ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2020-01-01から1年間の記事一覧

宗祐寺(奈良県宇陀市)三点セットが結ぶ焦点【太子信仰と蝦夷】★

はじめに 聖徳太子の開基と伝わる #宗祐寺(創建時は多聞院)。太子にまつわる #東夷降伏の功 伝承 #殺生戒 の碑 御本尊の #毘沙門天。三点セットは蝦夷とヤマト王権の史実に焦点を結びます 目次 「東夷降伏の功」「殺生戒」「毘沙門天」 宗祐寺のこん跡・三…

【聖徳太子】厩で生まれ、馬子と物部氏を滅ぼし、黒駒と天翔ける

はじめに 聖徳太子(上宮法王)は馬と縁が深い人でした。厩(うまや)で生まれ、愛馬を石に彫り、馬子と物部氏を滅ぼし、推古女帝の摂政として飛鳥と斑鳩を馬で駆け、#甲斐の黒駒 と天を飛びました #厩戸皇子 #オシラサマ伝承 目次 聖徳太子と馬 甲斐の黒駒 …

【遠野物語】イタコ・オシラサマなど 巫女が担った東北各地の信仰【国立民族学博物館の見学より】

はじめに 国立民族学博物館。東北各地に残る #巫女の信仰と祭祀具の展示。#蝦夷 と #ヤマト の文化がぶつかった歴史のなか、長い時間をかけた #神仏習合 のスガタ。#遠野 の「娘と馬の哀しい話」#イタコ #オシラサマ #エジコ #ワカサマ #オナカマ #オガミサ…

【国立民族学博物館】インド(ヒンドゥー教)の神々

はじめに 大阪万博公園内の #国立民俗学博物館(#みんぱく)。大量の展示物は圧巻。中から #ヒンドゥー教 の主な神々。#バラモン教 を源流に #仏教 などに対応して紀元前後に成立。後にインド洋からヒマラヤ山脈までの広大な各地の宗教を習合しながら日本に…

【てんのじ詣り】三面大黒堂【垣間見える密教、ヒンドゥー教の世界観】

はじめに 今年5月は閉堂中だった #四天王寺 #三面大黒堂 にお詣り。#密教。仏教とヒンドゥー教が習合した姿、日本で平和に変化したスガタをうかがうことができます。#トリムルティ #三神一体 #大黒天 #弁財天 #毘沙門天 目次 喪黒福造に似た大提灯の四天王…

般若心経をエクセルで集計してみました

はじめに 近ごろ #般若心経 をBGMにする人も増えているとか。#サンスクリット のお経を玄奘三蔵が漢訳し日本にやって来ました。ゼロを発見したインドらしい、ひたすら無を説きます #四天王寺 #ヒンズー教 唱えていると大脳の機能が変化するなんて研究があり…

縄文の竪穴住居 二十年のサイクルと草屋根【藤森昭信氏の縄文的建築・ラコリーナ近江八幡】

はじめに 竪穴住居。縄文の人たちは森が地力を回復する約20年サイクルで建て替えていました。#式年遷宮 みたいですね。住まいは寿命を迎えると #草屋根 となり土に還ろうとします。現代建築にとり入れた #藤森昭信 さん設計 #ラコリーナ近江八幡 #縄文的思…

【奈良 倭文神社(2)】大蛇のすすんぼ神事 仲立ちが得意な神衣の織部 倭文氏の伝承

はじめに 奈良市の #倭文神社(2回目)。例祭では大蛇に見立てた #すすんぼ を燃やします。#大蛇伝説 #蛇塚神社 などヘビにまつわる話の多い神社。#倭文氏 は #神衣 の織部で、もめ事を仲立ちするのが得意な一族だったと伝えられます。タテ糸とヨコ糸を綴る…

縄文の竪穴住居 火と水と土の暮らし 内は赤(明るい)・外は黒(暗い)のサカイに生きた人たち

はじめに 竪穴住居を調べていて #井戸尻考古館(長野県)#小松隆史氏 のインタビュー記事(2017年)「みんなが囲んでいる空間は赤々としてあたたかいけど、自分たちの背後にある暗い世界というのは我々の世界じゃないんです」前(内)は赤、背中(外)は黒の…

今年の漢字 メリークリスマス パリっ子 ヒョウ柄 オーパーツ エースコックの美容院

目次 今年の漢字 クリスマスソング(和・洋) パリっ子 エースコックの美容室 口直し アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(連載中) 本文 今年の漢字 いやぁほんと!大変な年ですねぇ。クリスマスシーズン、年末年始もステイホーム。 清水寺の『今年の…

