ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

アラハバキ信仰

弥生時代と古墳時代が交差するところ。摂津住吉【住吉大社 正印殿跡(3)】

千五百年にわたり #住吉大社 神主家であった #日本三家のひとつ #津守氏 の居館があったところに #アラハバキ 的な陽石(石棒)と陰石(胎内石)。住吉さんに残る子孫繁栄・五穀豊穣を祈る南北ラインと関係か。#仁徳天皇陵 目次 住吉の南北を繋ぐライン 出雲…

【住吉大社 正印殿跡(2)】歴史的な史跡に残された古い信仰のこん跡!?【結の神社。陽石と陰石】

住吉大社の歴代神主であった #津守氏 居館があったところ。今は史跡保存されている住吉行宮跡・正印殿跡(二回目)。域内には小祠がいくつか。そのうち #結の神社 のそばに #陽石(石棒)と #陰石(丸石)。#アラハバキ信仰 目次 住吉さんの南。古代「住吉の…

【今泉 賽の河原(2)】イタコ装束のお地蔵さまと祭壇のオシラサマ【安倍 安東氏とアラハバキ信仰】

北津軽、今泉 #賽の河原 二回目。優しいまなざしで南の十三湖と岩木山を見つめる #イタコ 装束のお地蔵さま。本堂の祭壇には #オシラサマ(男神木)。安倍安東氏の古い #アラハバキ信仰 のこん跡 目次 イタコ装束のお地蔵さま 祭壇のオシラサマ 安倍・安東氏…

【今泉 賽の河原(1)】岩木山と布袋(ほてい)さん【安倍 安東氏・考】

津軽 #今泉賽の河原(看板に「安倍安東氏霊場」)。入口には #十三湖 の南に見晴るかす #岩木山 を想起させる かっぷくの良い#布袋さん 像。一帯には数多くの #安倍安東氏 の史跡。津軽と大和の繋がり、そして蝦夷と云われる人々について考えてみました 目次…

【オシラサマ巡礼】津軽三十三観音霊場 第一番札所【久渡寺】

桑の木でつくった男女一対の木像を御神体とした #オシラ講 の信仰と #津軽三十三観音霊場 巡礼の伝統。第一番札所 #久渡寺(くどじ)。毎年5月の大祭では津軽各地の家庭や集落から持参され、重ね着させた #オシラサマ を祭壇に並べて祈りを捧げる大祭が催さ…

【相内神明宮 アラハバキ神社】縄文から弥生の謎が眠る【東日流外三郡誌】の故郷

青森市内から車で一時間少し。#十三湖 の北の丘の #相内神明宮(#アラハバキ神社)を再訪。ねじれのある鳥居の笠木、参道の樹の #藁蛇 。境内地は縄文前〜中期 #オセドウ貝塚 #円筒土器 が出土した遺跡としても知られています #長髄彦 目次 相内神明宮(アラ…

【桂渕神社(1)】沼の主・大蛇の言い伝えが御由緒【龍神樣と石神様】

津軽 #蟹田川 沿いの #桂渕神社。たまたま車で通りがかり朱い鳥居に惹かれて参拝。手入れの行き届いた御本殿には #龍神樣 と #石神様(陽石)の神像。集落に伝わる沼の主の大蛇の言い伝えが御由緒 目次 龍神様の社 桂渕神社 御本殿の様子 桂渕神社の言い伝え…

【アワシマサマ(後編)】巨大な男女一対の信仰のこん跡。古いアラハバキ的な死生観

中山山脈(#梵珠山脈)の #アワシマサマ と #胎内くぐり岩 は古くて巨大な#男女一対の信仰のこん跡。蝦夷と大和が対峙する中、文化や信仰が対立し、また、融合した歴史を垣間見ることができるのも #津軽 の魅力です 目次 転び地蔵、転じて、うなり地蔵 【よ…

【若宮商工稲荷神社(2)】狛犬さんのお口の中の勾玉

先日紹介した、大阪商工会議所(大阪市中央区本町橋)敷地内の #若宮商工稲荷神社。お口の中にあるという #勾玉 を確認しにあらためて参拝してきました #阿吽(あうん)#豊臣秀吉 #アラハバキ #古神道 目次 若宮商工稲荷神社 狛犬さん 狛犬さんのお口の中を…

【若宮商工稲荷神社】口に勾玉を含みイカれた目のユニークな狛犬さん【五代友厚】【豊臣秀吉】

オフィス街にある #大阪商工会議所 敷地内の #若宮商工稲荷神社。歴代会頭のそばの階段奥にひっそりと鎮座。他で見たことがないユニークな #狛犬さんは一見の価値 #五代友厚 #豊臣秀吉 目次 五代友厚公の像 若宮商工稲荷神社 個性的な狛犬さん 境内と御本殿 …

