ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

古代の白酒(しろき)雑味が個性の「どぶろく」 各地・新嘗祭のふるまい酒

先日の黒酒(くろき)に続き、今日は白酒(しろき)。

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どぶろく」と「すみ酒」

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酒造免許をもつ神社(神酒造りの伝承より)

神社でふるまわれる白酒は、だいたい「どぶろく

全国40を超える酒造免許を持つ神社のうち、半数近くで、古式(どぶろく造り)にのっとって造られている。

樽の中に、蒸米・米麹・仕込み水の全量を仕込み、一気に発酵・熟成させる。

分解し切れなかったコメのでん粉を含むため、白い。

また、アルコールにならなかったでん粉からの糖も残るため、ほんのり甘い味になる。

どぶろく」の上澄み、あるいは、どぶろくを絹布でこしたものが「すみ酒」

伊勢神宮ではどぶろく造りですみ酒が造られる。すみ酒は出雲大社でも造られている。

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参考までに、日本酒(どぶろく含む)のつくり方は次のとおり、

蒸し米 + 麹菌 + 水 → (麹が米のでん粉を分解) → 糖 → (発酵) → アルコール

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どぶろくは口当たりが良い 飲み過ぎ注意 笑

アルコール度数は日本酒と同じ。

(「もと」と云われる酒母をつくり「三段仕込み」をして、ほぼ完全にでん粉と糖を分解、アルコール化する現代の日本酒(清酒)のつくり方と違う)

どぶろく祭り(神社で秋のふるまい酒)

10月中旬~11月(新嘗祭)に、各地で、収穫されたお米を神前にお供えし、感謝する祭りの中で、どぶろく(すみ酒)などがふるまわれる「どぶろく祭り」が開かれる。

(リンク先;日本のどぶろく祭り、Wiki、※春祭りも含まれる。各、確認の上、お参りしてください)

ja.wikipedia.org

練酒(ねりざけ)

どぶろくに似て、中世には各地で造られていたそうだ。古代からの酒と考えられるが、もち米との混合で、乳酸菌を積極的に使う点が、どぶろくや日本酒と違うようだ。現在は久留米でのみ、造られている。

度数は3度。甘味のあるヨーグルトにも似た軽い酸味で酒が苦手な女性にも飲みやすい。祝い事やおとそによい。

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練酒 とろみと乳白色

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博多練酒 パッケージ

酒造免許をもつ神社

酒造は酒税法でガチガチに法規制されている。しかし一部の神社での酒造に関して「どぶろく特区」で規制外とし、神事としてのふるまい酒でのみ認めている。念のため書いておくが酒造免許のない一般人が自宅などで造るのは違法

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