ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

物部さん考

古代ヤマトの徐福伝説(2)出雲と大和と物部。徐福と牛頭天王とスサノオ

古代ヤマトの #徐福伝説 の二回目。今回は日本古代史の最大とも言える謎のピースを繋ぎ合わせてゆきます。#出雲と大和と物部 のお話の原点。 #出雲伝承 目次 ヤマト創世記・葛城勢力の形成と尾張氏 穴師坐射楯兵主神社の創建 【穴師】ヤマトの徐福伝説のこん…

古代ヤマトの徐福伝説(1)不老不死の神薬を求めて日本に渡った伝説の人物の系図

前回紹介した穴師(奈良県桜井市)兵主神社は、もともと #牛頭天王 を祀っていたという考察は #出雲伝承(#出雲と大和のあけぼの)を元にしました。しかし出雲伝承ではさらに奥深い歴史が紹介されています #徐福 目次 出雲伝承の話 古代史考察の点と線 奈良…

【飛鳥の大鳥】お釈迦様の頭から生まれた聖徳太子と飛鳥時代

古墳時代に続く #飛鳥時代。事実上 #聖徳太子 の誕生によって生まれた新時代。斑鳩、白鳳、朱鳥…数々の神鳥が生まれた時代でもありましたが、どうして「あすか」と呼ばれたのでしょうか。誕生現場からの報告です 目次 飛鳥を「あすか」と呼ぶ理由 明日香から…

【津島神社(5)】東日本と西日本を結ぶ海の回廊

名古屋の古地形図を眺めていますと、桑名を西岸に、#津島神社 〜琵琶島(清洲)〜#熱田神宮 のラインは、古代の西国と東国を結ぶ #海の回廊 であった様子が見えてきます。#ミシャグジ信仰 #天白信仰 目次 古代の海の回廊 東国と西国を結ぶところ 古代の信仰…

【津島神社(3)】スサノオ神(牛頭天王)の四つの魂を祀る境内社【六社参り】

尾張なごや #津島神社 の三回目。境内にはたくさんの摂社末社が並びますが、御祭神 #須佐之男命 の #荒魂 #和魂 #幸魂 #奇魂 をそれぞれ祀る社が残っているのは大変珍しいとのこと。なお御本殿はこの4つの魂を併せ持った直霊(なおひ)を祀ります 目次 津島…

【津島神社(2)】牛頭天王とスサノオ神

尾張なごやの #津島神社(2回目)。御祭神の建速須佐之男命は、江戸期まで #牛頭天王 と尊称された除厄の神様。明治期にスサノオ神に統一されました。このあたりの経緯について夏に斎行される #天王祭 から考えてみました #京都八坂神社 #祇園祭 目次 疫病…

全国天王総本社【津島神社】信長公と秀吉公の歴史が刻まれたスサノオの社

愛知県 #津島神社。西(京都)の八坂神社に並ぶ #スサノオ を祀る古社で、西は琵琶湖東岸までをテリトリーとし中部地方を中心に三千社に及ぶ津島社・天王社の総本社 目次 津島神社(愛知県津島市神明町) 津島神社 参拝 天王祭 本文 津島神社(愛知県津島市…

【松尾大社(3)】本殿奥の水の祭祀の御神域【霊亀の滝、滝御前、亀の井、三宮社、四大神社】

京都洛西 #松尾大社 の3回目。本殿奥に #水の祭祀 の御神域。また、前回紹介した #出雲後物部 のこん跡について少し追記。 目次 出雲後物部のこん跡(前回追記) 松尾大社 本殿奥の御神域 本文 出雲後物部のこん跡(前回追記) www.zero-position.com 前回…

【松尾大社(2)】出雲後物部の古代史のこん跡 双葉葵(ふたばあおい)を考える

古代京都の山背(やましろ)。弥生時代は出雲の #賀茂族、後に渡来の #秦氏 が支配しました(秦氏と物部氏は同祖)。当ブログの #出雲後物部 は、そんな古代史を語るためのカテゴリー。山背時代からの古社に共通するのは御神紋 #双葉葵 #葵祭 目次 出雲と秦…

【河内磐船】弥生から鎌倉まで。北河内有数の遺跡集積地【古代陽石崇拝の遺跡】

はじめに JR学研都市線 #河内磐船駅(かわちいわふねえき)前は、古墳時代の #鉄器工房跡 #森遺跡。一帯は多数の古墳をメインに弥生から鎌倉まで 各時代の遺跡が集積 #肩野物部氏 目次 河内磐船駅と森遺跡(肩野物部氏、鉄器工房遺跡) 須弥寺(しゅみじ)…

