ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【若宮商工稲荷神社(2)】狛犬さんのお口の中の勾玉

先日紹介した、大阪商工会議所大阪市中央区本町橋)敷地内の #若宮商工稲荷神社。お口の中にあるという #勾玉 を確認しにあらためて参拝してきました #阿吽(あうん)#豊臣秀吉 #アラハバキ #古神道

目次

本文

若宮商工稲荷神社 狛犬さん

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タテに細長い境内参道脇のユニークな狛犬さんの、口の中の勾玉を拝見しに、再度、参拝してきました。

若宮商工稲荷神社 狛犬さん(右側の狛犬さんの口の中に勾玉)

商工会議所ができる前の若宮稲荷神社(大阪市HPから)

よくよく考えてみると、狛犬さんは口を開いた阿形(あぎょう)と、口を閉じた吽形(うんぎょう)がセットになって『阿吽(あうん)』ですが、

若宮商工稲荷神社の狛犬さんは、両方とも口が開いているのに、今頃になって気が付きました。

狛犬さんのお口の中を拝見

大阪市HPより

狛犬さんは結構な大きさ(トータルで2メートル少し)で、前回参拝ではお口の中の勾玉に気が付きませんでした。…ちょっと失礼して。

右側の狛犬さんのお口の中の勾玉

さらに失礼して、お口の中の勾玉を触らせていただきましたが、まん丸の玉でした。

玉の直径サイズの方が、開いた口の幅よりも大きく、取り出せないようになっています。

この狛犬さんを造った石工さんは、口の中を彫りながら、玉を彫り出したんですね。

その腕と精神力はお見事!👏

右側の狛犬さんの口の中の勾玉

狛犬の玉といえば、足で踏んだり、口に咥(くわ)えたりしているものを見かけますが、口の中に転がっているのは見たことがありません。

*****

左側の狛犬さんの口の中には、何もありませんでした。

左側の狛犬さんの口の中

狛犬さんのオスとメス・考

狛犬さんは(例外があるかもしれませんが)参拝者からみて、向かって右側が阿形、左側が吽形。

阿形がメス、吽形がオスと考えています。(吽形の頭にはオスを象徴するであろう突起物😀)

したがって、若宮商工稲荷神社の狛犬さんは、右側の勾玉を口に含んでいるほうがメスになります。

もちろん、胎児を表す勾玉をはらむのはメス。

古神道アラハバキ的な表現

出産の仕組みを表している点で、秀吉公ゆかりの若宮稲荷神社の系譜を引く この狛犬さんは、縄文時代にさかのぼる可能性のある古神道の信仰を由緒正しく表現した様式であるように思います。

同じく秀吉公ゆかりの瓢箪山稲荷神社(ひょうたん=ふくべ稲荷、東大阪市瓢箪山町)・最奥の戸川神社の御神紋の意味と合わせて、

秀吉公は、我が子孫と豊臣家の繁栄に、たいへん執着していた様子が伺えます。

自分の馬印である千成り瓢箪の、真の天下統一に向けて、最後のワンピースを、このひょうたんに託したのでしょうか。

残念ながら、その後の歴史の通り、秀吉公の夢は叶えられることはありませんでした。

戸川神社の御神紋。

瓢箪は子宮、中(右側の)の勾玉状は胎児をあらわすと解釈できます。

したがって勾玉の孔は、生命がやってくるあの世と、生まれてくるこの世を繋ぐものと解釈することができます。

おそらくそのような考え方は縄文時代が起源だと考えています。

秀吉公ゆかりの瓢箪山稲荷(ふくべ稲荷)の最奥、外側神社の御紋

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