目次
要約
東北の #ワラ人形 #ヒトガタ の #鹿島様 #鹿島信仰。稲作が普及した弥生期以降のこと。巨大な #人形道祖神 の姿は #ダイダラホッチ をイメージさせます。山に棲む #たたら製鉄集団 の姿が #巨人伝説 になったのでしょうか。#もののけ姫 #宮崎駿監督
本文(東北歴史博物館・2019秋)
鹿島舟と鹿島人形
先日、奈良県香芝市の鹿嶋神社を紹介しましたが、鹿島信仰は関東以北、東北地方に深く根付いています。
鹿島人形は、稲ワラで造られた『身代り人形、ヒトガタ』です
疫病退散を祈って、疫病神をワラ形に封じ込め、村の境界まで送り出し、そこに放置したり、ワラ舟で川に流したりする風習で、家族人数分の餅や団子をつくり、ひとりひとりが身体の悪いところにこすりつけ、人形にゆだねたそうです。
ワラ舟で流すあたり、海人の信仰であることが垣間見えます。
宮城県(現・石巻市、旧・桃生郡)の親戚の本家近くに鹿島神社があり、小学生の夏休みの夕方、境内でひとりで遊んでいたら、風もないのに樹の高いところが、いっせいにザワザワ・ゴゥゴゥ鳴り出して、一目散に逃げ帰った思い出。
それ以来、鹿島さんには『怖い』イメージがあります(笑)
大きな人形道祖神・鹿島様
秋田県横手市などでは、ワラ製の巨大な人形道祖神(どうそじん)の鹿島様が、村の境に置かれます。
(指先まで撮れていませんが)工事現場の立ち入り禁止のデザインのように、両手両指を全力でひろげて『災い』が『そこから』入って来ないように立てられます。
お人形様(山形県)。こちらも鹿島信仰のひとつでしょう。
いずれにしても、稲わらが素材で、つまり、弥生期に稲作が盛んになってからの文化、信仰です。
巨人信仰-ダイダラボッチ-もののけ姫★★
【古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE】
東北には、鹿島様やお人形様のような巨人信仰が多数あり、ダイダラボッチの信仰と結びついています。
ダイダラボッチは山に棲み、時々、人里に降りてくる巨大な人のイメージでしょうか。
山にこもってタタラ製鉄を生業とする集団の『たたら法師』が変化して、ダイダラボッチになったという説がありますが、そのあたりは宮崎駿監督の『もののけ姫』のイメージにつながります。
『もののけ姫』には、鹿の姿のシシガミが変化(へんげ)するダイダラボッチが登場しますが、宮崎監督には鹿島様をモチーフにした着想なり、ストーリーがあったのでしょうか。
『もののけ姫』には、ヤマタノオロチ神話の要素も混ざっていると受け止めています。
古代において、たたら製鉄は、大規模化するほどに『環境破壊』『公害』になりました(薪炭生産の森林伐採とかんな流しによる水質汚濁、天井川)
古代妄想と『もののけ姫』
「縄文時代から弥生時代、海と陸の交易を通じて、縄文と出雲は習合し、やがて物部氏の登場で古墳時代に移行した」
というのが、私の古代妄想の大きなシナリオです。
それに対して『もののけ姫』は登場人物(名)や展開など、冒険娯楽作品ですから、特徴や順番はマゼコゼなんですが、
歴史の変化やそれを引き起こした要素が、ひとつのストーリーの中に、実にうまくコンパクトにまとめられ表現されています。
『幾重にも練りこめられた』やはり最高級の作品だと、
🎵いつも何度見ても、そう思います。