ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

日本の古代製鉄

天空に現れる龍神さまや火の鳥【雷・稲妻】稲作弥生時代の利用法

昨夕は全国的に雷雨が発生していた模様。夕方ウォーキングで雷。光る夜空を眺めていて #高鴨神社(奈良県御所市鴨神) 宮司さんが #鴨族 に言及されていたことを思い出しました #稲妻 #宮沢賢治 目次 龍神さま 火の鳥 花火 稲作弥生時代の雷利用法 本文 夕方…

【河内磐船】弥生から鎌倉まで。北河内有数の遺跡集積地【古代陽石崇拝の遺跡】

はじめに JR学研都市線 #河内磐船駅(かわちいわふねえき)前は、古墳時代の #鉄器工房跡 #森遺跡。一帯は多数の古墳をメインに弥生から鎌倉まで 各時代の遺跡が集積 #肩野物部氏 目次 河内磐船駅と森遺跡(肩野物部氏、鉄器工房遺跡) 須弥寺(しゅみじ)…

笠縫と鏡作【7】境内案内文から繋がった2つの点と線【鏡作麻気神社】

はじめに 奈良盆地の中央、古墳時代の #鏡作郷 を探訪。#天目一箇神 を御祭神とする #鏡作麻気神社 に参拝。境内に掲示された #田原本町 の由緒案内には #笠縫と鏡作 についての重要な #点と線 が書かれていました #たたら製鉄 #村下(むらげ) 目次 鏡作麻…

【五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)】弥生時代後期(1~2世紀頃)の鉄器づくりのムラ

はじめに 淡路島北部、西側の海岸線から約3キロ、標高約200mの丘陵地の #五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)。2004年に発見され、弥生時代後期(1~2世紀頃)の鉄器づくりのムラであることがわかりました #倭国大乱 #板状鉄斧(ばんじょうてっ…

【縄文・弥生・古墳時代のDNA三段階】日本人の起源について

はじめに 国立科学博物館館長で遺伝人類学者 #篠田謙一氏 の「人類の起源」新刊記念対談。特に気になった #日本人の起源 に関するポイント二点。過去記事あわせて妄想解説 目次 日本人の起源 北海道縄文人のDNA解析 縄文・弥生・古墳時代のDNA三段階説 本文 …

【高師小僧(たかしこぞう)】日本の古代製鉄の謎を解くカギ?【褐鉄鉱】

はじめに かつて葦や茅が生い茂る水辺だったところに産出する粘土状の #褐鉄鉱 を #高師小僧 といいます。実物をじっくりみるため #高師台地区市民館(愛知県豊橋市)を見学。中心が空洞で人形に似たこの鉱物は #日本の古代製鉄 のナゾを解くカギかも知れま…

【相槌神社】男山麓の山ノ井の霊泉に伝わる神との作刀伝承【石清水八幡宮(1)】

はじめに 石清水八幡宮が鎮座する #男山(おとこやま)東麓 #相槌神社(稲荷)神が来りて刀鍛冶の匠と相槌を打ったという伝承が神社名に。#山ノ井 の霊泉湧き出るこの地に #源氏 の #髭切 #膝丸 作刀伝承 目次 相槌神社(京都府八幡市八幡平谷10) 山の井の…

【月山日本刀鍛錬道場】強靭さと美しさを追究する和魂(にぎたま)の刀鍛冶の現場

はじめに 山形県の霊山 #月山 に始まり、長じて幕末に #大坂月山流 、現在は三輪山麓で刀鍛冶を行なう #月山日本刀鍛錬道場 を見学。芭蕉翁が『霊泉を選びて、ここに潔斎して剣を打ち』と書いた高度なものづくり精神に少しだけ触れることができました 目次 …

【狭井川 探訪(後半)】三輪山の辺津 出雲屋敷とイスケヨリヒメ伝承地【山の辺の道 茅原】

はじめに 前回の続き。三輪山から流れ下る #狭井川 は #山の辺の道 の #月山日本刀鍛錬道場 のところを横切ります。川べりの #大神神社 案内には、御祭神・大物主神の姫御子 #イスケヨリヒメ と #出雲屋敷 の伝承が書かれています #桜井市茅原 目次 三輪山麓…

