ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【狭井川 探訪(前半)】辺津(へつ)磐座群 山ノ神遺跡とは別の もうひとつの磐座(史跡名不詳)

はじめに

先日紹介した#三輪山 #辺津磐座群 #山ノ神遺跡。もう少し奥を探索したいと再訪。山道を進むと『もうひとつの巨大な磐座』。現地には案内はありませんが整備状況や周辺の雰囲気から知る人ぞ知る所のようです。史跡名不詳。御神体の山頂から流れ下る #狭井川 も確認

目次

本文

山ノ神遺跡磐座の周辺を探索

www.zero-position.com

先日紹介した三輪山麓・辺津(へつ)磐座群の山ノ神遺跡の磐座(辰五郎大明神からスグ)。

周辺はまばらな樹林で、ところどころに岩が見えるところがあり、再訪問の今回はもう少し奥、三輪山の方に続く山道を上がってみようと考えて来ました。

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中央に辰五郎大明神を見下ろしたところ。山ノ神遺跡は写真の右側

小石が載せられた岩。

地図も案内もない、ましてハイキングコースでもない山道のそばの岩に。何か信仰的な意味を感じます。

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もうひとつの磐座を発見

山道を5分ぐらい歩いたところで、しめ縄で囲われた御神域が見えてきました。

中央に幅2メートル、タテは3メートル以上の大きな磐座。そばに小さな祠。立札があり、撮影禁止と書かれています。

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辰五郎大明神の奥。山ノ神遺跡とは別の磐座

さらに山道を上がって行きます。

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磐座を横から

『大神社地』と刻まれた石碑。かつて、ここは神社地で、三輪山への登拝道であったのでしょう。

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山道に『大神社地』と刻まれた石碑(左)

三輪山頂からの狭井川の流れを確認

山道はここまで。そこから先は禁足地であることを示す進入禁止の標が立てられていました。

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近くに木橋が架けられた 狭井川(さいがわ)。雨の翌日でも小さな流れです。

橋の向こうには道はなく、ここで行きどまり。

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三輪山山頂付近から下る狭井川

狭井川は、御神体三輪山の山頂付近から流れ下る小川ですが、幸の川・塞の川(さいのかわ) に由来すると伝承され、つまり、サイノカミ信仰 を内包する三輪山信仰において、たいへん重要な流れです。

現在、三輪山登拝への唯一の入口、狭井神社(狭井坐大神荒魂神社)の名の由来でもあります。

私の現在地は青マーク。先程の進入禁止標の先は、三輪山登拝道の 三光の滝(お滝場)に続いているようです。

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現在地。おおよその三輪山登拝道と狭井川の流れ

参考に、狭井神社からの入山時にいただく登拝コース図です*1。(三光の滝は③)

コース図の上を左に倒して見ると、グーグルマップの方向と合います。

三輪山には辺津・中津・奥津のイワクラがあり、宗像三女神貴船の信仰*2とも共通する水の祭祀 の形式が見られます。

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三輪山登拝コース(大神神社

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*1:現在はコロナの影響で全面入山禁止です

*2:貴船の名の神社では、高龗神(たかおかみのかみ)、罔象女神(みずはのめのかみ)、闇龗神(くらおかみのかみ)のいずれか一柱、あるいは二柱が祀られていることが多い。三柱が祀られていることもたまに見られる