ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

粘土と縄文土器、縄文の火★、女性の匠と母系社会

今週のお題「いい肉」 煮るなり焼くなり好きにして はてなの今週のお題が「煮るなり焼くなり好きにして」なので「土器」。 焼いて土器を作り、煮ものを調理する 富山県埋蔵文化財センター パネル 地層にあらわれた粘土を取ってきて、小麦生地を作る要領で適…

メジャー3石器の分布から見える 旧石器時代と縄文時代の繋がり【東北歴史博物館】

石器時代の主な石材分布(東北歴史博物館) *地図中、青が黒曜石(こくようせき)。赤が珪質頁岩(けいしつけつがん)。黄色がサヌカイト(カンカン石)。 (パネルの解説文が読みにくいので、記事末に文字起こししておきました) 仙台滞在中に、東北歴史博…

【ざっくり】日本列島の成り立ちと古代の鉱物資源【ヒスイ、砂鉄を例に、珪藻土も】

(注意書き)大変ざっくりした記事です。日本の古代を考える時に、海進・海退(かいしん・かいたい)とともに、知っている方が、想像(妄想)が膨らんで面白い自然条件として書いています。 より詳しくは、各専門のサイト・ページを検索してご覧下さい。 *…

佐渡は古代のタイムカプセル(4)ムラのものづくり 分業スタイル 匠・名工を生み出す風土

フェリーから海猫 水平線(右)に佐渡 佐渡島 Wikiより 「佐渡は古代のタイムカプセル」というテーマで書いてきたが、今回が一応、最終回。 縄文からの玉作(玉造)の伝統を繋ぎ、高度化し、そのオンリーワン(特に管玉製作技術)が、弥生・古墳時代に全国の…

佐渡は古代のタイムカプセル(3)縄文から弥生へ、玉作(玉造)技術の伝承【海進・海退期にあらわれた古国仲湖】

目次 佐渡には約180ケ所の縄文遺跡 古国仲湖(縄文時代) 前回(弥生の高度な管玉づくりの技術) 古代のタイムカプセルの意味 佐渡市 新穂歴史民俗資料館 佐渡めぐり記事(2019年、2020年) 本文 佐渡には約180ケ所の縄文遺跡 新穂歴史民俗資料館があ…

大嘗祭 悠紀殿・主基殿 素木(しらき)の故郷、杣(そま)を守護する山國神社(京都周山)

向こうに山國神社の鳥居 山國(やまぐに) 京都市街北西の周山一帯は、古くは山國(やまぐに)村と云われました。 日本史で「山國」が登場するのは、明治維新・戊辰戦争(1868-1869)の「維新勤王山国隊」でしょうか。 村の郷士80余名が、農民兵として参戦し…

管玉(くだたま)づくりが見せる古代の地場産業的ものづくり文化と精神【新穂村玉作遺跡群】佐渡は古代のタイムカプセル(2)

新穂歴史民俗資料館 新穂と下畑の玉作遺跡群 佐渡の弥生時代(約二千年前)、多種多様な石加工品(石器)、中でも、碧玉と鉄石英の細型管玉、ヒスイやメノウの勾玉を作っていた。 特に面白いのは、工程ごとに集落で分業し、地域全体として玉・管玉を生産供給…

佐渡は古代のタイムカプセル(1)弥生~古墳時代の新穂村玉作遺跡群 軟弱地盤との闘い【蔵王遺跡ほか】

新穂村玉作(にいぼむらたまつくり)遺跡群 国中(国仲)平野にある弥生~古墳時代の集落遺跡。遺跡総面積が47万平方メートル以上の国内最大規模の玉作遺跡群(東京ドーム10個分以上) 蔵王、竹の花、桂林(かつらはやし)、平田、塚田、城ノ畠などの遺…

【May be 閲覧注意 But 運気向上】今日はそういう日ですか? お食事前の方は後にして下さい。

プロローグ 本日、日帰りで東京出張でした。 帰りの新幹線、車窓から景色を眺めていると、ひとつの雲が目に飛び込んできました。 何に見えるかは、人それぞれですが、私には「あるもの」に見えました。 食べ物ではありません。強いて言えば、その「結果」で…