【生國魂神社元宮(お旅所跡)】生駒の大鳥を眺めながらアラハバキ信仰を考える

大阪城公園南西入口そば #生國魂神社 元宮跡(お旅所跡)。ここから大阪城外堀の向こうに #生駒の大鳥 を眺めることができます。弥生の人々は日本最古級の祭祀場から、#クニウミ #子孫繁栄 を祈ったと考えています #アラハバキ 目次 大阪最古の祭祀場 生國魂…

【津島神社(5)】東日本と西日本を結ぶ海の回廊

名古屋の古地形図を眺めていますと、桑名を西岸に、#津島神社 〜琵琶島(清洲)〜#熱田神宮 のラインは、古代の西国と東国を結ぶ #海の回廊 であった様子が見えてきます。#ミシャグジ信仰 #天白信仰 目次 古代の海の回廊 東国と西国を結ぶところ 古代の信仰…

【忍坂坐生根神社(2)】古い時代の石神さん信仰のこん跡

はじめに 前回の続き。#忍坂坐生根神社 の案内板には #磐座(石神)、そして #陰陽石 のことが書かれていました。陽石は見つけましたが、陰石が見当たらず…しかし。#神籠石(ちご石) 目次 石神さん(磐座・陰陽石)信仰のこん跡 神籠石(じんろうせき、ちご…

【馬蹄石】猿田彦神の言い伝えが残る七本松の石神さん【船越神社】

はじめに 三重県志摩市大王町 #船越神社。明治期の激しい合祀の紆余曲折を窺わせ、境内にはかつての各社の御神体らしきものが複数。中でもしめ縄の巻かれた #馬蹄石 が目をひきます 目次 船越神社(三重県志摩市大王町船越) 船越神社 参拝 馬蹄石 本文 船越…

【伊勢しめ縄】「蘇民将来の子孫の家の門」をあらわす厄除け

はじめに 伊勢志摩の #蘇民将来 の名が書かれた #伊勢しめ縄。厄除けの一方「千客万来」など良いものは受け入れる #サイノカミ信仰 に通じます #ハバキ(祓い)#京都祇園八坂神社 目次 伊勢市にて 鳥羽市相差(おうさつ) 鳥羽市立海の博物館(展示) 京都祇…

【河内磐船】弥生から鎌倉まで。北河内有数の遺跡集積地【古代陽石崇拝の遺跡】

はじめに JR学研都市線 #河内磐船駅(かわちいわふねえき)前は、古墳時代の #鉄器工房跡 #森遺跡。一帯は多数の古墳をメインに弥生から鎌倉まで 各時代の遺跡が集積 #肩野物部氏 目次 河内磐船駅と森遺跡(肩野物部氏、鉄器工房遺跡) 須弥寺(しゅみじ)…

【富雄丸山古墳 盾形銅鏡】「サカイ」を守る鋸歯文【盾形埴輪】【隼人の楯】

はじめに 銅鏡として史上最大の #盾形銅鏡(#富雄丸山古墳)の発見は大きなインパクト。よく似た #盾形埴輪 が #長原高廻り古墳(大阪市平野区)から出土。鋸歯文のデザインは外敵を防ぐ威嚇の意味があったようです #隼人の楯 目次 サカイを守護する超ハイレ…

【シャコちゃん進化論】縄文から弥生への変化・考

はじめに 本州最北・東北最古の弥生式水田遺構 #砂沢遺跡*1 の #土偶。同じ津軽・亀ヶ岡 #シャコちゃん(遮光器土偶、縄文晩期)からの変化を考えてみました #井戸尻考古館 目次 結髪形、刺突文、そしてパンツ ボディの刺突文 しとつもん・さしとつもん シャ…

【縄文の自然科学・考】二項対立(陰陽)と転変(五行)の思想【ぐるぐる渦巻】

はじめに 考古学の資料でよく目にする #縄文の祭祀 とは何でしょうか?このシリーズ最終回として考えてみました。自然の #二項対立 と #転変 をあらわす #ぐるぐる渦巻文様。直感的に #陰陽五行 の原型のようなものを想起させます 目次 縄文祭祀とは何ぞや …

【縄文のぐるぐる渦巻文様・考】二つの世界のサカイに立つ縄文神像【縄文晩期】

はじめに 道祖神(サイノカミ)的な信仰の起源は縄文時代?というテーマの前回の続き。#金生遺跡中空土偶(山梨県北杜市)のボディの前後に描かれた #ぐるぐる渦巻紋様 はあの世とこの世 #異世界 を繋ぐ出入口ではないかと妄想 #タイムトンネル #サルタヒコ …

