ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

いよいよ始まりますね!日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」東京国立博物館 (トーハク)

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」 東京国立博物館・平成館(東京都台東区上野公園13−9) 前期展示:2020年1月15日(水)~2月9日(日) 後期展示:2020年2月11日(火・祝)~3月8日(日) izumo-yamato2020.jp ポスターデザイ…

住𠮷さんあたり(9)摂州住吉宮地全図(1827年)に見える明治の神仏分離以前の大社の姿と新たな謎

前回(住吉・大海神社お参りの時、たまたま出会ったお爺さんから摂州住吉宮地全図(1827年作)をいただいた) www.zero-position.com いただいた地図は明治の神仏分離(1868年)直前の住吉大社の姿で、境内の神宮寺(じんぐうじ)が描かれている貴重なものだ…

住𠮷さんあたり(8)境内摂社 大海神社 出会ったお爺さんにいただいた摂州住吉宮地全図(1827年作)

休みも始まり、久々、自宅から住吉さん(住吉大社)まで8キロウォーキング。 あべのハルカス前からは、ほぼ阪堺(はんかい)電車の軌道に沿って歩くウォーキングコース。 パンダ電車、あべのハルカス 大海神社と海幸山幸(うみさちやまさち)神話 住吉大社…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(10)丁未の乱は古墳(モノノベ)時代を強制終了した経済の覇権戦争 ★★★ 物部さん考(16)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 丁未の乱(ていびのらん、587年)で物部氏(宗家)とともに前方後円墳の古墳時代が実質的に終わった。そして、副葬品としてのヒスイ勾玉や埴輪などの「ものづくり産業」も終焉を迎えた。 前回記…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(9)物部氏とヒスイの特別で重要な関係 ★★★ 物部さん考(15)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回、ヒスイ勾玉と物部氏には「ある特別で重要な関係」が推理され、実は、それが物部氏(宗家)が徹底的に滅ぼされ、ヒスイが隠ぺいされた理由ではないかと考えている、と書いた。 前回記事 www.ze…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(8)ヒスイ勾玉 衰退と消滅そして忘却の謎 ★★ 物部さん考(14)

前回記事 www.zero-position.com なぜヒスイは千三百年もの間、忘れ去られていた? 弥生の宝石箱 一級品の輝き(唐古・鍵考古学ミュージアム) 日本では、奈良時代中期を最後に、文学者・田中御風さんの推理でヒスイ峡が再発見された昭和初期まで、糸魚川で…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(7)長者ヶ原遺跡とヌナカワヒメ伝説から糸魚川ヒスイを最初に推理した文学者【相馬御風・童謡かたつむり作詞家】

前回から続く www.zero-position.com 前回紹介した古事記や出雲風土記の、高志(糸魚川)ヌナカワヒメと出雲オオクニヌシ(ヤチホコ)の神話、 実は、日本古代史を考えて行く上で、考古学、いや、日本人に 貴重な教訓 をもたらしてくれたことをご存じだろう…

野宮神社 伊勢斎宮・籠りの宮跡 斎王の野宮をしのばせる黒木鳥居と柴垣【大嘗宮の結界2】

前回(大嘗宮の黒木鳥居と柴垣の結界) www.zero-position.com 先日紹介した大嘗宮の結界。同じ組み方をしている京都・嵯峨野(嵐山)の野宮神社(ののみやじんじゃ)を見学してきた。 大堰川(おおいがわ)が桂川に名前を変えるあたり「渡月橋」をわたり観…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(6)ヌナカワ姫を探せ!ヒスイ工房跡・長者ヶ原遺跡【長者ヶ原のビーナス】

※ヌナカワは「奴奈川」「沼川」「淳名川」などの表記がある。記事では「ヌナカワ」または「ぬなかわ」とした ぬなかわの底なる玉のような美しい姫とオオクニヌシの伝説 古事記の大国主の神話の段。ヌナカワ姫と出雲のオオクニヌシが結ばれた話(ざっくりあら…

