ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

物部氏

【石上神社】ヤマト期・物部氏の聖なる布留川の上流、大国見山の麓に鎮座

はじめに 天理市から大和川に合流する #布留川 の源流域。#大国見山 の麓に鎮座する石上神社。#桃尾の滝 の近く。ヤマト期 #物部氏 の氏神 #石上神宮 祭祀場 #布留遺跡 の上流に鎮座しており場所的に物部氏以前の歴史のこん跡ではないかと考えています 目次 …

物部氏の【十種神宝】が眠る!? 式内楯原神社【神宝十種之宮】

はじめに ひさしぶりに #十種神宝のこと。古代ヤマト王権の成立に深くかかわった #物部氏の氏神、石上神宮の神拝詞(しんぱいし、のりと)のうち、十種祓詞(とくさのはらへのことば)で唱える十種類の神宝のことです #式内楯原神社 #神宝十種之宮 #三種の…

八尾市立歴史民俗資料館・所蔵【ヒスイ製の鏃(ぞく)】世界で2品しかない珍品【国石 ヒスイの古代史(翡翠)(14)】

玉祖(たまのおや)神社にお参りする前に、麓の八尾市立歴史民俗資料館にお伺いし、ヒスイ勾玉について丁寧に教えていただいた。 八尾市立歴史民俗資料館 収穫のひとつをご覧いただこう。残念ながら資料写真だけ。現在、実物は展示されていない。 写真の下段…

生駒山腹 大阪平野を一望する玉祖神社 長鳴鶏(天然記念物)と見ごろのスイセン【国石 ヒスイの古代史(翡翠)(12)玉祖道】

前回記事 www.zero-position.com 古代勾玉の道・玉祖道(たまのおやみち) 玉祖道(俊徳街道、十三街道) 大阪・玉造(玉造稲荷神社)と、八尾市神立の玉祖神社(たまのおやじんじゃ)を結ぶ街道があり、玉祖道と呼ばれた。 玉祖道は、俊徳道(しゅんとくみ…

住𠮷さんあたり(8)境内摂社 大海神社 出会ったお爺さんにいただいた摂州住吉宮地全図(1827年作)

休みも始まり、久々、自宅から住吉さん(住吉大社)まで8キロウォーキング。 あべのハルカス前からは、ほぼ阪堺(はんかい)電車の軌道に沿って歩くウォーキングコース。 パンダ電車、あべのハルカス 大海神社と海幸山幸(うみさちやまさち)神話 住吉大社…

大阪市内 秦氏のこん跡 四天王寺・夕陽丘周辺

秦氏(はたうじ)のことをもっと知りたいと思うようになったのが「下鴨神社と上賀茂神社」の違い、から。 これは「行ってみればわかる話」だが、同じ賀茂社なのに雰囲気が違う。 個人的感想だが、下鴨社は「カジュアル」、上賀茂社は「フォーマル」な感じ。…

物部さん考(13)古代祭祀としての鎮魂祭・玉の緒祭 十種神宝 布留遺跡と石上神宮より

(注意)天理参考館では弥生時代の始まりをBC300年としている(近年はBC1000年とする説が有力) 布留遺跡 祭場 復元 天理参考館の建物に入ったロビーフロアに、実際に出土した円筒埴輪(壺型埴輪)を使って、古墳時代の布留(ふる)の祭場が復元展示…

秦氏の長 聖徳太子の側近 能楽の祖 秦河勝 大明神となった 坂越・大避神社 沖の生島に墓所【風姿花伝】

大避神社沖の生島(いきしま)に秦河勝公の墓所 歴史上、秦河勝(はたのかわかつ、560ごろ~647年)は何度か登場するが、丁未(ていび)の乱(587年)で聖徳太子を補佐し、物部守屋(物部氏)を滅ぼしたことが最大のトピック、河勝が30前の話とい…