【道祖神】 境界(際) の路傍に立ち、幸を迎え入れ、災厄を塞ぐ【サイノカミ】

はじめに 正月明け、各地で #とんど焼き。#サイノカミ とも云われる神事は #道祖神 の信仰に起源。『境界(際) の路傍に立ち、幸を迎え入れ、災厄を塞ぐ信仰』は日本列島広範に古くから深く根付いています 目次 道祖神とサイノカミ信仰 道祖神とサイノカミ…

【太陽の塔】あの世を背に、新生児をこの世に導く母胎【縄文の土器・土偶】

はじめに 先日 #釣手土器(#香炉形土器)のことを書き、あらためて #太陽の塔 見学。大地に根ざす母胎、そしてあの世とこの世を繋ぐ #道祖神的な器 の表現か #スリット目 #遮光器土偶 #岡本太郎 目次 釣手土器(香炉形土器) タローさん(岡本太郎)の縄文解…

【釣手土器】縄文集落の出産と助産 共助社会のこん跡?【香炉型土器】

はじめに 母子ともに健全な出産は、哺乳類である人類の古今東西共通した祈り。火と灯りをイメージさせる #釣手土器(#香炉形土器)はその造形物かも #八ヶ岳美術館 #井戸尻考古館 #縄文のメドゥーサ 目次 八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)の火の女神フゥ…

【アラハバキ】【石神】隠されるがゆえに見えにくい古い信仰と古代史【ミシャグジ】

はじめに 当ブログでは #アラハバキ #ミシャグジ など古い信仰のこん跡を追いかけることもテーマ #須弥山石 #マラ石(明日香) #出雲幸乃神社(京都) 目次 今井野菊さんが踏査したミシャグジのリスト 列島各地に登場する石神。例えば飛鳥 例えば京都 探せば…

縄文石棒文化と重なるミシャグジ・千鹿頭(チカト)・天白(テンパク)信仰圏

はじめに 諏訪信仰の源流 #ミシャグジ信仰。私たちはその第一人者 #今井野菊 さんの粘り強い踏査とリスト化のおかげで、もう一歩進めた古代史考察ができます 目次 今井野菊(いまいのぎく)さん ミシャグジ信仰圏(チカト・テンパク信仰圏を内包) 縄文石棒…

【アラハバキ解(補遺)】岩木山神社 中門前の狛犬 蟹守(かにもり)と倭文(しとり)の暗示

はじめに 津軽 #岩木山 麓 #岩木山神社 を再訪したのは、中門前の狛犬さん(明治二十一年)の基壇に刻まれた #蟹守(かにもり、安産)と #倭文(しとり、子安)の暗示を再確認するため。子孫繁栄の祈りはあらゆる信仰の原点 #アラハバキ 目次 岩木山神社 中…

【御頭祭】ミシャグジ神と人が集う春の饗宴【菅江真澄の記録】

はじめに 旧暦三月酉の日 #諏訪大社上社前宮 #十間廊 に七十五頭の鹿の頭が並べられていた #御頭祭(おんとうさい)。#ミシャグジ神 と人が饗宴する神事。現在は簡略化され斎行。#神長官守矢資料館 で復元展示を見学できます #菅江真澄 #サナギ鈴 目次 謎め…

【(御頭)ミシャグジ様の信仰】守矢家当主の証言より【アラハバキ考】

はじめに 先代までに失われた習わし #諏訪大社上社 神事の話を通して、神や精霊がどのようにとらえられていたのかがわかる #神長守矢家 現当主(78代守矢早苗氏)の証言は貴重 #ミシャグジ #アラハバキ との関係も考察 目次 ミシャグジ様のこと(神長官守矢…

【御頭御社宮司総社】ミシャグジさま信仰の根源地【神長官守矢家②】※20230110追記

はじめに 前回の続き #神長官守矢邸 には #諏訪大社上社 の祭祀政務を少なくとも千四百年以上掌握してきた #守矢家 が信仰した #御頭御社宮司総社 が鎮座。#ミシャグジ信仰 は日本の古い信仰のひとつで当社はその根源地 目次 神長守矢邸跡 御頭御社宮司(お…

【井戸尻考古館】半人半蛙の暗号解読 縄文の世界観と哲学【月と蛙 復活と再生】

はじめに 諏訪八ヶ岳地方・縄文の代表的な展示館のひとつ #井戸尻考古館 で特に惹かれた解説案内がいくつかあり、本記事ではそのひとつ #半人半蛙(はんじんはんあ)が描かれた土器について(全文起こしのため文字数多し) 目次 井戸尻考古館 半人半蛙が描か…