いきなり当ブログのいつものテイストと違い、スミマセン。
次男の愛読書、笑。板垣恵介さん作の漫画「刃牙道(ばきどう)」第7巻より。
最先端科学で再生した剣豪・宮本武蔵が、武闘会で対戦相手の青龍刀を日本刀でスパッと切る衝撃!?のシーン。
漫画なので荒唐無稽と思われる向きもおられると思うが、あながち、あるんじゃないかと思っている。
いやもちろん、もしあるとしても、宮本武蔵ほどの達人だからできる技だとは思う。
日本の古代製鉄、例えば、始まりと古墳時代の謎
日本の古代製鉄は、いつ、どのような形で始まったのか。実は謎だらけ。
日本では青銅器時代と鉄器時代が、ほぼ同時に始まったと考えられるが、考古学ではいまだその正確な答えを見い出せていない。
貴重であった鉄の「実用品」は、摩耗すれば溶かして再生利用し、最後まで使い尽くされ、多少残ったものも、土中で錆びて消滅するなどして発掘されず、結果、研究が進まないのが理由だろう(ただし祭祀用や副葬品の鉄器は保存状態、使用方法が違うのでときどき出土する)
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古墳時代の鉄鋌(てってい、鉄製品の加工原料)についても、展示が少なく、十分に研究が進んでいるとは思えない。
それに、古代日本に最終製品化の技術があったから加工原料を輸入していたわけで、つまり、その前段階の原料鉄を造る技術(たたら)もあったはずだ。
しかしそれを、あえて日本で「しなかった」理由があったと考えている。
製鉄と鍛冶、技術の謎
そもそも「たたら製鉄」や「鍛冶」で扱われる「鉄」は純粋鉄(Fe)ではない。
鉄をメインとした炭素(C)、酸素(O)、チタン(Ti)などの化合物というのが実体で、それぞれの組成によって特徴(物性)に、微妙~大きな違いが生まれる。
日本古代の職人はそれを研究し知り尽くしていた。なぜなら、そのような鉄の性質についての知識と経験、そして蓄積がなければ、後年の「日本刀」の文化などまず生まれてこない。
冒頭、宮本武蔵がスパッと切るのがあり得ると思うのは、日本刀と青龍刀では「鍛え方」が違うからだ。
その背景を考えてゆくこともこのシリーズのテーマのひとつ。
(日本古代製鉄の謎は、週1回ぐらいのペースで書こうと考えている)
参考書のひとつ。あとがきの指さし。