古代の宝石箱の謎 勾玉(まがたま)が褐鉄鉱に収められた深い意味 唐古・鍵遺跡

唐古・鍵遺跡の宝石箱/figcaption> 宝石箱の発掘 勾玉(まがたま)。縄文の宝石は出雲文化に引き継がれた 勾玉は「縄文の宝石」とも云われる。 新潟県産の翡翠(ヒスイ)を加工したものが、北海道を含む全国の遺跡から出土する。 たいへん硬い鉱物を苦労して…

日本の謎の古代史 考える時のポイント(3)「神社」と「前方後円墳」の時代

長い休みに入ったので妄想年表を作ってみた。 とはいっても、縄文~弥生~古墳~飛鳥と続く年代区分に逆らうつもりはない。 イワクラや神社がどの時代に造られるようになったのか、時代区分に合わせてみた。 古代史 時代区分 イワクラ 神社 近年、弥生時代の…

日本の謎の古代史 考える時のポイント(2)神話の生まれ方 クニビキ クニウミ

「国生み」「国引き」の神話がある。 国生みは、イザナギとイザナミが天の浮橋にたって、長いホコで海のドロドロをかき混ぜると、固まって最初に淡路島ができて・・・という話(古事記・日本書紀) 国引きは、イズモの王・オミツヌがそれぞれのクニの余って…

物部さん考(12)弥栄(いやさか)の鈴・諏訪大社・古代妄想ガイド★★★ 【信濃と大阪・上町台地(5)】

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回の続き www.zero-position.com 諏訪大社上社前宮 鳥居 神原(ごうばら) (左)神原の地元有志作成の案内板(守屋山を北に描いている) (右)「諏訪大社上社前宮神殿跡」説明板(作成者:長野…

物部さん考(11)物部守屋の「もの」 諏訪大社・古代妄想ガイド★★★ 信濃と大阪・上町台地(4)

前回の続き www.zero-position.com 上社(二宮)と下社(二宮)が違う理由を考える 諏訪大社・下社二宮と上社二宮は距離的に離れており、それぞれ異文化の雰囲気。下社は大注連縄(おおしめなわ)など出雲文化が残っている。上社にはない。 諏訪大社四宮めぐ…

信濃と大阪・上町台地(3)物部守屋の影 諏訪大社・古代妄想ガイド★★

諏訪大社上社本宮、上社前宮、守屋神社、守屋神社奥宮。 諏訪大社上社本宮 上社前宮 守屋神社 私の古代への興味の原点は、四天王寺金堂の鳥居と物部守屋祠(ほこら)の位置関係だった。 くわしくは[こちら(鷹の止まり木、怨霊のキツツキ伝説)をご覧いただ…

物部さん考(番外編)十種神宝 二鏡一剣 中間報告(サボらず続けてます)

いつもご覧いただきありがとうごさいます。 こちらでブログを始めて72日目。記事数はこれを入れて90本。読者登録いただいている方、246名。1日あたりのプレビュー数は平均で100ちょい。当ブログ業界で言うところの何とか砲ナシ というところであります。 特…

物部さん考(10)戦国時代・石山合戦図に見える本願寺・大阪城の前 モノノベ式聖地

石山合戦配陣図(和歌山市立博物館蔵。石山合戦(1570-1580)当時の石山本願寺と織田信長軍の配置図)に現在の大阪を少し書き込んでみた。 石山合戦配陣図 秀吉公の前、今の大阪城の地には、石山本願寺という浄土真宗(門徒さん)の大きな寺と寺内町(じない…

物部さん考(9)ポスト物部 神仏混沌の時代 妻・母として 巫女を貫いた孤高の女帝★★

酒船石遺跡で。観光ボランティアさんの地図。 飛鳥遺跡地図 左:地図の「酒船石遺跡」あたり、丘の下の亀型石槽。 右:丘の中腹にある有名な酒船石。用途は謎だが亀型石槽との関連が考えられる、 亀型石槽と酒船石 このあたりは飛鳥池遺跡や狂心渠(たぶれごこ…