NEWS & OLDS【抗インフルエンザの話題】クロモジ(テンダイウヤク)【古代史の謎・徐福伝説と天台烏薬】

先日の大嘗宮の記事で紹介したクロモジ(黒文字)。 www.zero-position.com クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、植物名(和名)はテンダイウヤク(天台烏薬) クロモジで作られた大嘗宮の柴垣 リラックスアロマ、生薬の効果 根や枝にはインド・イスラム・中…

【大嘗宮】聖地(悠紀殿と主基殿)を守る最強の結界【3種の植物と国栖人】

一般公開(皇居東御苑)が12月8日(日)で終了した大嘗宮(だいじょうぐう)。 大嘗宮 南神門 黒木鳥居(クヌギ)ACより 大嘗宮 柴垣(クロモジ)ACより 南神門(黒木鳥居)から向こう(北)側、柴垣で囲まれた所は「聖地」で、柴垣は「聖地」を守る結界…

ものづくりで方言と標準語を創造した縄文はあらためてスゴイ!と思う【今年。北・東日本めぐりのまとめ】

昨日で、この度の「北陸・新潟・佐渡・津軽・福島巡り(仕事の合間の弾丸めぐり)」で、縄文の土器・土偶については、おおよそ書き出した。 www.zero-position.com ヒスイ(翡翠)を始めとした「古代日本海の地下資源」はまだ少し。 www.zero-position.com …

良きライバル 新潟の火焔と長野の水煙 【地域交流と匠の精神が縄文中期に生まれた証】

新潟県立歴史博物館・「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了)より 大阪に住んでいて、この秋、新潟・富山・福島で、本場の縄文土器をはじめてまとめて見ることができた。 太陽の塔を通じてしか縄文土器を知らない初心者であるが、一応「岡本…

なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(2)【なぜ太郎さんは縄文に惹かれたのか?雑考】

目次 前回記事 岡本太郎の本・呪術誕生(みすず書房)より 新潟県立歴史博物館「はにわ、どぐう、かえんどきの昭和平成」(11月4日終了) 四次元との対話 縄文土器論(冒頭)文字起こし(後半、前回の続き) 縄文の土器・土偶カテゴリー記事 本文 前回記事 太…

なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(1)【四次元との対話 縄文土器論】

なんだ、コレは! 大きな声が館内に響いた。 岡本太郎さんが博物館の片隅に置かれていた土器・土偶を見て、あげた叫びだ。 この瞬間から縄文の土器・土偶が広く知られ、1970年大阪万博の「太陽の塔」が「建立」されるに至る。 新潟県立歴史博物館(長岡…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(5)ハヤブサはイトカワで新発見 私はイトイガワで再発見(=古代妄想)

ご注意)記事中「ハヤブサ」の話はありません。念のため(´▽`) 前回記事(4) www.zero-position.com この国の文化は北・東日本から始まり今に繋がっている 約5,000年前、ヒスイ大珠が作られ始め、海路・陸路で拡散。今より温暖で海が深かった縄文中期の文化…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(4)縄文中期 ギルド工房・匠の技から生まれる大珠(たいしゅ)北・東日本に流通

前回記事(3) www.zero-position.com 糸魚川でヒスイの大珠(たいしゅ)が造られ始め、北日本、東北、関東に広がっていった様子を紹介。 ヒスイ工房遺跡(寺地遺跡、長者ケ原遺跡(記事後半)) 希少な糸魚川のヒスイ(硬玉)産地を流域に持つ、青海川・姫…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(3)縄文中期(約5,000年前)匠文化の萌芽と発展 大珠(たいしゅ)ブーム

前回記事(2) www.zero-position.com ● 約7,000年前(縄文早期)、石器の加工用ハンマーとして始まったヒスイ(大角地遺跡) (写真、左:新潟県埋蔵文化財センター資料より、右:Wikiより) たたき石(ヒスイ)と原料(蛇紋岩) 磨製石斧(Wikiより) 磨製石斧(…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(2)【ざっくり】生まれ方と歴史

前回記事(1) www.zero-position.com ヒスイのざっくりした歴史(フォッサマグナミュージアム(糸魚川市)展示・資料をもとに加筆作成) ● 約7,000年前(縄文早期)、石器の加工用ハンマーとして始まったヒスイ(大角地遺跡)(前回) ● 約6,000年前(縄文…