【登彌神社(鳥見神社、木嶋明神)】富雄川近くの丘陵に鎮座する登美(トミ)ニギハヤヒの神社

はじめに 富雄川沿い #富雄丸山古墳 からほど近くの丘陵地に鎮座する #登彌神社(通称:木嶋明神、昭和初期まで鳥見神社とも)。物部氏の祖 #登美饒速日命(とみにぎはやひのみこと)を一柱として祀っています #ニギハヤヒ #登美連 目次 登彌神社(とみじん…

【アラハバキ】【石神】隠されるがゆえに見えにくい古い信仰と古代史【ミシャグジ】

はじめに 当ブログでは #アラハバキ #ミシャグジ など古い信仰のこん跡を追いかけることもテーマ #須弥山石 #マラ石(明日香) #出雲幸乃神社(京都) 目次 今井野菊さんが踏査したミシャグジのリスト 列島各地に登場する石神。例えば飛鳥 例えば京都 探せば…

【原休戸 千鹿頭神社】神長官守矢家系譜のこん跡を読む【チカト信仰・考(2)】

はじめに 森の奥に小さく見えた鳥居 #原休戸千鹿頭神社 社殿もなく小さな石祠だけの素朴な境内に むしろ歴史の古さを感じます。#チカト信仰 考察の二回目 #神長官守矢家系譜 に見える #出雲後物部 の歴史のこん跡 目次 原休戸(はらやすみど)千鹿頭神社(10…

【鹿食免・鹿食箸】諏訪信仰とともに続いた肉食文化のこん跡【屠る/祝る】

はじめに 諏訪で感じるのは縄文に続く弥生・古墳時代の歴史が薄いこと… #諏訪大社 御祭神が弥生出雲の #タケミナカタ であるにもかかわらず…腑に落ちません。#鹿食免 #鹿食箸 にその空白をひも解く端緒があるような気がします 目次 鹿食免(かじきめん)・鹿…

【(大武川)諏訪神社中社】弥生〜古墳時代の事績を伝える由緒…諏訪大社の元宮だった!?

はじめに 諏訪大社は上社・下社の四社が知られていますが、山梨県北杜市の大武川集落の中社はあまり知られていません。由緒には弥生から古墳時代への移行期の事績が伝えられ、当社が諏訪大社の元宮だったのではないかという気持ちを抱かせます 目次 (大武川…

【(御頭)ミシャグジ様の信仰】守矢家当主の証言より【アラハバキ考】

はじめに 先代までに失われた習わし #諏訪大社上社 神事の話を通して、神や精霊がどのようにとらえられていたのかがわかる #神長守矢家 現当主(78代守矢早苗氏)の証言は貴重 #ミシャグジ #アラハバキ との関係も考察 目次 ミシャグジ様のこと(神長官守矢…

【神長官守矢家①】伝・武麿(守矢家27代)の円墳と出自の謎

はじめに 諏訪大社上社の #神長官(じんちょうかん)として中世をピークに明治期まで続いた #守矢家。当ブログ #物部さん考 の一環として #神長官守矢家資料館 を訪問 目次 神長官裏古墳 27代目に現れる武麿(弟麿) 点を繋ぐ線 地域に残る物部守屋の伝承 本…

【守屋神社(里宮)】信濃と大阪を繋ぐ物部守屋の点と線【物部さん考】

はじめに ようやく参拝がかなった #守屋神社(里宮)。人里離れた #守屋山 麓に鎮座。#丁未の乱(587年)で太子に討たれ #物部氏(宗家)の最後の当主となった #物部守屋 が祀られています。当ブログ #物部さん考 も簡単に振り返り 目次 守屋神社(物部守屋…

【村屋坐弥冨都比売神社②】当社成立の難解な歴史を推察させる境内四社

はじめに 大和川畔の #村屋坐弥冨都比売神社(むらやにいますみふつひめじんじゃ)二回目。境内四社。それぞれに由緒が深く、当社成立の難解な歴史を推察させます。備忘録 #壬申の乱 #物部守屋 #阿刀 #服部 目次 村屋神社(延喜式内社)おそらく元社 物部神…

【村屋坐弥冨都比売神社①】御祭神の三穂津姫命・考【大国主命の後妻神】

はじめに 奈良盆地の真ん中、大和川の畔の #村屋坐弥冨都比売神社(むらやにいますみふつひめじんじゃ)通称 #村屋神社。#ヤマト創世記 を考える上で情報量の多い神社で2回に分けて紹介。1回目は御祭神 #三穂津姫命 に埋め込まれた #物部氏 のこん跡 目次 …

