ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

岡本太郎 の検索結果:

【道祖神】 境界(際) の路傍に立ち、幸を迎え入れ、災厄を塞ぐ【サイノカミ】

… 先日、タローさん(岡本太郎)は、太陽の塔 でオモテとウラのある 中空の器(うつわ)としての母胎を表現したのでは、と紹介しました。 オモテは明るい太陽の射す この世、ウラは暗い太陽が照らす(暗闇の)あの世。 www.zero-position.com そして、タローさんのゲージツ(芸術)を触媒として、釣手土器(香炉型土器)や遮光器土偶(シャコちゃん)は、共助の母系制社会の縄文集落ごとにひとつ・ふたつあった産室(竪穴住居)を照らすランプだったのではないかと妄想しました。 このあ…

【太陽の塔】あの世を背に、新生児をこの世に導く母胎【縄文の土器・土偶】

…目 #遮光器土偶 #岡本太郎 目次 釣手土器(香炉形土器) タローさん(岡本太郎)の縄文解釈 スリット目があらわす目覚め シャコちゃん(遮光器土偶) 背中の黒い太陽(黄泉の国) 本文 釣手土器(香炉形土器) 釣手土器(香炉形土器)について、 井戸尻考古館では「…それは人面の誕生する女性陰部であると同時に、実大の稚児(新生児)をかたどったものである。そこに火が灯される。」と解釈しています。 上段)香炉形土器(井戸尻考古館)、下段)顔面装飾付き釣手土器(八ヶ岳美術館、長野県県宝・…

【展覧会 岡本太郎】太陽と会話する孤独な小学生タロウ【大阪 中之島美術館】

…開催中の『展覧会 #岡本太郎-本職?人間だ。』を見学。パリ時代から #大阪万博 を経て晩年にいたる作品をまとめて展示。タロウさんは孤独を感じる子ども時代、太陽と会話する少年でした 目次 展覧会 岡本太郎(大阪中之島美術館)7月23日(土)~10月2日(日) 黒い太陽・・・太陽と会話する小学生 本文 展覧会 岡本太郎(大阪中之島美術館)7月23日(土)~10月2日(日) 大阪中之島美術館で開催中の『展覧会 岡本太郎-本職?人間だ。』を見学して来ました。 【大阪:2022年7月2…

【国立民族学博物館】インド(ヒンドゥー教)の神々

…年の大阪万博終了後、岡本太郎さんがチーフ、小松左京さんがサブプロデューサーを務めて世界各地から集めた大阪万博の民俗資料を、展示・研究することをを目的に設立されました。戦前にパリで当時最先端の文化人類学を学んだ太郎さんの功績も大きかったと思います。 国立民族学博物館 開館直後の10時過ぎから14時まで、スマホで300枚ぐらいの写真になりました。 先日、密教はインドで仏教とヒンドゥー教が習合したものと紹介しましたが、ヒンドゥー教のことはあまりよく知らないので写真整理と備忘を兼ねて…

【発掘・EXPO70(14)】日本の歴史 世界に何をどのように発信する?【日本館】

…いですね~ 当時は、岡本太郎さんが火をつけた縄文ブームの一方、考古学では地道に研究が進んでいましたが、まだ文化文明のレベルで紹介できるほどのコンテンツではなかったことがうかがえます。 さて、近代史に至るまで、今なら何を紹介しましょうか? 例えば、数々の縄文土器・土偶も、芸術として魅せるのか、文化文明の史料として見せるのか。 後者の場合は、全方位的な考察と、ストーリーが必要なことは言うまでもありません。単に『祭祀、信仰の道具(もの)』というだけでは、世界にアピールするには弱すぎ…