竈(かまど)の荒神(あらがみ)三宝さん・雑考 【信貴山・朝護孫子寺 三宝堂】

昨日紹介した信貴山の朝護孫子寺。 www.zero-position.com 山腹にはたくさんの塔頭(たっちゅう、建物)がたち並び、一度や二度ではすべて回りきれない。そもそも、お賽銭がいくらあっても足りない 笑 護摩焚きの千手院を過ぎ、本殿への石段を登って行く途中…

聖徳太子・弘法大師ゆかりの信貴山・朝護孫子寺 賽銭どころ多く「おあし」が気になる

身内の所用があり、奈良まで行き、帰りに近くの紅葉の名所・朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)にお参りした。 信貴山(しぎさん)の「信貴山真言宗 総本山」で、山の名が山号になったお寺。 丁未の乱(ていびのらん、587年)の時、聖徳太子が物部守屋と戦う…

「科捜研の女・新年スペシャル風」小竹貝塚遺跡(縄文)解説(後半)★★★ 富山県埋蔵文化財センター

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 富山県埋蔵文化財センターを見学した古代妄想が、ご長寿ドラマ「科捜研の女」にインスパイアされ創作したストーリー(★★★)の後半。劇中、本当は「土門さん」だが、縄文の土器・土偶にちなみ「土文…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(1)石器づくりの「たたき石」から始まった歴史

唐古・鍵、弥生の宝石箱のダヴィンチ・コード 唐古・鍵(奈良県桜井市)の「宝石箱」に見とれてから、古代の鉱物資源に興味を持っている。 唐古・鍵(約、紀元前200年~西暦200年)は古大和湖古奈良湖畔で繁栄し、 伊勢神宮・唯一神明造(ゆいいつしん…

「科捜研の女・スピンオフ風」小竹貝塚遺跡(縄文)解説(前半)★★★ 富山県埋蔵文化財センター

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 富山県埋蔵文化財センターを見学した古代妄想(朝ドラ・みおつくし以来の沢口靖子さんファン)がご長寿ドラマ「科捜研の女」にインスパイアされ創作したストーリー(★★★)見たことない人スミマセン…

古代の地下資源 ベンガラの原料・褐鉄鉱(リモナイト)ワンニャン・ペットフードの話

猪苗代湖の葦 昨日の記事で少し書いた古代の赤の顔料・ベンガラ。 www.zero-position.com 原料は褐鉄鉱(かってっこう)で、簡単に言えば「天然の錆び」を多く含む褐色の粘土または鉱物。別名を「リモナイト」ともいう。 実は「褐鉄鉱」について何度か書いて…

辰砂(しんしゃ)産地の解明から見えてきた古代の広域流通ネットワーク【理化学研究所 丹(水銀朱)原料の最新分析科学】

10月下旬~11月にかけて北陸・新潟・佐渡・津軽・福島を巡り(仕事の合間に!笑)、「古代日本海文化」や「地下資源」をテーマに頭の整理、記事を書いているタイミングで、ニュースが飛び込んできた。 理化学研究所から、京田遺跡(島根県出雲市)の出土…

京都の秘境・芦生(あしう)の森 原生林(2)もののけ姫の世界観 集落跡に残る灰野神社【鯖街道 やちまた・考察】

前回(入林は単独行動を避け、現地で届け出が必要です) www.zero-position.com BGMにどうぞ(初期音量設定にご注意)朝倉さや www.youtube.com 晩秋の森の彩り 美味しそうな色 シダも色付く 野生のムラサキシキブ マムシグサの実 まるで絵画のような かつて…

京都の秘境・芦生(あしう)の森 原生林(1) 芦生熊野権現神社 古代の道・鯖街道

芦生の森 由良川 芦生の森と鯖街道(さばかいどう) 京都・芦生の森(原生林)は、福井県の日本海に注ぐ由良川の源流域。京都の秘境と云われる。 原生林ということは縄文・弥生の人々も同じ景色を見ていたということ。開物妄想では古代日本海から京都(山背…