【生国魂神社お旅所跡】天照山(生駒の大鳥)を見晴るかす 太古 クニウミ祭祀の聖地

はじめに 大阪城外堀 南西に #生国魂神社お旅所跡。ここは生國魂神社(天王寺区)の元宮。太古、海に囲まれたこの地は #クニウミ祭祀 の聖地。ここから #天照山(#生駒の大鳥)を見晴るかすことができます #十種神宝 #生玉 #足玉 #生島大神 #足島大神 目次 …

【京都太秦・蛇塚古墳】石室の軸線を辿ってゆくと【嵯峨野・阿刀神社】

はじめに 京都 #太秦 #蛇塚古墳は上部の土が流れ露出した石室の方位が確認できる上、周囲の住宅の区画から、かつての前方後円墳の方位を見ることもできます。石室の軸線は北西の #阿刀神社 を指しています 目次 前方後円墳・中心軸線の方位 京都太秦・蛇塚古…

弘法大師の母方血脈と平安京での足跡【京都嵯峨野 阿刀神社(捕捉)】

はじめに 弘法大師 #空海さん の平安京での活躍の根源を考える時、母方 #阿刀氏 の動きは参考になります。先日紹介した嵯峨野 #阿刀神社 の由緒を補足。阿刀氏は #饒速日命(にぎはやひのみこと)の孫 #味饒田命(うましにぎたのみこと)を祖とする物部氏の…

【波切不動明王・石上布留社③】「イソノカミ」「フル」阿刀家が物部氏系であるこん跡

はじめに シリーズ3回目 #空海さん の母方 #阿刀家 が平安から明治までの千年以上世襲した #東寺執行。東寺の事務局といったイメージでしょうか。その本部あったのが阿刀家の氏神を祀る祭壇 #石上布留社 #フルの意味 目次 石上布留社(いそのかみふるしゃ)…

【波切不動明王・石上布留社②】やわらかな表情 弘法大師お地盤のお不動さん(0514追記、波切の由来)

はじめに 前回の続き #波切不動明王 京都市の案内板には「四国路、東寺、高野山などの霊地に参っても #弘法大師 のお地盤(おじば)であるここの #不動明王 に参らないと御利益が頂けない」と。優しい柔らかな表情が印象的 目次 浪切不動明王(なみきりふど…

【波切不動明王・石上布留社①】阿刀(あとう)氏について。現状わかっていること。まとめ

はじめに 東寺の北大門から数分、#波切不動明王(なみきりふどうみょうおう)#石上布留社(いそのかみふるしゃ)が並んでいます。さほど大きくない境域に #弘法大師 #空海さん の血脈を考える上で、たいへん重要な歴史が詰まっています #佐伯氏 #阿刀氏 目次…

【垂箕山古墳】京都最古の前方後円墳!?【宮内庁治定・仲野親王 高畠墓】

はじめに 墳丘長70メートル級。#垂箕山古墳(片平大塚山古墳)は #太秦 の代表的な #前方後円墳 のひとつ。宮内庁は桓武天皇の第十二皇子・仲野親王の陵墓と治定していますが、時代的にも考えにくい話です 目次 垂箕山古墳(片平大塚山古墳・仲野親王高畠…

【京都嵯峨野 阿刀神社】河内国から山城国に移住した阿刀氏の氏神【弘法大師の足跡】

はじめに 京都太秦(うずまさ)エリアの北西端、嵯峨野に近いところに #阿刀神社。神社名から #弘法大師(空海さん)を生んだ古代豪族 #阿刀氏 の山城国における氏神であった考えられます 目次 京都嵯峨野 阿刀神社(あとじんじゃ) 京都嵯峨 阿刀神社 御由…

【機物神社(1)】七夕 織姫のモデル 機織りの姫 二柱

はじめに 山頂に巨岩(観音岩)の #交野山 を遥拝する #機物神社。#交野ケ原 #天の川 伝承の #織姫 が御祭神。モデルは機織りの女神二柱。複雑な歴史を経て #七夕 のお祭りになったよう。今夏初めて #茅の輪 をくぐりました #おりひめちゃん 目次 七夕(おり…

【磐船神社】御祭神はニギハヤヒ 神殿を覆う巨大なアメノイワフネ

はじめに 天野川上流域 #哮ケ峰 麓の #磐船神社。神殿に覆いかぶさる巨岩 #天の磐船(磐座)が御神体。御祭神は #物部氏 の祖・天照国照彦天火明奇玉神饒速日尊(#ニギハヤヒ)。#十種神宝 #鎮魂祭 は加持祈祷の根源として #神道 #修験道 #密教 #陰陽道 に…