【奈良市埋蔵文化財調査センター】秋季特別展『帯解の古墳時代とワニ氏』【~11月5日(金)】

はじめに 奈良市埋蔵文化財調査センターの秋季特別展 #帯解の古墳時代とワニ氏 を見学。古墳時代中期(5世紀)の #ベンショ塚古墳 から出土した豊富な鉄製品をメインに、日頃視ることができない貴重な展示の数々 #鉄製甲冑 #鉄製の裁縫針 目次 秋季特別展『…

【転法輪の話(4)】太子の教えとともに北上した馬と鍛冶と養蚕

はじめに 飛鳥時代、国土拡大の最前線だった蝦夷の地に #馬と鍛冶と養蚕 の福音(法輪)を届けた#厩戸皇子。仏法の教えとモノづくりによる聖徳太子の #クニづくり #馬頭観音 目次 空を飛ぶ転法輪(平安時代) 三面六臂・馬頭観音像の持つ転法輪(平安時代) …

【お岩木さまの麓 厳鬼山神社】十腰内(とこしない)の鬼伝説

はじめに 岩木山三峰の北側が #厳鬼山。その麓一帯の十腰内(とこしない)の #厳鬼山神社 に参拝。一風変わった地名は #鬼伝説 に由来するそうです。神社の近くに #猪型土製品 の出土で知られる #十腰内遺跡。遮光器土偶とほぼ同じ時代、装飾的文様から #亀…

【三種の神器・雑考(1)】素材と技法が異なるモノと文化 三位一体のシンボル★★★

三種の神器(いらすとや、より) まとめ 銅(精錬)・鉄(#たたら)・ヒスイ(石器の精密加工)。材質・技法が異なるモノ。それらがセットになった #三種の神器。#ものづくり日本 の歴史を表現しているのかも知れません #八咫鏡 #草薙剣 #八尺瓊勾玉 目次 三…

【雑考回】東北の鹿島様信仰 巨大な人形道祖神 ダイダラボッチ 『もののけ姫』など

目次 鹿島舟と鹿島人形 大きな人形道祖神・鹿島様 巨人信仰-ダイダラボッチ-もののけ姫★★ 古代妄想と『もののけ姫』 要約 東北の #ワラ人形 #ヒトガタ の #鹿島様 #鹿島信仰。稲作が普及した弥生期以降のこと。巨大な #人形道祖神 の姿は #ダイダラホッチ …

【葛城山麓の古代史(3)】笛吹連 火のプロフェッショナル 金属精錬加工集団【葛木坐火雷神社 笛吹神社(3)】★★

このシリーズ1回目で、葛木坐火雷神社(かつらぎいますほのいかずちじんじゃ、通称は笛吹神社)のご由緒を紹介しました。 www.zero-position.com 葛木坐火雷神社 笛吹神社 本殿への石段 気になっているのが、次のあたり(ご由緒の開物の現代訳より一部抜粋)…

【葛城山麓の古代史(1)】大和三山を眺める丘から【葛木坐火雷神社 笛吹神社(1)】

昨年(2019年)10月、紅葉が始まる少し前、奈良県・葛城(かつらぎ)市、大和盆地の西側、葛城山の麓の丘に鎮座する葛木坐火雷神社(かつらぎにいますほのいかづちのじんじゃ)にお参りしました。 笛吹神社の丘から東の大和三山を望む(国見の視点) 地元…

日本古代製鉄の謎(6)古代技術はなぜ失われるのか?【たたら製鉄と現代製鉄の比較から】

過去に存在していたが、今は存在しなくなった技術を『ロストテクノロジー』という。 なぜ技術は失われるのだろう? 古代から現代までの製鉄法をまとめていて、こういうことではなかろうか、と思うことをまとめてみた。 製鉄法の長い歴史をワンイメージ、ひと…

