ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【始まりの元伊勢・倭笠縫邑】三輪山のふもとから二上山を臨む【檜原神社】

檜原神社 奈良盆地を見下ろす西向きの鳥居、境内 同床共殿(どうしょうきょうでん) 初期のころの、天皇家(ヒメ・ヒコ)は皇祖としての天照大御神(あまてらすおおみかみ)を宮中(皇居)でお祀りしていた。 そのような、神様と「同じところで寝て、ともに…

【このはなさくや姫】姫の名は 梅か桜か 咲くやこの花【高津宮 高津神社 広場の桜と梅園】

このはなさくや姫(木花咲耶姫,、木花之佐久夜毘売) 富士山を御神体とする全国の浅間神社(せんげんじんじや)の御祭神であるほどに、息をのむほどに優美、たいへん美しく、そして、偉大な姫さまだった。 姫さまを木花(このはな)というが、木に咲く花とは…

【世阿弥の暗号】おもへば伊勢と三輪の神 一体分神の御事 今さら何と云わくらや【謡曲・三輪】

春の野 奥に三輪山 御神体・三輪山への登拝口のある狭井神社(さいじんじゃ)から、山の辺の道を北に1キロほど歩いて檜原神社(ひばらじんじゃ)に向かう。 途中、趣きのある土塀の玄賓庵(げんぴあん)を通り過ぎる。 三輪明神とともに、有名な謡曲「三輪…

【ぐるぐる渦巻き】発祥は縄文中期?長い時代、列島全体で共有されたデザイン

古代に興味を持ち、あれこれ調べ、あちこち見て回っていると、気になるのがぐるぐる渦巻き。 遅くとも縄文中期(5000年前)に発祥し、長い時代、列島全体で共有された意匠。 古代史的には、奈良時代(平城宮)の隼人の楯(はやとのたて、盾)に描かれたのが…

【仁徳天皇・民のかまど】3年間ノータックス 1700年前 日本最古の経済政策【奇しくも詔は3月下旬】

仁徳天皇陵(AC) 日本書記 巻第十一 仁徳天皇四年 民のかまど www.zero-position.com *詔(みことのり) 第16代・仁徳天皇(大鷦鷯天皇、おおささぎのすめらみこと、西暦300年代の約90年間在位)は、難波の高津宮(こうづのみや)で善政を行った…

【大神神社】時節がら ウィルスへの備えは万全 久すり(薬)と治病のお詣り【磐座神社、狭井神社】

大神神社(おおみわじんじゃ) 大神神社(奈良県桜井市)大和国一之宮・三輪明神 御祭神:大物主大神(おおものぬしのおおかみ、大国主(おおくにぬし)の幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)) 配神:大己貴神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひ…

春めく万葉の里 山辺(やまのべ)の道 大神神社から狭井神社【満開のモクレンと桜、馬酔木】

週末、久しぶりの外出は大神神社(おおみわじんじゃ、奈良県桜井市)にお詣り。この季節の恒例になっている。 大神神社(おおみわじんじゃ) ご神域に入ると不思議と花粉症がおさまる。 神社の樹叢(じゅそう)は、古来より広大な清浄空間をつくる特別な役割…

春のお彼岸 人静か・色鮮やかな四天王寺さん【ブログに書いて断捨離中】

春のお彼岸、四天王寺さん 春分の日。いつもの四天王寺さんはお彼岸の露店で賑わうが、今年は例の件で、出店もなく、人出も少ない。 創健者の聖徳太子の命日は2月22日、弘法大師(空海)は3月21日で、春のお彼岸は聖徳太子さんの月命日、お大師さんの祥月命…

【シャコちゃん】謎ではなかった 遮光器土偶のスリット目【亀ヶ岡考古資料室(4)】

有名な遮光器土偶(東京国立博物館所蔵、国重要文化財) 誰でも知っている左脚のないシャコちゃん(写真はつがる市特製のクリアフォルダより) 奇妙なスリット目は宇宙人説もあるが(笑)、『北極地域で生活するエスキモーの雪用めがねであると見るのが妥当…

生物?分子ロボット? ウィルスはこうして増殖する

もう10年前ぐらいになるだろうか。 2009年に大流行した新型インフルエンザで、3人の息子が感染したが、その時に『ウィルスとは何ぞや?』ということで買った本が、断捨離敢行中の、我が家の押入れの奥から出て来た。 憧れのMIT(マサチューセッツ…

激しい盗掘と遺物の散逸 いまだ謎の多い亀ヶ岡遺跡【亀ヶ岡考古資料室(3)】

亀ケ岡考古資料室 亀ケ岡考古資料室 説明パネル(要約)、金箔を貼った土器、散逸した遺物 亀ヶ岡遺跡は、標高4~16メートルの丘陵に位置し、大きく低地の近江沢、沢根、丘陵上の雷電宮の3地区からなる。シャコちゃんの他にも、綿密な紋様が施されたり、…

