ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

いよいよ始まりますね!日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」東京国立博物館 (トーハク)

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」

東京国立博物館・平成館(東京都台東区上野公園13−9)

前期展示:2020年1月15日(水)~2月9日(日)

後期展示:2020年2月11日(火・祝)~3月8日(日)

izumo-yamato2020.jp

ポスターデザインが「前方後円墳」をイメージさせて面白いですね。

見どころはたくさんあると思いますが、

● 島根県(出雲)・神庭 荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡から出土した大量の青銅器群、

● 奈良県(大和)・石上神宮所蔵の国宝・七枝刀(しちしとう)、黒塚古墳出土の銅鏡群、は見逃せません

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神庭 荒神谷遺跡 Wikiより

神庭 荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡について

今回面白いと思うのは、特別展の「出雲と大和」という命名

出雲が先に来ているのがミソ。

21世紀を迎える直前、出雲市神庭(かんば)の荒神谷、雲南市の加茂岩倉から大量の青銅品が相次いで見つかりました。

● 神庭 荒神谷遺跡(島根県出雲市斐川町神庭):1984年発見。銅剣358本、銅鐸6個、銅矛16本

● 加茂岩倉遺跡(島根県雲南市加茂町岩倉):1996年発見。銅鐸39個

これほどの大量の青銅品が出土したのは前代未聞。

それまで神話でしか存在しなかった「出雲、根の国」が突然、日本古代史の主役級に躍り出た瞬間でした。

この時期、私も含め多くの人は興奮したものですが、この「事件」によって、考察の再考を求められた専門家は大変だったろうと思います。

ある高名な歴史学者はご高齢にもかかわらず、自説の変更を余儀なくされ(おそらく慌てて)出版した様子で、考証が粗く、途中で読むのを止めたりしたこともありました。

「考古」は柔軟に、ひとつの時代・限られた資料にとらわれず、過去からの流れをよみ、学際を広くしておくことも必要なんだなぁと、あの頃を懐かしく思います。

自分自身は、日本書記や古事記の記述に疑問を持ち、ちょうどスランプというか、興味が薄れていた時期でもありました。

神庭(かんば)遺跡と云うべき理由

荒神谷」は本来の地名「神庭(かんば)」で命名すべきだと考えています。

加茂岩倉の方は問題ないですが「神庭」という意味深い、しかもれっきとした地名を採用しなかったことに、むしろ何かの意図を感じます。

「名は体をあらわす」という言葉がある通り「神庭」という神聖性の高い場所から大量の青銅品が出土したことに意味があるからです。

遺跡近くに後世の荒神さんの祠があって、議論があったようですが、最終的に「荒神谷」に決着したのは、かえすがえす残念な話ですね。

今後、当ブログで紹介するときは、検索(SEO?)のことも考えて「神庭_荒神谷遺跡」とさせてもらいます 笑

今年はこの記事で終わりです。ありがとうございましたm(__)m

当ブログに来ていただき、いいねをつけてくださり、また、コメントを残してくださった方には、本当に感謝しかありません。

では、良いお年を♪

オウルド・ラング・ザイン、ジュリー・アンドリュース(初期音量にご注意)

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