ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

難波宮

【まるで推理小説(3)】ライン1本、どんでん返し!?【中宮天皇の謎】★★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE 中宮寺(奈良県生駒郡斑鳩町)のご本尊と野中寺の蔵から発見された弥勒菩薩半跏像。 実在した女性をモデルにした弥勒菩薩半跏像 聖徳太子の母上で、第31代用明大王の皇后だった穴穂部間人皇女(あ…

【まるで推理小説(2)】大兄皇子 間人と中皇命(なかつすめらみこと)【中宮天皇の謎】★★★

野中寺 金銅製の弥勒菩薩半跏像の銘文に書かれた『中宮天皇』とは 前回の続きです。 古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE www.zero-position.com 正史にない『中宮天皇』とは誰なのでしょうか。 それを考えるために、二つのポイントを紹…

【まるで推理小説(1)】野中寺 金銅弥勒菩薩半跏像 銘文【中宮天皇の謎】★★★

前回記事 www.zero-position.com 前回記事で紹介した野中寺(やちゅうじ、大阪府羽曳野市野々上)に伝えられる金銅弥勒菩薩半跏像(国指定重要文化財)。 台座に刻まれたこの仏様の由来銘文の中に『中宮天皇』という日本正史では伝えられない天皇の名がある…

古代の港湾エリアと官公庁エリア【難波の小郡と大郡・再考】【日羅公の埋葬地(5)】★★

熊野街道の上町半島のスタート地点、八軒屋跡の碑が建つ永田屋昆布本店さんでいただいた非売品の冊子『八軒家』 ビジュアルで、かつ、詳しい内容に目を奪われます。その中の熊野古道曼荼羅(久保田昭 画)。 浪華往古図を3Dに描いた作品ですが、八軒屋=ク…

海に浮かぶドラゴン【古代上町半島 てっぺんは龍神の頭】

縄文以来の日本列島の古代を考えるのに、大阪ほどわかりやすいところはないと思います。 私が全国どこでも遺跡や史跡をめぐる時、大阪で培った知識、やり方をベースに考察します。 何より一番に、その場所の当時の地形(海抜)を想像します。 例えば、古い時…

【河内あるいは難波王朝?】幻の難波宮を再び地上に導いた考古学者・山根徳太郎の執念

難波宮全景 大阪歴史博物館から 1960年代に関西の著名な考古学者・歴史学者が提唱し、1980年代以降、否定的な見解となった『河内王朝』(Wikiより)をご存じだろうか(現在は河内政権というほどのニュアンスでとらえられているのだろうか) 古墳時代…

奥明日香・入谷からの視界(のぞき穴)が示唆すること 古代情報戦の最前線

奥明日香-アベノハルカス(大阪市) 視線 昨日の記事のあと、考えたことがあり、忘れないうちに書いた記事。 入谷(にゅうだに)に海人族がムラをつくっていたが、大海人皇子(おおあまのおうじ、後の天武天皇)がたびたび訪れた理由。 まず、推測できるの…

物部さん考(10)戦国時代・石山合戦図に見える本願寺・大阪城の前 モノノベ式聖地

石山合戦配陣図(和歌山市立博物館蔵。石山合戦(1570-1580)当時の石山本願寺と織田信長軍の配置図)に現在の大阪を少し書き込んでみた。 石山合戦配陣図 秀吉公の前、今の大阪城の地には、石山本願寺という浄土真宗(門徒さん)の大きな寺と寺内町(じない…