ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

物部さん考(3)十種神宝(とくさのかむだから)ゆらゆらとふるべ

奈良県天理市布留町の石上神宮(いそのかみじんぐう)

紀元前の古い神社で禁足地にはイワクラがある。

イワクラ(磐座、岩倉)はその神社の古さを考える時の大切な手掛かりになる。

天理市桜井市を結ぶ人気のハイキングコース「山の辺の道」のラリーポイントでもある。

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石上神宮物部氏氏神様。

詳しくはホームページをご覧ください。(工夫されていて面白い)

日本神話にまつわる由緒や宝がいくつもあり、物部氏を知るのに不可欠。

ガイドっぽく書くと、

布都(ふつ)は神剣、布留(ふる)は十種神宝

「フツっと切れるのが神剣、フルフル振るのが神宝」と覚えた。

今回は神宝の話。剣はまた別の機会に。

神宮の神拝詞(しんぱいし、のりと)の中、十種祓詞(とくさのはらへのことば)で唱える十種類の宝のことである。

一二三四五六七八九十(ひとふたみよいつむゆななやここのたりや)

ふるべ、ふるべ、ゆらゆらとふるべ

唱えて振れば、死んだ人でも生き返るほどの力がある、と書かれている。

死者蘇生の言霊である

数の読み方にしても、やや不気味な感じのする独特のリズム。

ホームページには毎年11月22日の鎮魂祭(ちんこんさい)、節分前夜の「玉の緒祭(たまのおさい)」で斎行する、と書いてある。やはり怖い。

なぜこの話を書いているかというと、四天王寺さんのキツツキ伝説の話(ブログ二回目)に始まって、物部氏をたどって行くうちに、十種神宝のことを知り、深まる謎にエンジンがかかってしまったからだ。

神宝はあるのか?

あるのならどこに??

古代日本のワンピース(財宝)???

十種神宝 (当用漢字表記)

1)興津鑑(おきつかがみ)

2)辺津鑑(へつかがみ)

3)八握剣(やつかのつるぎ)

4)生玉(いくたま)

5)足玉(たるたま)

6)死反玉(まかるがえしのたま)

7)道反玉(ちがえしのたま)

8)蛇比礼(へみのひれ)

9)蜂比礼(はちのひれ)

10)品物比礼(くさぐさのもののひれ)

お察しの通り「三種の神器」の要素が含まれている

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つい先日、天皇皇后両陛下。公式最後の伊勢神宮ご参拝の際、剣(熱田神宮)と玉(皇居)を携えられて、鏡とご同席されたばかりで覚えておられる方も多いだろう。

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よかったら推理してみてください

ところで、私は「地の利」でひとつ気づいたことがあった。

生玉

生玉神社(大阪市天王寺区生玉町)と関係があるのだろうか?

地元、夕陽丘にある。

もともと大阪城あたりにあった。

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2016年・正月、本殿に向かって西を拝む

次回は、生玉(生国魂)神社のことを紹介させていただきます。

少しわかったこと、その報告ということで。先に書いておきますが、全部はまだわかりません(^^;)

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下寺町(下)の鳥居。ここから坂を上がると生玉さん境内。上町台地の崖っぷち占い、いかがですか?

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下寺町(下)の鳥居