ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【木島坐天照御魂神社(1)】蚕養神社(蚕の社)、元糺の池の三柱鳥居

はじめに

京都 #木島坐天照御魂神社 通称 #蚕の社 が鎮座する #太秦 は雄略天皇の時代(古墳時代)呉国から渡来した #秦酒公 子孫 #秦氏 が発展した地。 #蚕養神社 #元糺の池 #三柱鳥居 #京都の三珍鳥居

目次

本文

雨上がりの土曜日、阪急電車西院駅から嵐電に乗り換えて、太秦(うずまさ、京都市右京区)の蚕ノ社まで。

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京福電気鉄道嵐山本線 通称嵐電(らんでん)蚕ノ社駅

木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)

(35.0149137622861, 135.7134810170606)/京都市右京区太秦森ケ東町50−1/嵐電蚕ノ社駅から徒歩5分。駐車場はありませんが、ニの鳥居前にセブンイレブン

蚕ノ社駅を降りてすぐに木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)一の鳥居。真北を向きます。

扁額には蚕養神社(こがいじんじゃ)(蚕ノ社の正式名称)と書いてあります。

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木島坐天照御魂神社 一の鳥居(扁額には蚕養神社)

鳥居中央に見えるのは(写真では見にくいですが)手前から、木島坐天照御魂神社の社叢、雙ヶ岡(ならびがおか)、そして仁和寺(にんなじ)の背後の御室(みむろ)の山。

いきなりの直線のライン関係に、ひどく古代妄想をそそられますが、本日はテーマが違います。未来の伏線として覚えておいてください。笑

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三百メートルほど歩くと、木島坐天照御魂神社。

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木島坐天照御魂神社(ニの鳥居)真新しい神明鳥居

御祭神:天之御中主神*1(あめのみなかのぬし)、大国魂神*2(おおくにたまのかみ)、穂々出見命*3(ほほでみのみこと)、鵜茅葺不合命*4(うがやふきあえずのみこと)、瓊々杵尊*5(ににぎのみこと)

御由緒より抜粋要約①)創建は不明。「続日本紀大宝元年(701年)に神社名が記載されており、それ以前から祭祀されていたと思われる。御魂の総徳を感じて天照御魂神と称しており、広隆寺創建*6とともに勧請されたものと伝えられる

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木島坐天照御魂神社 御由緒

北に向かう参道の奥に、御本殿、向かって右に東本殿・蚕養神社(蚕の社)、右に末社・三十八所神社。

参道途中の左に白清稲荷(椿丘大明神の碑)。

そして、西側に元糺(もとただす)の池と、池の中央奥に有名な三柱鳥居。

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木島坐天照御魂神社 境内図(新撰京都名所図会第二巻 昭和34年初版)

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木島坐天照御魂神社 拝殿

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木島坐天照御魂神社 御本社 奥が御神域

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木島坐天照御魂神社御本殿 右が東本殿(蚕養神社)

蚕養神社(蚕の社

御由緒より②)蚕養神社(蚕の社)。雄略天皇の御代(1500年前)秦酒公呉国(はたのさけのきみ)呉国(中国南部)より漢織・呉織を召し、秦氏の諸侯とともに数多くの絹・綾を織り出し「禹豆麻佐(うずまさ)」の姓を賜るこの地を太秦(うずまさ)と称し推古天皇の御代に至り、その報恩と繁栄を祈るため、養蚕・織物・染色の祖神を勧請した

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木島坐天照御魂神社御神域の中 蚕養神社

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木島坐天照御魂神社御神域の中 末社(三十八所神社)

元糺(もとただす)の池と三柱鳥居

有名なのが、元糺の池と三柱鳥居。

御由緒より③)境内に「元糺の池」と称する神池がある。嵯峨天皇の御代に下鴨に遷してより「元糺」と云う。糺は「正しくなす」「誤をなおす」の意味でこの神池は(身に罪や穢れのある時に心身を浄める)の行場である。夏期第一の「土用の丑」の日にこの神池に手足を浸すと諸病にかからぬと云う信仰がある

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元糾の池と三柱鳥居

当社の三柱鳥居は、京都の三珍鳥居*7のひとつに数えられます。

三方正面。石の明神鳥居を三つ組み合わせた上から見ると正三角形の珍しい鳥居。

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木島坐天照御魂神社 三柱鳥居

三柱鳥居は他に、三囲神社(みめぐりじんじゃ、東京都墨田区向島)などで見ることができます。

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木島坐天照御魂神社 三柱鳥居

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*1:日本の神々の根源とされる造化三神の一柱

*2:大国主と一身同体か?、最高の国魂とされます

*3:海幸・山幸神話の山幸彦とされます。初代神武天皇の諱(いみな)が彦火々出見で同一視されることもあります

*4:神武天皇の御父上で。日向三代の三代目

*5:天孫降臨の主役。天皇家の祖先神

*6:創建は推古天皇11年(603年)。秦河勝はたのかわかつ開基。本尊は聖徳太子。別称は蜂岡寺・秦公寺・太秦

*7:京都御苑・旧九条家厳島神社の鳥居、②木島坐天照御魂神社の三柱鳥居、③北野天満宮・伴氏社の鳥居