先日の大嘗宮の記事で紹介したクロモジ(黒文字)。
クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、植物名(和名)はテンダイウヤク(天台烏薬)
リラックスアロマ、生薬の効果
根や枝にはインド・イスラム・中国で珍重された「ボルネオール(竜脳)」というリラックス効果の高い、甘い系の香り成分が多く含まれる。
根は「ウヤク」として主に健胃・整腸の生薬、枝は血行促進効果などのお茶として利用される。
専門家から抗がん効果の報告もある。
ひんやり食感を楽しむものに香りが合うらしくこんなものもあった ↓ (気温6℃の日で、さすがにヤメタ笑)
抗ウィルス効果、インフルエンザやノロ抑制の可能性
去年に始まった研究だが、クロモジエキス(熱水抽出)のアメをなめていた看護師さんなど医療従事者のインフルエンザ罹患率が低かったことが報告された。
ウィルスはアルコールまたは塩素で消毒するが、タイプによって効果が出にくい場合もある。医療現場では簡単・確実にウィルス対策できるものへの要望が強く、香りがよく天然成分のクロモジエキスが注目されている。効果が発揮されるメカニズムはまだわからないが、ノロ対策にも可能性があり、期待されている(エキス入りマスクやふき取りペーパーなど)
クロモジのこと、もっと知りたい方はどうぞ。クロモジ研究会(養命酒酒造)
徐福伝説と天台烏薬(てんだいうやく、クロモジ)
徐福(じょふく)伝説をご存じだろうか?
中国前漢・武帝(ぶてい、在位は紀元前100年前後)の時代、司馬遷によって編纂された中国の歴史書「史記」に次のような記述がある。
● 秦の始皇帝(紀元前259-210年)の時代に徐福(じょふく)という名の道士(道教の伝道師)がいた
● 徐福は「東のかなたの蓬莱(ほうらい)に仙人が住んでいて不老不死の霊薬が得られる」と始皇帝に上奏し
● 始皇帝の命令により、男女三千人・百工を引き連れて東に船出した
● 徐福たちが上陸した蓬莱では結局、不老不死の霊薬は得られず、中国に帰国しないまま蓬莱で生涯を終えた
というのがざっくりしたあらすじ。
話の中の「蓬莱」が日本。
「霊薬」は朱(丹)とも云われるがクロモジ(テンダイウヤク)という説もある。
地図ではクロモジを含め、3種のクロモジが自生しているのは、全国でも熊野だけ。
そして徐福伝説は和歌山県新宮市に色濃く残っている。徐福という地名もある。
ただ佐賀県など他の日本各地にも伝説が残っている。理由は今のところわからない。
わからないことも多いが、ニオうことも多い。
そもそも熊野で「烏」薬なんて・・・烏(ウ)は「カラス」とも読む。
来年は徐福伝説あたりも当ブログで取り上げて行こうかと。「烏」を「道標」にして(´▽`)