【亀ヶ岡考古資料室(2)】頭のない遮光器土偶

亀ヶ岡考古資料室 亀ケ岡遺跡の年代は「縄文晩期」、3000~2300年前とされ、遺跡から出土した亀ヶ岡式土器は6つの様式に区分される。 資料室の縄文時代区分と様式(上段が青森県、下段が東北地方) 亀ヶ岡文化 遮光器土偶を含む亀ヶ岡式土器は、北…

【遮光器土偶の故郷】列島 縄文から弥生への移行期 津軽で華開いた亀ヶ岡文化【亀ヶ岡考古資料室(1)】

昨年11月、史跡・亀ヶ岡遺跡を見学した時に、亀ヶ岡考古資料室(縄文館、青森県つがる市木造舘岡屏風山195)を訪問した。 亀ヶ岡考古資料室 青森県道12号線、鰺ケ沢蟹田(あじがさわ・かにた)線沿いの亀ヶ岡遺跡から西南に車で約5分、大溜池を見下ろす…

鑑賞には蓄音器・レコード・針が一致しなければなりませぬ。【玉の如く滑らかな音曲の一大宝庫】

今月から始めた断捨離。押入れの奥から出てきた蓄音機と古いレコード。 アメリカのコロムビア社製で『Viva-tonal ヴィヴァ・トーナル』という銘が描かれている。 ヴィヴァ・トーナル・コロムビア蓄音器 調べてみると、大正末期に欧米の大手レコード会社(コ…

日本古代製鉄の謎(6)古代技術はなぜ失われるのか?【たたら製鉄と現代製鉄の比較から】

過去に存在していたが、今は存在しなくなった技術を『ロストテクノロジー』という。 なぜ技術は失われるのだろう? 古代から現代までの製鉄法をまとめていて、こういうことではなかろうか、と思うことをまとめてみた。 製鉄法の長い歴史をワンイメージ、ひと…

近世・江戸期に盛んだった古代大阪のイメージ『浪華古図』の世界

以前紹介した鵲森宮(かささぎもりのみや、森之宮神社)の宮司さんに見せていただいた古地図。 いろいろ調べていて、浪速(浪華、難波)古地図についてわかったことを、整理がてらに書いておこうと思う。 www.zero-position.com 先日、見せていただいたもの…

【2011年3月11日 東日本大震災】2015年初夏 石巻市訪問【釜の地名・考】

石巻市に、いとこがいる。 20年前に亡くなった育ての母が宮城(今は石巻市に合併された旧桃生郡)の人で、その姪っ子が大阪の高校に通っていたとき同居していて、私は小学~中学生だった。 それ以来、お互い、いとこと思って過ごしてきた。 いとこ夫婦は石…

【司馬遷 史記より】秦 始皇帝 徐福 不老不死 神薬探しの伝承【原文とあらすじ】

コロナ騒動で週末は出控え、ブログネタにやや困りつつダイエットは難しい(笑)ので、断捨離を始めた。 私は押入れ当番で、奥の段ボール箱から、亡くなった父親の遺品の古書がでてきた。 約三十年前に残された大量の本はほとんど古本屋さんでサバいたが、ほ…

【浄春寺】木蓮 モクレン の花【天王寺七坂・口縄坂 織田作之助 文学碑】

今週のお題「卒業」 口縄坂と織田作之助の文学碑 大阪・夕陽丘、天王寺七坂といわれる名所のひとつ、口縄坂(くちなわざか) 左の写真は昨年 初夏 撮影 口縄坂 織田作之助 文学碑 口縄坂は寒々と木が枯れて白い風が走っていた。私は石段を降りて行きながらも…

日本古代製鉄の謎(5)タタラ製鉄は直接製鉄法【古代中国・間接製鉄法との根本的な違い】

きのうアップした図を少し説明すると、製鉄法は「直接製鉄法」と「間接製鉄法」に分けることができる。 直接製鉄法と間接製鉄法 技術的な境界線 直接製鉄法(たたら製鉄、インド・中東、日本) タタラを含む直接製鉄法では、取り出したケラ(鉧)やズク(銑…

日本古代製鉄の謎(4)古代から現代までの製鉄法 簡単まとめ【たたら製鉄など】【ほか 新型コロナ 校医さんの心配事】

花粉の季節、おまけにマスク不足のため、ウォーキングを少し控えめにしている。 とたんに腰痛が本格化、寝返り打つたびに「イテテ、イテテ」。頻繁なクシャミも腰に影響した。 腰痛とクシャミ(花粉症)とコロナ騒動。ヘビとナメクジとカエル、三すくみのよ…

【桃花祭 おひな様 御朱印】大阪道修町 江戸期から薬の街に鎮座する少彦名神社【神虎】

少彦名神社(大阪市中央区道修町) 少彦名神社 御祭神、ご由緒(文字起こし) 御祭神:少彦名命(すくなひこなのみこと)日本医薬の祖神、神農炎帝(しんのうえんてい)中国医薬の祖神 大阪道修町(どしょうまち)は、豊臣時代頃から薬種取引の場として、薬…