カクカクデザインがたくさん、の日常
東京オリンピックで大量生産・大量消費の時代が始まり、EXPO70(大阪万博)の頃には、買いたいものは、たいてい何でも手に入るようになりました。
量産指向でデザインは二の次。身のまわりにはカクカクしたデザインの製品があふれていました。
コダックといえば当時のアメリカンブランドの代表格。万博にあわせてパビリオンを出展し、ワンタッチでフィルムが取り換えできるインスタントカメラを発売したんですね。(デジカメ時代の流れに取り残され、2012年に一度、破産しています。ライバルだった富士フィルムは事業転換に成功して生き残り、今や健康医療分野で大チャンスを掴みつつありますね)
流線形と幾何学の非日常、万博会場
当時、中一になったばかり、子どもだった私にとって万博会場は未来都市そのもの。
太陽の塔を筆頭に、巨大でカラフルで、見たこともないような流線形や幾何学デザインの建物がキラキラと立ち並ぶ街は、想像の上を行く未来都市でした。
ほんの一部ですが、ご覧ください。
ガス・パビリオンのホアン・ミロ、太陽の塔の岡本太郎など、キュビズムの巨匠の起用は、1937年パリ万博のピカソ『ゲルニカ』が動機になったのでしょう。
当時の日本のイメージは昔ながらの「フジヤマ」「サムライ」「ゲイシャサーン」。豊かになった日本人は「ジャルパック」で海外に。カメラ片手にゾロゾロ団体ツアーで、それをみた外人さんに「エコノミック・アニマル」なんて揶揄されていました。そんなステレオタイプをなんとしてもぬぐい去ろうと、科学技術ととともに、芸術を前面に打ち出しました。