【発掘・EXPO70(8)】カクカクした日常から流線形と幾何学の非日常へ【夢の未来都市】

…ン・ミロ、太陽の塔の岡本太郎など、キュビズムの巨匠の起用は、1937年パリ万博のピカソ『ゲルニカ』が動機になったのでしょう。 当時の日本のイメージは昔ながらの「フジヤマ」「サムライ」「ゲイシャサーン」。豊かになった日本人は「ジャルパック」で海外に。カメラ片手にゾロゾロ団体ツアーで、それをみた外人さんに「エコノミック・アニマル」なんて揶揄されていました。そんなステレオタイプをなんとしてもぬぐい去ろうと、科学技術ととともに、芸術を前面に打ち出しました。 蚊取りブタそっくりのガス・…

【発掘・EXPO70(5)】ベラボーにそびえ立つ太陽の塔 開幕直前 岡本太郎寄稿 全文【突き抜けろ!】

太陽の塔と岡本太郎 近代建築の大屋根をノビノビ・ヒロビロと突き抜ける 祭りの魅力 岡本太郎 (全文、昭和45年3月8日、毎日新聞掲載) 祭りもいよいよ目前だ。すべてのパビリオンが装いをこらして、幕あきを待つ。こころよい緊迫感が千里の会場全体にみなぎっている。 私がはじめてテーマ展示プロデューサーを引き受けたころ、いったい万国博とはどんなものなのか、みんなが手さぐりの状態だったし、二年やそこらで出来るだろうかという懐疑的な気分が大勢を占めていた。 それにもまして、当事者がいちば…

【発掘・EXPO70(1)】人類は進歩と調和をしたのか?【大阪万博・考】

…70開幕前後の新聞 岡本太郎さんも登場してたんですね。以前にブログを書いた時には手元になかったものが発掘されました。 ベラボーなことを寄稿されていますので、後日、全文、紹介します。 各パビリオンのコンパニオンのおねいさまたちの写真集もありますね。こちらも後日紹介。 www.zero-position.com 万博会場に併設して、エキスポランドという遊園地があって、その目玉がダイダラザウルスというジェットコースターだった。 日本の伝説の巨人・ダイダラボッチと、最強のティラノザウ…

【亀ヶ岡考古資料室(2)】頭のない遮光器土偶

亀ヶ岡考古資料室 亀ケ岡遺跡の年代は「縄文晩期」、3000~2300年前とされ、遺跡から出土した亀ヶ岡式土器は6つの様式に区分される。 資料室の縄文時代区分と様式(上段が青森県、下段が東北地方) 亀ヶ岡文化 遮光器土偶を含む亀ヶ岡式土器は、北東北を中心に全国で20ケ所以上の遺跡から出土しており、大きな文化圏であったことがわかる。 (上で書いた)亀ヶ岡式土器の様式分類と編年(時代区分)の基準となった大洞貝塚(岩手県大船渡市)はNo12。 資料室作成の解説シートより 亀ヶ岡文化の…

良きライバル 新潟の火焔と長野の水煙 【地域交流と匠の精神が縄文中期に生まれた証】

…心者であるが、一応「岡本太郎さん・マザコン&直線嫌悪説(前回)」をひっさげて(笑)展示を見て回った。 前回 なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(2) www.zero-position.com 新潟県の馬高式「火焔土器、かえんどき」 現在の長岡市関原町の近藤篤三郎氏が発見した縄文中期の土器(命名は考古学者・中村孝三郎氏) 燃え上がる炎をイメージさせることから、後に「火焔土器」と名付けられた。 火焔型A式1号(左)は、火焔型土器の第一号、たくさんある同じ様式を…

なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(2)【なぜ太郎さんは縄文に惹かれたのか?雑考】

目次 前回記事 岡本太郎の本・呪術誕生(みすず書房)より 新潟県立歴史博物館「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了) 四次元との対話 縄文土器論(冒頭)文字起こし(後半、前回の続き) 縄文の土器・土偶カテゴリー記事 本文 前回記事 太郎さんは多弁なゲージツ家だ。 前回記事の「四次元との対話 縄文土器論」は、推敲して書かれた、文字通り論文のようなもの(前回の引用の後半は、この記事末に後半続き) www.zero-position.com 岡本太郎の本・呪術誕生…

なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(1)【四次元との対話 縄文土器論】

…声が館内に響いた。 岡本太郎さんが博物館の片隅に置かれていた土器・土偶を見て、あげた叫びだ。 この瞬間から縄文の土器・土偶が広く知られ、1970年大阪万博の「太陽の塔」が「建立」されるに至る。 新潟県立歴史博物館(長岡市)秋の特別展「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了)では、 フランス留学を太平洋戦争で中断、出征帰国後の1951年、東京国立博物館で「縄文」と出会った逸話のコーナー展示があった。 太郎さんが博物館で出合った縄文たち(一部) その中で太郎さんの…

日本の謎の古代史(10)遮光器土偶 コラージュされた女性の守り神

…と目:前記事で書いた岡本太郎・太陽の塔の解釈。目を閉じた新生児の表情。あの世(前世)からこの世に再生してくるイメージかも知れない ● 紋様:数多くの出土品で繰り返される磨消縄文(すりけしじょうもん)。アイヌの紋様にも似ている。流れるもの、変転、循環するものの表現か。 ● カラダ:「中空」の亀型土製品。遮光器土偶の顔がついたものがある。母体を亀型に見立てた可能性。「水」のイメージ。土偶の腹部に小さな穴があいていて水を流していたのかも知れない ● アタマ:香炉型から「火」のイメー…

日本の謎の古代史(9)太陽の塔に刻まれた岡本太郎のダヴィンチコード 遮光器土偶 スリット目の意味を考える

前回からの続き。 万博「エキスポ70」、1970年、中学生だった自分は未来都市に夢中になり、何度も足を運んだ。中でも、太陽の塔が大好き。同じ時代を過ごした世代にはそういう人が多い。で、次のような記事を書いた。 www.zero-position.com www.zero-position.com 見慣れたデザインだったが「夜の顔」があるのを知らなかった。昼とは表情が一変する。 太陽の塔 昼の顔 夜の顔 夜、見上げた時、おなかの顔の目が閉じている。もちろん角度と光で、閉じたよう…

太陽の塔 夕日 ライトアップ 夕涼み 万博記念公園

…でき、待機スペースで岡本太郎さんのアートを楽しめる。 光で色とりどりに変わる表情 時間どおり、いよいよ中へ 最近まで館内は撮影禁止だったが、一階スペースのみ撮影OKになった。二階以上では、落下危険防止のためカメラ等はカバンの中に入れて下さいとのこと。飲み物(ペットボトル)もアウトなので水分補給してから観覧しましょう。 生命の樹。太陽の塔の中、てっぺんまで伸びている。はじめに生命誕生。上に向かって進化する姿を観てゆく。 生命の樹 太陽の塔 上の方に恐竜が見える。 生命の樹 パノ…

古代コレクション 土偶と埴輪と謎な方

古代の謎を探して神社や遺跡を訪ね、現地の資料館や博物館に行くことも多い。 行けば、館内を長時間、ウロウロしてしまう。 太宰府天満宮と九州国立博物館は隣り合っているので一度行って観たかったが、私一人だと最低半日の規模なので、奥さん同伴の今回は止めにした。 あっさり止めることができたのは、天満宮の参道に九州国立博物館のミュージアムショップがあったから。 博物館の楽しみのひとつがミュージアムショップ。 最近は博物館側も心得ており、古代おじさんの心をくすぐる品揃えをしている。 買った…

太陽の塔 70メートルの縄文土偶と岡本太郎さん

… 「芸術が爆発した」岡本太郎さん作。 この爆発がなければ、縄文の土器・土偶は、いまだに博物館の展示物の中に埋もれたままだったかも知れない。 日本の伝統的で抑制された型式美を嫌悪しパリ留学。直線的な抽象派の絵画にすら飽きたらず、民俗学(民族ではない)を学ぶも兵役で帰国。戦後日本でモヤモヤ過ごしていた時期の話だ。 太郎さんがベラボータワーと呼んだ太陽の塔、実は万博の公式テーマの「人類の進歩と調和」に反発しながら創作したという(本人談) 「進歩」の象徴のはずの未来都市の中心に 根源…