物部さん考(8)前方後円墳 モノノベ・ビジネスモデル ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回(7)の終わりに「物部氏が滅んだ瞬間に古墳時代が終わる」と書いたが、正確にいうと「前方後円墳」のことだ。 丁未の乱(587)で物部氏が消滅して以降、前方後円墳が新たに造られることはな…

(浅草寺と善光寺)水中から突如出現する仏様の話(野沢菜と天王寺蕪)

欽明天皇の時代(552年、または、538年)、百済(くだら)王が献上したインドの仏師が制作した阿弥陀如来像が、物部氏によって難波の堀江(現在の大阪、または、奈良県明日香村)に捨てられた。 それから後、推古天皇の時代(600年)に本田善光が難波の堀江…

物部さん考(7)嶋大臣。実は仇敵のあだ名を付けられていた馬子 ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 私が蘇我氏の実在を疑い、物部氏の事跡を暗示するために創作されたキャラクターだと考えるもうひとつの理由。 蘇我馬子(そがのうまこ)が、嶋大臣(しまのおおおみ)と「あだ名」で呼ばれていたの…

物部さん考(6)厩戸(うまやと)の御子は馬子を駒使い ★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE はじめに書いておくと、蘇我氏は疑わしいが、厩戸皇子(聖徳太子)は、その業績を残した方は居られるというのが私の前提だ。 ただ厩(うまや)で生まれた聖人像が史実かと言うと、それは新約聖書(…

物部さん考(5) 蘇我氏はいたのか? ★★(5月29日追記あり)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE たくさんの業績や研究、知見があり、この記事は開物個人の古代妄想レベル★★ということでご理解いただきたい。 清張さんが言うところの「点」の考察です。 明日香の石舞台。方墳(四角の古墳)。石室…

物部さん考(4)生島大神 足島大神 忘れられた男女一組の神々

生玉さんはたいへん古い神社(おそらく紀元前後)で、創建時は現在の大阪城辺りにあった。 グーグル地図で「生國魂神社 御旅所跡」で検索するとその位置がわかる。 大阪城あたりを、河内期・物部氏の聖地と考える理由だ。 物部さん考(2)のクニウミ地図を巻末…

物部さん考(3)十種神宝(とくさのかむだから)ゆらゆらとふるべ

奈良県天理市布留町の石上神宮(いそのかみじんぐう) 紀元前の古い神社で禁足地にはイワクラがある。 イワクラ(磐座、岩倉)はその神社の古さを考える時の大切な手掛かりになる。 天理市と桜井市を結ぶ人気のハイキングコース「山の辺の道」のラリーポイン…

物部さん考(2)「もののふ」は「もののけ」に 古代ヤマト時代の終焉 「物」から「鬼(もの)」へ

目次 丁未の乱(ていびのらん)(587年) 古代の戦いは「鉄を制するものが覇権を制する」のが定石 秦氏の力の源泉は近江製鉄(国産の鉄) キツツキの伝説 以和貴 (和を以て貴しとなす) 「もののふ」から「もののけ」へ 宮崎駿監督『もののけ姫』 アラハ…

物部さん考(1)元祖・大阪のモノづくり 古代のウォーターフロント

四天王寺が創建されたころの大阪の地形図。 現在とずいぶん違う。内陸型と違い、沿岸型で文明が発展した日本の古代を考えるときの基礎だ。 古大阪湾(難波江、なにわのえ)に対して、上町半島が先端に砂州をつくりながら北に伸びてゆき、それに伴って、東側…

物部さん考(0)鷹の止まり木 怨霊のキツツキ伝説

私の地元、大阪・夕陽丘の四天王寺さん。最後にクイズをひとつ出しています。春分と秋分に夕日が落ちる西門(さいもん)の石の鳥居。夕陽丘の地名はここから起こった。夕日に西方浄土を観想する「日想観」の中心であり、弘法大師の空海さん、親鸞上人、法然…