雲建子命、櫛玉命とも)という日本神話に登場する国津の古い神がいました。

名の通り、出雲系の一族で、天津(天孫族)から国を明け渡すように命じられた時、強風を起こして東に去って行ったとされており、つまり 風神の神格

(どこに去ったのか、、、それはそれで一大ストーリーですので、その辺は、またあらためて)

伊勢国の渡会氏が、伊勢津彦を祖としていると仮定するなら、渡会春彦翁は、かつて風早(風速、かざはや)と云われた伊勢国の、風神の直系子孫ということになりはしないでしょうか。

だから白太夫と云われた。。。可能性。

別の線から追うと、渡会氏が出雲系であれば、猿田彦を信奉していたことは間違いありません。猿田彦は全国の 白髭神社 の御祭神でもあります。

ヒゲ(髭)とカミ(髪)の違いはありますが、細かいところはさておき(笑)、つぎつぎと古代妄想が尽きません。

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