ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【横吹 千鹿頭神社】ミシャグジ信仰と同根のチカト信仰・考(1)

はじめに

長野と山梨の県境に鎮座する横吹 #千鹿頭神社。#チカト は #洩矢ノ神 から三代目にあらわれる #千鹿頭ノ神 を祖とする #ミシャグジ信仰 の系譜(#神長官守矢家系譜)

目次

本文

千鹿頭(ちかと)信仰について

諏訪が発祥のミシャグジ信仰と同根(本記事【千鹿頭はミシャグジ信仰の系譜】を参照してください)と考えられる 千鹿頭(ちかと)ノ神 を信仰する社は、現在、長野県で10数社、富士見町(現在)に2社鎮座しています。

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横吹 千鹿頭神社(10月19日参拝)

(35.89314666527177, 138.23648978929836)/長野県諏訪郡富士見町富士見坂上峯4637/神社前に通行の妨げにならない程度の駐車スペースあり。中央本線富士見駅から約2キロ

今回の諏訪訪問では、富士見町の横吹と原休戸の2社を参拝。

ここで紹介するのは横吹地区の千鹿頭神社。

先日紹介した諏訪神社中社(大武川、山梨県)から釜無川を超えて約4キロ。山梨県と長野県の県境に近い所に鎮座。

御祭神:千鹿頭ノ神(千鹿頭大明神)

横吹 千鹿頭神社

横吹 千鹿頭神社

横吹 千鹿頭神社 境内

横吹 千鹿頭神社 覆屋に囲われた御本殿

覆屋(おおいや)に囲われた御本殿は、豪華な唐破風(からはふ)屋根、極彩色だったであろう見事な彫り物でデコレーションされていました。

寛永18年(1641)に勧請したとされる。棟札により、その後宝暦12年(1763)に再建されたことがわかる』と富士見村誌に記録されており、江戸期の建築と考えられます。

横吹 千鹿頭神社 唐破風・極彩色の見事な彫刻の御本殿

境内の様子と景色

横吹 千鹿頭神社

千鹿頭の神はミシャグジ信仰の系譜

「千鹿頭(ちかと)」は、守矢家系譜の三代目としてあらわれる 千鹿頭ノ神 を祖とします。

つまり、ミシャグジ信仰とチカト信仰は、諏訪(洩矢の神)が発祥地で本来、同根でした。

守矢家系譜(神長官守矢資料館のしおり)

推測ですが、丁未の乱(587)で聖徳太子厩戸皇子)軍に討たれた物部宗主・守屋の次男・武麿(弟君)が系譜に加えられて以降、

諏訪訪大社上社の祭祀は、大祝(おおほおり、現人神)の諏訪氏と神長官(じんちょうかん、神官)の守矢氏の二頭体制に変容し、

少なくとも弥生時代(諏訪では稲作が小規模で縄文文化が色濃く残る)以来、古くから継承されたチカト信仰は、この二頭体制から切り離されたのではないかと考えています。

このあたりは、ミシャグジ信仰と同祖で、諏訪から直近の信仰圏でありながら 御柱が立てられていない 境内を見て感じるところであります。(次回・原休戸社に続く)

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横吹 千鹿頭神社から八ヶ岳

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