はじめに
漁労・狩猟・採集。縄文の三大食糧源。と思っていたら、#ドメスティケーション!縄文を侮るなかれです #真脇遺跡 #縄文ダイズ #縄文アズキ #実験考古学
目次
本文
真脇遺跡 浮かび上がる真の縄文イメージ
能登半島のほぼ北端の真脇遺跡は、縄文の前期初頭(7,000年前)から晩期終末(2,800年前)まで、4,000年間、人々が継続して生活していた 遺跡。
この、世界史の中でも驚異的ともいえる持続性を支えたのは、漁労・狩猟・採集を通じて多様な食糧を調達できたことだけではないと、考古学で考えられるようになってきました。
ドメスティケーション「栽培化」
史跡公園の一画に「縄文時代の植物大型化のメカニズム解明」という実験考古学の取り組みパネルがありました。(2019年10月訪問)
ドメスティケーション(栽培化)。
ツルマメはダイズ、ヤブツルアズキはアズキの祖先となる野生種だそうで、それらをこの場所で栽培して、真脇遺跡の縄文の人々が実際に食べていた大粒サイズのものに変えて行く取り組みです。
パネルの下の写真を見てください。
原種(野生種)はほんとうに小粒ですが、遺跡から出土したのは縄文ダイズも縄文アズキも大粒!
現代人が食べているものと変わらないサイズですね。
素人の私は無責任に農業とか 品種改良 という言葉を使いたがりますが、そこは科学の世界(笑)
詳しくはWikiで、ご覧いただくとして「家畜化」を意味し、ただしそれでは動物にかたよるので、植物の「栽培化、作物化」を含めて「飼い慣らし」とも言われているようです。
(Wikiより)人間が対象の生殖を管理し、管理を強化していく過程をいう
実験の結果が楽しみですね。
縄文の人々の暮らしや交易文化の解明につながる結果が出てくることを期待します。記事末に、この実験の中間報告が公開されていますので、コピペしておきました。
結果
栽培実験が順調に進み,栄養状態と光条件によって種子サイズが増加する という重要な結果を得ることができた。また炭化DNA実験でもDNAの保存可能な燃焼温度と種子形態の関係を知ることができた。
今後の研究の推進方策
今後は,火入れや草刈り などの縄文人の干渉によって種子サイズが変化するかを明らかにする。また縄文人が大型マメを選抜していた場合の大型化の速度を調べるための実験も行う。 DNA実験では,炭化ヤブツルアズキのDNA残存実験の結果を受けて,状態の良い遺跡出土炭化アズキ種子を選定し,実際にDNA抽出を試みる。
アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(2020年12月、始めました)
当ブログは日々のテーマで、多いときは十数話シリーズで書いていますが、どうしても書きっぱなしになりがち。そこで、2019年4月からブログを始めて、大きなテーマも見えてきたこともあり、長めのルポ風は投稿サイトで、別途、作品化することにしました。
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