佐渡を歩けば村社にあたる? 古代から今に繋がるムラ・コミュニティの厚い信仰の歴史と文化【舞い倒す薪能の舞台】佐渡諏訪神社

昨日の記事で「朝一番でどこに行くかはノープランだった」と書いたが、 一日の佐渡滞在で、たくさんある神社のどこに行けばよいかわからなくなったのが実情。 www.zero-position.com 結局、宿から加茂湖を眺めて、樹崎神社に決めたのは、おみくじを引く感覚…

佐渡 加茂湖に突き出した岬の先端 樹崎神社(村社、御祭神は市杵嶋姫命)

佐渡 加茂湖と樹崎神社の位置 縄文時代(中期)、海抜が今より5メートルほど高かった大海進の時代、佐渡は大佐渡(北側)と、小佐渡(南側)の二つの島だった。 その後の海退の(海が浅くなった)時代、大佐渡・小佐渡の山から流れ下る川の土砂が堆積し、国…

令和元年 紅葉の京都(3)京都御苑 無料・静かで広々・交通至便 穴場です

京都の紅葉シーズンはピーク。駆け足で、久々の一日二回投稿。 11月、紅葉の時期の京都市内、東山方面や金閣・銀閣、伏見稲荷などの観光スポットは渋滞と大混雑、 行き着くまでの時間が読めない上、辿りつけても、人の頭を観ている方が多いということになる…

令和元年 紅葉の京都(2)高雄 和気清麻呂が創建 神護寺 美しい北山杉の景色も

平安京への遷都を提唱し、新しい都市建設を実際に進めた和気清麻呂(清麿、わけのきよまろ、733-799)が、奈良の仏教を嫌い、山岳高地での修行の道場として京都・高雄に開山したのが高雄山寺。 高雄山寺に清麻呂の墓がまつられた後、和気真綱(わけのまつな…

令和元年 紅葉の京都(1)周山 北朝初代 光厳天皇の山國陵 常照皇寺

前回記事(夏の常照皇寺) www.zero-position.com 墓参りと紅葉見学を兼ねて、京都・周山の常照皇寺(じょうしょうこうじ)を訪れた。 寺の奥、山の中腹に、北朝初代、開山の光厳天皇(こうごんてんのう)が眠る山國陵。 境内から山國陵に向かう苔の石段 第…

土器と埴輪と五輪 新潟の燃え尽きぬ夢 火焔型土器を東京オリンピック・パラリンピックの聖火台に

幻のオリンピックポスターモデル・武人の埴輪 新潟県立歴史博物館(長岡市)で開催されていた秋の特別展「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了)より。 昭和・平成の時代の世相の中で登場した「埴輪(はにわ)、土偶(どぐう)、そして新潟県…

遮光器土偶の故郷 亀ヶ岡石器時代遺跡 史跡の中心にある雷電宮

亀ヶ岡石器時代遺跡を目指して、晩秋の津軽を十三湖までドライブした(前回記事) www.zero-position.com 青森市内から車で約1時間、県道12号・鰺ケ沢蟹田線を北の十三湖(じゅうさんこ)に向かって進むと、途中、亀ヶ岡遺跡の看板が見えたところが「しゃこ…

縄文土器に描かれたヘビとヒトの神話 古代人の聖書 現代人の教科書【福島県立博物館】

昨日に続き、縄文土器のヘビの表現(蛇体文)について。 www.zero-position.com あにまるず(福島県立博物館・企画展)、ヘビゾーンの別の2つの土器をご覧いただこう(いずれも縄文中期) 蛇体文の土器 どちらにも「正面」がある。 まずは、わかりやすい方…