日本古代製鉄の謎(5)タタラ製鉄は直接製鉄法【古代中国・間接製鉄法との根本的な違い】

きのうアップした図を少し説明すると、製鉄法は「直接製鉄法」と「間接製鉄法」に分けることができる。 直接製鉄法と間接製鉄法 技術的な境界線 直接製鉄法(たたら製鉄、インド・中東、日本) タタラを含む直接製鉄法では、取り出したケラ(鉧)やズク(銑…

日本古代製鉄の謎(4)古代から現代までの製鉄法 簡単まとめ【たたら製鉄など】【ほか 新型コロナ 校医さんの心配事】

花粉の季節、おまけにマスク不足のため、ウォーキングを少し控えめにしている。 とたんに腰痛が本格化、寝返り打つたびに「イテテ、イテテ」。頻繁なクシャミも腰に影響した。 腰痛とクシャミ(花粉症)とコロナ騒動。ヘビとナメクジとカエル、三すくみのよ…

日本古代製鉄の謎(3)アムール ハイウェイとタタール(間宮)海峡【古代の北方ルート雑考】

前回記事 の後半で書いた、北方ルート。 製鉄技術の日本への伝播(日立金属サイトより) www.hitachi-metals.co.jp 北方ルートはあいまい(一直線。笑)に描かれているが、具体的には次のルートが最もあり得る。 インド北部⇒(タタール人居住域)⇒バイカル湖…

日本古代製鉄の謎(2)歴史秘話ヒストリア『ニッポン鉄物語 “奇跡の金属”が列島を変えた』を見て【番組批評・リライト】

*視聴して、同じ意見や印象を持たれた方が多かった(SNS(FB))ようですので、少しリライト(追記)しました。第三版になります(2020年2月18日。初稿2月15日)今後の視聴の参考になさってください。 NHKが相次いで古代の鉄をテーマにした番組を流している…

日本古代製鉄の謎(1)糸魚川ヒスイの再発見で教訓とするべき考古学の歴史

古代の鉄の話をするのに、少し当ブログ「ヒスイの古代史」の話をお許しいただきたい。 関西人の私は縄文時代について、最盛期(縄文中期)の本場を知らないのがネック。 去年の秋、新潟・北陸・東北の各地の縄文遺跡や博物館・資料館を20ケ所近く巡り、話…

日本古代製鉄の謎(0)シリーズをはじめるにあたって【鐵で鉄を切れるのか?】

刃牙道(ばきどう)板垣恵介 第七巻(宮本武蔵編) いきなり当ブログのいつものテイストと違い、スミマセン。 次男の愛読書、笑。板垣恵介さん作の漫画「刃牙道(ばきどう)」第7巻より。 最先端科学で再生した剣豪・宮本武蔵が、武闘会で対戦相手の青龍刀…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(10)丁未の乱は古墳(モノノベ)時代を強制終了した経済の覇権戦争 ★★★ 物部さん考(16)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 丁未の乱(ていびのらん、587年)で物部氏(宗家)とともに前方後円墳の古墳時代が実質的に終わった。そして、副葬品としてのヒスイ勾玉や埴輪などの「ものづくり産業」も終焉を迎えた。 前回記…

国石 ヒスイの古代史(翡翠)(9)物部氏とヒスイの特別で重要な関係 ★★★ 物部さん考(15)

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 前回、ヒスイ勾玉と物部氏には「ある特別で重要な関係」が推理され、実は、それが物部氏(宗家)が徹底的に滅ぼされ、ヒスイが隠ぺいされた理由ではないかと考えている、と書いた。 前回記事 www.ze…

物部さん考(2)「もののふ」は「もののけ」に 古代ヤマト時代の終焉 「物」から「鬼(もの)」へ

目次 丁未の乱(ていびのらん)(587年) 古代の戦いは「鉄を制するものが覇権を制する」のが定石 秦氏の力の源泉は近江製鉄(国産の鉄) キツツキの伝説 以和貴 (和を以て貴しとなす) 「もののふ」から「もののけ」へ 宮崎駿監督『もののけ姫』 アラハ…