ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

大阪万博・考

【太陽の塔】あの世を背に、新生児をこの世に導く母胎【縄文の土器・土偶】

はじめに 先日 #釣手土器(#香炉形土器)のことを書き、あらためて #太陽の塔 見学。大地に根ざす母胎、そしてあの世とこの世を繋ぐ #道祖神的な器 の表現か #スリット目 #遮光器土偶 #岡本太郎 目次 釣手土器(香炉形土器) タローさん(岡本太郎)の縄文解…

【発掘・EXPO70(14)】日本の歴史 世界に何をどのように発信する?【日本館】

日本館 夜景 大阪万博期間中の人気投票では『国内パビリオン52館中、一位が松下館、二位が古河パビリオン、三位が日本館、四位が三菱未来館』となりましたが、ここでは三位に選ばれた日本館(日本政府館)の日本史展示について。 シンボルマークの桜の花び…

【発掘・EXPO70(13)】タイムカプセル 5,000年後の人類への贈り物【五千年前の列島は縄文中期】

前回(松下館の紹介)の続きです。 www.zero-position.com 松下館の目玉は、斑鳩の中宮寺をモデルにした天平の景色でしたが、子どもの私が興味をひかれたのはタイムカプセル。 松下館パンフレット(当時)より 「未来に伝えたいモノ」の選定では、国内外(世…

【発掘・EXPO70(12)】中宮寺がモデル 水面に映える天平の赤と竹林の緑【松下幸之助さんが投じた一石】

大阪万博当時、大人たちの間で難しい議論が交わされていたようです。 曰く『日本万博は伝統表現を通して日本文化を発信するのか、世界の潮流、商業主義に乗っとって未来技術を発信するのか。』 世界の万国博覧会に付きまとう永遠のテーマのようですね。 もち…

【発掘・EXPO70(11)】大阪万博事件簿【始まった”超密”の時代】

目が光る太陽の塔 後にも先にも、日本のイベント史で最大のものはEXPO70、大阪万博(正式名称:日本万国博覧会)でしょう。 1970年3月14日から9月13日までの半年間(183日)の会期期間に6,400万人。計算では1日平均35万人の入場者を大阪…

【発掘・EXPO70(10)】マクド(マック)、ケンフラ、ミスド発展の基礎【私的おフランス料理の始まり】

アメリカン・ファーストフードという黒船の来航 マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナッツ・・・ いずれも日本第一号店のオープンは大阪万博翌年の1971年。 それには理由があります。 万博会場には、各国政府館(パビリオン)のレ…

【発掘・EXPO70(9)】変貌する女性のライフスタイル【華ひらく美とファッション産業】

EXPO70 会場コンパニオンさんたち 大阪万博では総勢3,000人のコンパニオンさんが活躍しましたが、それは、この国で普通の女性が普通に活躍する社会が始まる象徴的な出来事でした。 www.zero-position.com 女性が社会に進出することで美容やファッション産業…

【発掘・EXPO70(8)】カクカクした日常から流線形と幾何学の非日常へ【夢の未来都市】

カクカクデザインがたくさん、の日常 東京オリンピックで大量生産・大量消費の時代が始まり、EXPO70(大阪万博)の頃には、買いたいものは、たいてい何でも手に入るようになりました。 量産指向でデザインは二の次。身のまわりにはカクカクしたデザイ…

【発掘・EXPO70(7)】東大寺・七重塔を再現した古河パビリオン【古代の夢・現代の夢】

EXPO70、大阪万博の広大な会場には、斬新なデザインの各国政府館や企業パビリオンが所せましと立ちならび、半年間、つかの間の未来都市が地上にあらわれました。 開会式直前の万博会場 夕景 未来的で奇抜な姿形の建物群に目を奪われる中、奈良時代に存在した…

【発掘・EXPO70(6)】太陽の塔が見つめる一朶の白い雲【上ってゆく時代】

彼らは『明治』という時代人の特質で、前をのみ見つめながら歩く。上って行く坂の上の青い天に、もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂を上って行くであろう。 司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』の始まりの有名な一節。 太陽…

