ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

磐座信仰遺跡「小袋石」の話①【諏訪大社上社本宮の勅使殿と比較】

はじめに 少々マニアックですが #諏訪大社 の始まりについて。先日紹介した #諏訪信仰 のマザーストーン #小袋石(おふくろいし、とも)の御神域は諏訪大社上社の元宮だった?という妄想を考察(初回) 目次 小袋石(磯並四社)の御神域のかつてのスガタ(上…

【小袋石】中央構造線上に鎮座する巨大な磐座(マザーストーン)

はじめに 諏訪信仰の根源(マザーストーン)とも云われる磐座 #小袋石 参拝。御神域の参道(山道)に並ぶ #磯並四社 は重要視されている割に由緒伝承がなく、ゆえに諸説あり難解 目次 小袋石(こぶくろいし、おふくろいし)が鎮座する諏訪大社境内地 磯並社…

【タケミナカタ】中央構造線が繋ぐ神話と伝承

はじめに 諏訪大社の御祭神 #タケミナカタ は謎の多い神様。タケミカズチに敗れて諏訪に逃げる前はどこにいたのか。#中央構造線 がヒントかも知れません #ヌナカワヒメ #多祁御奈刀弥神社 #イセツヒコ 目次 諏訪。中央構造線とフォッサマグナが交わる地球規…

【鹿食免・鹿食箸】諏訪信仰とともに続いた肉食文化のこん跡【屠る/祝る】

はじめに 諏訪で感じるのは縄文に続く弥生・古墳時代の歴史が薄いこと… #諏訪大社 御祭神が弥生出雲の #タケミナカタ であるにもかかわらず…腑に落ちません。#鹿食免 #鹿食箸 にその空白をひも解く端緒があるような気がします 目次 鹿食免(かじきめん)・鹿…

【(大武川)諏訪神社中社】弥生〜古墳時代の事績を伝える由緒…諏訪大社の元宮だった!?

はじめに 諏訪大社は上社・下社の四社が知られていますが、山梨県北杜市の大武川集落の中社はあまり知られていません。由緒には弥生から古墳時代への移行期の事績が伝えられ、当社が諏訪大社の元宮だったのではないかという気持ちを抱かせます 目次 (大武川…

出雲の国譲りの続編。諏訪に伝わるもうひとつの国譲り神話

はじめに 諏訪盆地には、出雲とは別のもうひとつの #国譲り神話 が伝わります。出雲の力比べで #タケミカズチ に敗れた #タケミナカタ が #科野国 #州羽の海 に逃げ込んだというストーリーのいわば続編。#洩矢神 目次 諏訪に伝わるもうひとつの国譲り神話 出…

【御頭祭】ミシャグジ神と人が集う春の饗宴【菅江真澄の記録】

はじめに 旧暦三月酉の日 #諏訪大社上社前宮 #十間廊 に七十五頭の鹿の頭が並べられていた #御頭祭(おんとうさい)。#ミシャグジ神 と人が饗宴する神事。現在は簡略化され斎行。#神長官守矢資料館 で復元展示を見学できます #菅江真澄 #サナギ鈴 目次 謎め…

【(御頭)ミシャグジ様の信仰】守矢家当主の証言より【アラハバキ考】

はじめに 先代までに失われた習わし #諏訪大社上社 神事の話を通して、神や精霊がどのようにとらえられていたのかがわかる #神長守矢家 現当主(78代守矢早苗氏)の証言は貴重 #ミシャグジ #アラハバキ との関係も考察 目次 ミシャグジ様のこと(神長官守矢…

【御頭御社宮司総社】ミシャグジさま信仰の根源地【神長官守矢家②】※20230110追記

はじめに 前回の続き #神長官守矢邸 には #諏訪大社上社 の祭祀政務を少なくとも千四百年以上掌握してきた #守矢家 が信仰した #御頭御社宮司総社 が鎮座。#ミシャグジ信仰 は日本の古い信仰のひとつで当社はその根源地 目次 神長守矢邸跡 御頭御社宮司(お…

【神長官守矢家①】伝・武麿(守矢家27代)の円墳と出自の謎

はじめに 諏訪大社上社の #神長官(じんちょうかん)として中世をピークに明治期まで続いた #守矢家。当ブログ #物部さん考 の一環として #神長官守矢家資料館 を訪問 目次 神長官裏古墳 27代目に現れる武麿(弟麿) 点を繋ぐ線 地域に残る物部守屋の伝承 本…

【晩秋の光】最終盤のコスモス畑【藤原京】

はじめに 紅葉の談山神社参拝の帰り #藤原京跡 を通ったので、晩秋のおだやかな光をあびる最終盤の #コスモス畑 を見学 目次 本文 耳成山 さかりは過ぎ、花が咲いているのは全体の1割というところ。 見学の人はいませんでした。 天の香久山 良い種を残すた…

【⑦弘前市種市 熊野宮】真っ赤でマッチョ 怖さよりも厳しさを感じる赤鬼さん

はじめに 南の弘前市から北のつがる市に向かって流れる #岩木川 (中流域)に並行する県道(37号線)近く、弘前市種市鎮座・熊野宮の #鳥居の鬼コ。強い眼力の真っ赤な鬼の姿は #津軽お岩木山 そのままのような厳しさを感じます 目次 弘前市種市 熊野宮 弘前…