語る縄文土器 ヘビとヒト 古代の物語 無文字時代の伝達手段【福島県立博物館】

福島県立博物館(会津若松市)「あにまるず どうぶつの考古学」の3回目。 この記事で紹介する土器は、すべて縄文時代中期(5000年~4000年前)のもの。 1万年以上続いた縄文時代の中で、人口が増え、縄文文化が華ひらいた縄文中期。 火焔型土器(かえんが…

縄文犬(アイヌ犬)大人しくて力強くて賢い 縄文の人々のライフパートナー 【福島県立博物館】

福島県立博物館(会津若松市)で開催中の「あにまるず動物の考古学」から。 昨日のネコに続き、今日はイヌ。 www.zero-position.com 復元 縄文犬 ごん太 縄文犬のゴン太は、博物館の「イノシシ対策相談員」の肩書き (´▽`) 説明パネル(文字起こし) イヌは…

縄文のネコ土偶 古墳時代のネコふんじゃった🎵土器 【福島県立博物館】秋の猪苗代湖と磐梯山

先週は北陸・新潟、いったん大阪に戻って、今週は東北の出張だったが本日で終わり。 朝のうちに記事を書くはずが寝坊して、夜のアップになった。 福島県立博物館(鶴ケ城の隣)で「あにまるず 動物の考古学」が11月17日(土曜日)まで開催されていて、是…

遮光器土偶(シャコちゃん)の故郷 晩秋の津軽 水と風の景色

今年も青森に来た。 泊まりのない一日だが、去年は三内丸山遺跡(青森市)を見学、今年は遮光器土偶(シャコちゃん)の亀ケ岡石器時代遺跡(つがる市)まで足を伸ばした。 亀ケ岡遺跡はまたあらためて紹介するが、訪れて一番驚いたのは津軽の独特の地形。 亀…

日本海縄文 巨木文化 ウッドサークルの謎(2) 海沿いの集落に建てられた目的とは? 高度な木造技術

前回 www.zero-position.com 縄文から弥生への移行期にあらわれたウッドサークル ウッドサークル(環状木柱列)(跡)は、今のところ、チカモリ遺跡(石川県金沢市)、真脇遺跡(石川県能登町)、桜町遺跡(富山県小矢部市)の3ケ所で見つかっている。 共通…

神社はいつ、どのようにして始まったのだろうか? 三輪山信仰と大神神社 縄文文化の木造建築技術

私たちが慣れ親しんでいる神社の木造建築様式は、弥生時代のヤマトで確立されたと思う。 www.zero-position.com 唐古・鍵遺跡(紀元前200年~西暦200年)の集落内の棟持柱(むなもちばしら)のある大型建物が、確認されているものでは日本最古級 棟持…

渟名河(ぬなかは)の 底なる玉(翡翠、ヒスイ) 求めて ・・・美しいキツネに(二度)だまされる

出雲のオオクニヌシと、高志(こうし、古志)のクニのヌナカワヒメ(沼河比売、奴奈川姫など)が結ばれた話がある(出雲風土記、古事記) 高志とは今の福井県から新潟県におよぶ日本海の古代のクニで、オオクニヌシの時代、ヌナカワヒメはクニのヒメミコであ…

🎵佐渡へ佐渡へと草木もなびくよ (追記:トキ発見)

信濃川河口の新潟港。 左はフェリー乗り場の対岸、新潟市歴史博物館(みなとぴあ)から撮影。 佐渡汽船・おけさ丸(カーフェリー) 新潟を出港してしばらくの間、ウミネコがエサを求めて船の周りを翔ぶ。 カモメと思っていたが、調べたら クチバシの先が黒い…

日本海縄文 巨木文化 ウッドサークルの謎(1) 真脇遺跡(能登町)チカモリ遺跡(金沢市)

真脇遺跡 ウッドサークル 空を見上げる ストーンサークルは有名だが、ウッドサークルはあまり知られていない。 考古学では環状木柱列(かんじょうもくちゅうれつ)という。 石川県、金沢市のチカモリ遺跡、能登半島の北・能登町の真脇(まわき)遺跡、 富山…