ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【ざっくり】日本列島の成り立ちと古代の鉱物資源【ヒスイ、砂鉄を例に、珪藻土も】

(注意書き)大変ざっくりした記事です。日本の古代を考える時に、海進・海退(かいしん・かいたい)とともに、知っている方が、想像(妄想)が膨らんで面白い自然条件として書いています。

より詳しくは、各専門のサイト・ページを検索してご覧下さい。

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日本列島の成り立ち 石の種類

(図はWikiの「付加体」から拝借した。東西が分かりやすいよう左右反転)

付加体は図の茶色の部分。地球学・地学の用語

聞いたことがない人も多いかも知れないが、ざっくりいうと、図の通り、日本列島、特に本州太平洋側ほど(新しい)付加体で出来ている。

ご存知のように、日本列島は、大陸のユーラシアプレートと、ハワイが乗っかっている太平洋プレート、両方からグイグイ押されている(ほかにフィリピン海プレートもあるがややこしくなるので割愛)

太平洋プレートが地下に潜り込む時、海底の堆積物がベリベリベリと剥がされ、層になって溜まる。これを「付加体」といい、堆積岩となって日本列島にプラスされる。

付加体は、右(東)から左(西)に移動するときに、扇子を開くように反転する。観光地で露出した岩の地層が斜めになったりひっくり返ったりした景観を楽しめるのは基本これが理由(ざっくり)

列島の中央あたりに来ると、地下のプレート境界で生まれたマグマで熱せられる。

地上に噴き出した溶岩は火山岩、地下に止まったものを含めて「火成岩」といい、さらに地下で長期間、ジックリ熱せられてできた岩を「変成岩」という。

基本的に太平洋側は、地下の浅いところでできる堆積岩(やわらかい)が多く、日本海側は深いところでできる変成岩(硬い)が多くなる。

先に書いたように付加体は反転するので、日本海側では「ヒスイ」のような変成岩が地上に露出する。

墓石などによく使われる花崗岩(かこうがん、御影石)は石英や雲母の他、様々な鉱物(鉄鉱石含む)が熱で溶け混ざった火成岩の仲間。

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かこう岩 WiKiより

日本海側で露出したものは風化していて、もろい状態のものが多くなる。

出雲など日本海側で「砂鉄」が豊富にとれたのは風化した花崗岩がたくさんあるから。地上に露出して長い時間が経つと、たくさんの結晶が固まって出来た花崗岩はもろくなる。

風化した花崗岩は手でもバラバラにできる。ガーデニングの「真砂土」がそうだ。

「かんな(鉄穴)流し」というが、花崗岩を細かく砕いて川水とともに流し、比重を利用して砂鉄をとる方法がある。出雲では長い間、かんな流しを行った結果、砂鉄の川と云われる斐伊川(ひいかわ)の下流は川底が高くなり、天井川になった。日本最古・最長の公害のこん跡だ。(現在、かんな流しは水質汚濁防止法で禁止されている)

以上、ほんとうにざっくりな話だが、

縄文や弥生の古代、鉱物資源を利用した生活圏や文化圏が日本海側に多くあったのは、そもそも日本列島の成り立ちと深く関わっていることを言いたかった。

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七輪 珪藻土

もうひとつ、例として。

古くから耐熱レンガや七輪、土壌改良剤などの原料で、最近では脱臭消臭・調湿などで利用する「珪藻土、けいそうど」。

はるか昔、太平洋の海底に沈んだ大量の珪藻類の化石が堆積岩状になった粘土。いったん地中深く潜り込んだものが、付加体反転の作用で、日本海側の能登半島で、地層として地上近くに露出したものを今、私たちは様々に利用している。

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