錦秋の【談山神社】奈良の紅葉スポット【藤原氏発祥の地】

はじめに 明日香村(石舞台古墳)から東 #多武峰(とうのみね)への道の奥に鎮座する #談山神社 今や奈良の代表的な紅葉スポット。#中大兄皇子(天智天皇)#中臣鎌足 #乙巳の変 目次 談山神社(かんたん歴史) 談山神社 錦秋の境内 談山神社 十三重塔(重要…

【井戸尻考古館】半人半蛙の暗号解読 縄文の世界観と哲学【月と蛙 復活と再生】

はじめに 諏訪八ヶ岳地方・縄文の代表的な展示館のひとつ #井戸尻考古館 で特に惹かれた解説案内がいくつかあり、本記事ではそのひとつ #半人半蛙(はんじんはんあ)が描かれた土器について(全文起こしのため文字数多し) 目次 井戸尻考古館 半人半蛙が描か…

【守屋神社(里宮)】信濃と大阪を繋ぐ物部守屋の点と線【物部さん考】

はじめに ようやく参拝がかなった #守屋神社(里宮)。人里離れた #守屋山 麓に鎮座。#丁未の乱(587年)で太子に討たれ #物部氏(宗家)の最後の当主となった #物部守屋 が祀られています。当ブログ #物部さん考 も簡単に振り返り 目次 守屋神社(物部守屋…

【阿久遺跡②】蓼科山を遥拝する立石・列石から出土した奇妙な土器

はじめに 長野県原村 #阿久遺跡(縄文前期)2回目。ムラ中央の広場に #蓼科山 を遥拝する立石と列石が並ぶ神聖な場が設けられ、奇妙なカタチの縄文土器が出土 目次 阿久遺跡(長野県諏訪郡原村) 蓼科山を遥拝する環状中心部の立石・列石(縄文前期後半=約…

【阿久遺跡①】諏訪 八ヶ岳山麓の縄文の定住農耕と祭祀文化のこん跡【大型の集会所建物跡】

はじめに 八ヶ岳西南麓遺跡群のひとつ #阿久遺跡(あきゅういせき。国史跡)には多数の竪穴住居や土壙墓、列石や環状集石遺構など #縄文時代のムラと祭祀 のこん跡。驚くことに高床式倉庫や大型集会所建物らしき跡も #真脇遺跡 #三内丸山遺跡 目次 阿求遺跡…

【⑥弘前市中崎 月夜見神社】青い水玉模様 金色パンツがおしゃれな赤鬼コ

はじめに ツノ・眉毛・口ヒゲが金色の弘前市中崎 #月夜見神社 の赤い #鬼コ 。金色パンツと青い水玉模様のふんどしのコーディネート。数年前にトラ柄からドレスアップしたそう 目次 弘前市中崎 月夜見神社 津軽の鳥居の飾り(三役揃い踏み) 境内 本文 津軽…

【藤森照信】諏訪縄文テイスト 遊び心あふれる樹と土の家【神長官守矢史料館】

はじめに 茅野市出身。作品に諏訪と縄文テイストを感じさせる自然建築家 #藤森照信 さん。 奔放でびっくり箱のような建築物は見ているだけで楽しくなり子どもたちにも大人気 目次 空飛ぶ泥舟 高過庵・低過庵(たかすぎあん・ひくすぎあん) 本文 www.zero-p…

【⑤弘前市鳥井野 白山姫神社】姫神さまへのエチケット?白のデカパンツを履く赤い鬼コ

はじめに 弘前市鳥井野の #白山姫神社。まわし(ふんどし)でもなく白のデカパンツを履いた赤い鬼コ。白山系は姫神さまのお社なのでエチケットでしょうか。由緒の案内にはムラを開拓した家の私社だったのでは、と書かれています 目次 弘前市鳥井野 白山姫神…

【池の平神社】夕陽と紅葉の蓼科山を映し出す湖面【白樺湖】

はじめに 標高1400メートル #蓼科山 麓の #白樺湖。中島の #池の平神社 は人造湖の完成に伴い地域の幸と繁栄、そして訪れた人たちの安全を祈願するために昭和30年に祀られました #御柱 目次 白樺湖と蓼科山 白樺湖の中島 池の平神社 白樺湖畔の星空 本文 白…

【④ 弘前市富栄 神明宮】鬼コと岩木山の姿が教えるもの【ブラジリアン柔術の祖のお話】

はじめに 鳥居の #鬼コ と雄大な #岩木山 の景色。子ども時代を過ごし、青年期に嘉納治五郎に師事、講道館三羽烏のひとりとして欧米各地を異種格闘技で転戦 #ブラジリアン柔術の祖 となった #前田光世 故郷の氏神さん 目次 弘前市富栄 神明宮 弘前市富栄 神…

【御柱の道②】平成16年(2004年) 上社(前宮・本宮)の御柱用材を伐採した跡地

はじめに 諏訪大社 #御柱祭。寅と申の年に上社二社と下社二社✕各四本、合計十六本、樹齢150年以上のモミの大木を立てます。巨木をどのような森から伐ってくるのでしょう #御柱御用材跡地 #諏訪大社上社本宮 #諏訪大社上社前宮 #御柱 目次 御柱への道(トレッ…