【発掘・EXPO70(5)】ベラボーにそびえ立つ太陽の塔 開幕直前 岡本太郎寄稿 全文【突き抜けろ!】

太陽の塔と岡本太郎 近代建築の大屋根をノビノビ・ヒロビロと突き抜ける 祭りの魅力 岡本太郎 (全文、昭和45年3月8日、毎日新聞掲載) 祭りもいよいよ目前だ。すべてのパビリオンが装いをこらして、幕あきを待つ。こころよい緊迫感が千里の会場全体にみ…

【発掘・EXPO70(4)】緊張緩和と国威発揚 冷戦時代【緊張のはざま 平和の祭典】

東西冷戦の中、最前線だったヨーロッパ(参加していない国・地域はシロヌキ) EXPO70参加国 ヨーロッパ・アフリカ 大阪万博会場 手前の白いドームのある建物がアメリカ館、奥の赤いタワーの建物がソ連館 ソ連館の高さは100メートル、万博会場では一…

【発掘・EXPO70(3)】サザエさん一家に見る 古い昭和から新しい昭和へ【交差する会場の風景】

♬光る光るトーシバー、まわるまわるトーシバー 50年前、日本には松下(現パナソニック)、東芝、日立、三菱、三洋、シャープの6大家電メーカーがありまして、 まとめて「松・東・日・三・三・シ、まっとうひさんさんし」なんて業界用語もありました。 E…

【発掘・EXPO70(2)】会場に咲いた100種3000の華、コンパニオンさん【始まった女性の社会進出】

万博発掘シリーズ2回目。 未来都市感たっぷりのEXPO70会場を、華やかに彩ったのが、総勢3000名のコンパニオンのおねえ様方。 当時、私は中1の坊主ですから、もちろんおねえさんです。 1970年3月8日、万博開幕1週間前の全国紙記事より要約…

【発掘・EXPO70(1)】人類は進歩と調和をしたのか?【大阪万博・考】

いやぁ、大阪府知事、ニューヨークのクオモ知事並みに人気をつかみつつあるのでしょうか? 政治家には平時に強いタイプと有事に強いタイプがいることを身をもって知りました。 イヤミでいうと平時にしか務まらない政治家の多いこと多いこと。ほんと。 お気づ…

なんだ、コレは! 岡本太郎が博物館で縄文に出会った話(1)【四次元との対話 縄文土器論】

なんだ、コレは! 大きな声が館内に響いた。 岡本太郎さんが博物館の片隅に置かれていた土器・土偶を見て、あげた叫びだ。 この瞬間から縄文の土器・土偶が広く知られ、1970年大阪万博の「太陽の塔」が「建立」されるに至る。 新潟県立歴史博物館(長岡…

日本の謎の古代史(9)太陽の塔に刻まれた岡本太郎のダヴィンチコード 遮光器土偶 スリット目の意味を考える

前回からの続き。 万博「エキスポ70」、1970年、中学生だった自分は未来都市に夢中になり、何度も足を運んだ。中でも、太陽の塔が大好き。同じ時代を過ごした世代にはそういう人が多い。で、次のような記事を書いた。 www.zero-position.com www.zero-…

太陽の塔 70メートルの縄文土偶と岡本太郎さん

♪こんにちは~こんにちは~世界の国から~ 三波春夫さんが唄う万博(ばんぱく)音頭と「人類の進歩と調和」の拍子にあわせて、日本人がみな躍った EXPO70・万博(1970) 祭りの跡は今、広い公園になっている。 未来都市の跡形もないが、どど~んと変わらない…

筋金入りの万博好き。明治・大正期の遺跡

私は四天王寺さんと通天閣(つうてんかく)、それぞれ近い所に住んでいる。 どちらも歩いて十分かからない。 四天王寺は天王寺区、通天閣は浪速区である。 だいぶん前の話だが、観光の若者グループに、通天閣の「ろうそくく」にはどう行けばいいですか?と、…