【奈良 倭文神社(1)】フツと切れた大蛇のシッポは帯解へ飛びアタマを祀る【蛇塚神社】

はじめに 奈良市内 #倭文神社 #しずりじんじゃ に参拝。春日大社系・藤原氏の一族が769年に勧請。一帯の古地名は辰市郷。境内社に #蛇塚神社 が鎮座するなど #大蛇伝説 が残されています #ヤマタノオロチ伝説 #スサノオ #龍頭山西福院 #物部氏 目次 倭文神社…

貴(アテ)の深く青き森の文化 阿弖流為(アテルイ)と「貴」の話★★★

はじめに 青々とした森の景色、青森ヒバは県木。石川では #アテ(貴)の名で輪島塗漆器の伝統的材料。縄文の #円筒土器文化圏 で #津軽 と #能登 は海路でつながっていました。#蝦夷の英雄 #アテルイ #貴はムチ・モチとも読みます 目次 青い森の誕生と発展 …

北海道・礼文島の遺跡で出土したブタの骨のDNA 国産か?外国産か?

はじめに 大粒の縄文ダイズ・アズキ、三内丸山のクリ栽培など。縄文集落には #ドメスティケーション(#飼い慣らし)が定着していました。イノシシは飼い慣らしでブタ化するといいます。縄文から約千年後、礼文島の #オホーツク文化 遺跡出土のブタの骨。北大…

かき氷と枯れ葉で ’SAYONARA’ 2020年秋【アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る】

はじめに しばらくステイホーム中心の生活。考えていたストーリー仕立て(作品化)を投稿サイトで始めました。当ブログは今まで通り。#ノンフィクション #アラハバキ #汎日本古代信仰「縄文時代から列島に広がっていた」がテーマです 目次 焼き芋かき氷 靭公…

久しぶりの平城京。通過するのは近鉄電車と「日月」の結界ライン

はじめに 久しぶりの #平城宮跡。周囲が #平城宮跡歴史公園。中を #近鉄奈良線 が通過。今夏に近鉄と奈良県の間でう回ルートの協議が始まりました。今のうちが見納めかも。#朱雀門 #太極殿 #太極院殿(復元工事中) #四神日月 #結界 #平城宮跡資料館 目次 奈…

【アラハバキ信仰・考(5)】伊勢神宮の「荒」と「はばき」【全国に散らばる倭文と掃守、産育の祭式】

はじめに 例えば #伊勢神宮 にも #アラハバキ信仰 のこん跡。奈良県 #葛木倭文座天羽雷命神社 には助産の #掃守(かもん、蟹守)、織物の #倭文(しとり)、縁結びの男神がセットで祀られ、それらのピースを遠く多賀城 #荒脛巾神社 にはめてゆくとパズルが完…

【真脇遺跡】縄文の人々は現代人と変わらない大粒ダイズ・アズキを食べていた!?【ドメスティケーション】

はじめに 漁労・狩猟・採集。縄文の三大食糧源。と思っていたら、#ドメスティケーション!縄文を侮るなかれです #真脇遺跡 #縄文ダイズ #縄文アズキ #実験考古学 目次 真脇遺跡 浮かび上がる真の縄文イメージ ドメスティケーション「栽培化」 縄文時代の植物…

【アラハバキ信仰・考(4)】古代日本で「誕生」に反転した理由【「荒」の考察】

はじめに 地元大阪の #四天王寺 は #荒陵(アラハカ)の地に建立されたことから山号は #荒陵山。そこから #アラハバキ に興味を持つように。「荒」は、古代日本では中国とは逆に「生、誕生」を意味します #多賀城 ##荒脛巾神社 目次 多賀城 荒脛巾神社境内 …

【アラハバキ信仰・考(3)】すべてに繋がっているが埋もれている【情報共有、備忘録】

はじめに アラハバキ信仰を書き始めて、私が取り上げるテーマの中では関心が高く、有益なコメントや新情報をいただきました。感謝しております。調べているものとあわせ共有させていただきます 目次 石塔山・大山祇神社(青森県五所川原市、津軽山地の山奥)…

【アラハバキ信仰・考(2)】多賀城・荒脛巾神社『二荒神社』の碑が意味すること【荒神信仰】

はじめに 多賀城 #荒脛巾神社 境内二つ目の疑問。二つの社の間に建てられた #二荒神社 の石碑。その意味は、二つの荒神さん?。そこから始まり、#アラハバキ信仰 はスガタ・カタチを変えて全国に広がっている、と考えるようになりました 目次 境内『二荒神社…

