ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

四天王寺さんをぐるりと回る人生か。【六時堂の御本尊・羅喉星と計都星】

引っ越しも少し落ち着き、新しい散歩コースを探索に夕方の#四天王寺 さんをウロウロ。解体修理中の #六時堂 の案内を見て、謎の天体 #羅喉星(ラーフ)と #計都星(ケートゥ)を御本尊としていることを知る。#金剛組 #転法輪

目次

本文

再び四天王寺さんの近所へ

ちょうど5年前、コロナ騒ぎが始まったころ、四天王寺さんから少し離れた上本町に引っ越したのですが、

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この度、再び、四天王寺さんの近くに引っ越し。

紹介してもらった物件がお手頃で、たまたま以前紹介したことがある「西門の鳥居〜転法輪石〜物部守屋祠」ラインが通る近くだったのも決め手に。😀

四天王寺西門〜転法輪石〜物部守屋祠ライン。このラインは東の御勝山古墳〜生駒の大鳥方向に伸びる

解体修理中の六時堂(亀の池・石舞台前)

新しい散歩コースを探しがてら、久しぶり夕方の境内をウロウロ。

週末、急に暖かくなったせいか、亀の池では冬眠から醒めたばかりの亀たちが甲羅干しをしていました。

四天王寺 亀の池 甲羅に西日があたる亀くんたち

亀の池の前の六時堂は60年ぶりの解体修理中。

飛鳥時代に創業、日本、いや、世界最古の会社、金剛組が担当。

工事の無事安全を祈る南無阿弥陀仏の幟(のぼり)。

解体修理中の六時堂(ろくじどう)

去年から始まってましたが、来年三月末に工事は終わる予定。

聖霊会法要の六時堂。手前が石舞台と亀の池(20220422)

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六時堂は奈良時代の聖武天皇期、平安時代初期の伝教大師・最澄さんの時代に創建されたという二説がありますが、

最澄創建説では、一日六時(六回)、四時間毎に法要をするお堂として創建されたというところから名前が付いたと書かれています。

工事現場の壁に貼られた六時堂の案内板

個人的には時間を測る役割があると考えていて、亀の池は「時間を測る設備」という古代妄想説を紹介したことがありますが、この案内を見て少し納得!✨👍

今なら時計がありますが、平安時代からどうやって四時間ごとを計ったのか考えると、季節ごとに太陽と月の方位を細かく測る方法が最もあり得ます。

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もうひとつ、六時堂は、薬師如来と四天王、それに羅喉(らご)と計都(けいと)を御本尊としていたことを始めて知りました。

六時堂の御本尊(薬師如来、四天王、羅喉、計都)

羅喉星と計都星は古代インド、バラモン教に発祥する架空の天体および信仰神(ラーフ、ケイトゥ)に由来し、太陽と月の軌道が重なる「日食」を予言するための「奥義」でした。

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そんな二体の御神像が、四天王寺さんにあったとはビックリです。

(空海さんの真言密教と比較して)天台密教の方はどちらかと言うと古代のマクロな天文観察に基づく体系ですが、そういう観点と繋がりそうです。

阿吽(あ・うん)の二神の御姿は壮厳で畏れ多く、いかにも天台密教的であると感じます。

六時堂の御本尊、羅喉星と計都星

逢坂から。夕陽と通天閣

しばし夕暮れの境内を散策。

梅も見ごろになりましたね。

あと一月もすると鏡池の周りは桜の名所になります。

仏足石と鏡池

西門の大鳥居をくぐって一旦境外へ。

何年ぶりかで眺める逢坂からの夕陽。

この国の西方浄土(南無阿弥陀仏)の信仰はこの景色から生まれました。

四天王寺では最澄さん(天台宗)、空海さん(真言宗)、法然さん(浄土宗)、親鸞さん(浄土真宗)…

それぞれが海に沈みゆく夕陽を眺めながら西方浄土を想いました(日想観)

逢坂から。通天閣と夕陽

日も暮れた帰り道。

古代と現代が交じり合う景色。

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四天王寺の西で育ち、還暦過ぎて北に、この度は東に戻ってきました。

グルっと回って最後に四天王寺さんの南に住むことになるのでしょうか😅

四天王寺 転法輪(西大門)

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