はじめに
先日 #釣手土器(#香炉形土器)のことを書き、あらためて #太陽の塔 見学。大地に根ざす母胎、そしてあの世とこの世を繋ぐ #道祖神的な器 の表現か #スリット目 #遮光器土偶 #岡本太郎
目次
本文
釣手土器(香炉形土器)
釣手土器(香炉形土器)について、
井戸尻考古館では「…それは人面の誕生する女性陰部であると同時に、実大の稚児(新生児)をかたどったものである。そこに火が灯される。」と解釈しています。
タローさん(岡本太郎)の縄文解釈
あらためて 太陽の塔
子供の頃から目に焼き付いたこの造形がなければ、井戸尻考古館の解釈はなかなか理解できなかったことでしょう。
大地に根ざし、膨らんだ下腹から覗く顔は新生児。
胴体に描かれた赤いラインは命を送り込む血の道あるいは胎盤か。
スリット目があらわす目覚め
よーく見ると、新生児の両の目にはスリットが刻まれています。
遠めからだと、スリットは隠れ、目は見開いているように見え、
一方、近めから見上げると、スリットがつくる影の効果で、うっすらと目を開く この世での覚醒の瞬間 を見ることができます。
シャコちゃん(遮光器土偶)
スリット目といえばシャコちゃん(遮光器土偶)
私はその名の由来となってしまったエスキモーの照りつける紫外線から目を守るスリットの遮光器ではないと(100%)考えています。
遮光器と考えてしまうがゆえに、考察があらぬ方向に行ってしまうのを、常々残念に思っています。
スリットは縄文精神を深く理解したタローさんの解釈の通り、目を閉じたり・開いたりを光の加減によって表現する造形テクニックと考える方が自然です。
このテクニックは半眼の仏像にも多用されています。
タローさんが再現した巧妙な芸術(ゲージツ)を通してみると、遮光器土偶と釣手土器(香炉形土器)は、結局、同じ表現・目的の造形物であるように思えてきます。
・・・母胎はあの世(死の世界)とこの世(生の世界)の 境界(サカイ)
かつて亡くなった魂が、あらためてこの世に生まれてくる…転生の世界観。
釣手土器(香炉型)や遮光器土偶は、この世への 道しるべ、魂が生まれゆく先 産室*1から産道*2を灯す道祖神的な器 の表現。
ゆえに中空の香炉形でなければならない。
背中の黒い太陽(黄泉の国)
母胎は境界(サカイ)であるゆえに黒い太陽(あの世、黄泉の国)とは表裏一体。
縄文時代、出産の失敗は、母胎または新生児、あるいは両方の死を意味します。
なんと!…
タローさんは 人類の進歩と調和 をテーマとした高度経済成長期に突入したあの時代、あの大阪万博で、死をも表現していたことになります。