【アラハバキ信仰・考(1)】多賀城・荒脛巾神社の境内配置から垣間見える点と線

はじめに 宮城県多賀城市の #荒脛巾神社 の境内、その配置自体が謎。さすが!謎多き #アラハバキ信仰 のお社。境内図をつくったり、いろいろ調べ、ようやく糸口が。謎が謎を呼ぶ展開は、まるで #推理小説 目次 荒脛巾神社 境内図を作ってみました アラハバキ…

【能登半島の先端 真脇遺跡】四千年というギネス級の長期間、人々が定住していた縄文遺跡

はじめに 真脇遺跡は能登半島の先端。漁労、狩猟、採集の多様な手段で一年を通じて食糧を確保し #縄文海進 ピーク後の #海退 と #やや寒冷化 をも乗り越えて、四千年という「超」のつく長期定住集落として存続した遺跡 #お魚土器 #ウッドサークル 目次 真脇…

古代妄想の参考書と基本スタンス【古代連想のやちまた】

はじめに 神社の由緒や御祭神の名、そして #古事記 #日本書紀 にも #方便としてのウソ は混ざります。一方で #偽書 とされる史料のホント。そういったことを少し考えてみました。#先代旧事本紀 #東日流外三郡誌 目次 神社の由緒や御祭神、神話 古事記や日本…

「やちまた」と子孫繁栄 縄文から現在まで カタチを変えて残る【道と際の信仰】

はじめに 先日紹介した#多賀城市 #荒脛巾神社 の二重祭壇や #二荒神 の意味。古い信仰 #アラハバキ と #道祖神 などの「複雑な」繋がりを考えてゆくうえで、手始めに去年夏の記事をリライト。#古代連想のやちまた カテゴリー追加 目次 やちまた(八衢、八岐…

【真の文武天皇陵?】薄葬化の中、史上初めて火葬された天皇【明日香村 中尾山古墳】

はじめに 先日の第42代 #文武天皇 陵墓の可能性が高くなった #中尾山古墳(#明日香村)の見学会記事について。ご質問コメントへの回答兼ねて。90センチ四方の石室には火葬骨が納められていました #縄文の焼人骨葬 目次 世界遺産登録を目指して 真の文武天…

【多賀城 荒脛巾神社】謎が多いアラハバキ信仰 現在に残された姿【道祖神とセットになった社】

はじめに 多賀城跡からほど近い所に鎮座する #荒脛巾神社。特殊な構造の社で祭壇が二つ。手前には旅や移動の祈願成就にたくさんの靴が奉納されていました。奥の祭壇には #道祖伸 の扁額。#アラハバキ は謎の多い古い信仰。#荒神信仰 とも関係がありそうです …

【飛鳥・中尾山古墳】第42代文武天皇陵か!?発掘調査現地見学会【三段・八角墳・三重の外周石敷】

はじめに 奈良県明日香村平田の #中尾山古墳。見学会に行ってきました。今回の新たな発掘調査で、三段築成、#八角墳、八角三重の外周石敷、石材の組み合わせ、ツヤツヤに磨かれた石室と、内壁に塗られた #水銀朱 も確認されました。その豪華な造りから第42…

【津軽 高山稲荷神社】美しい千本鳥居と最果ての赤穂浪士の物語

はじめに つがる市の木造(きづくり)の西は #日本海。強い海風から街や田畑を守る南北に長い #屏風山防風林 の中に #高山稲荷神社 が鎮座しています(10月13日参拝)。#千本鳥居 の美しい神社でした #赤穂浪士 目次 高山稲荷神社 境内 高山の丘(高山稲荷神…

モノで見える化【古代 津軽の文化圏】交流と交易の歴史【備忘録】

はじめに 津軽の面白さは歴史の中で文化圏が交わった場所であることでしょうか。一つめは #津軽海峡 を挟んで #北方文化圏 どうしで。二つめは日本海交易で #糸魚川(越)や #出雲 と。三つめは6世紀以降 #蝦夷(えみし、えぞ)として中央の文化圏と 目次 …

【津軽平野の弥生式水田遺跡】いつ、だれが、なぜ、何のために(後半)★★★【砂沢遺跡を継承した垂柳遺跡】

はじめに 弥生の水田稲作はすばやく #津軽平野 にまで伝播した。考古学的定説ですが、では、いつ・だれが・なぜ・何のために伝えたのでしょうか。考察(古代妄想)の後半です。弥生前期末の #砂沢遺跡 弥生中期後半の #垂柳遺跡 #出雲文化 #クニビキ神話 目…