ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

縄文犬(アイヌ犬)大人しくて力強くて賢い 縄文の人々のライフパートナー 【福島県立博物館】

福島県立博物館会津若松市)で開催中の「あにまるず動物の考古学」から。

昨日のネコに続き、今日はイヌ。

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復元 縄文犬 ごん太

縄文犬のゴン太は、博物館の「イノシシ対策相談員」の肩書き (´▽`)

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説明パネル(文字起こし)

イヌは人類最古の家畜と言われるように、縄文時代からヒトとのパートナーとして狩りに同行したと考えられます。お墓が作られる動物として知られ、福島県の三貫地貝塚では、縄文人骨に寄り添うように縄文犬が埋葬されていました。飼い主のそばに葬られたのでしょうか。縄文犬は出土した骨から再現すると現代の柴犬より一回り小さいサイズだったようです。イヌ形土製品の出土例は縄文時代から弥生時代を通して意外と少なく、縄文時代のイノシシ形土製品とは大きな違いです。一番身近な動物なので作成する必要があまりなかったのでしょうか。古墳時代では、はにわのイヌとイノシシがセットで出土することが多く、狩猟のシーンを構成しているものと思われます。

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ゴン太のほかに、縄文時代のイヌの復元模型が展示されていた。

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縄文時代のイヌ

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藤岡神社遺跡(栃木市縄文時代後期

埋葬されたイヌの頭骨から復元された模型で、お墓に石のヤジリが副葬されていたそうだ。

このような副葬物のある埋葬スタイルは、単なるペットにとどまらない存在だったことを示す。

縄文の人々とイヌ

縄文の人々にとってイヌは欠かせないパートナーだった。

猟はもちろんのこと、おそらく海人も航海のお供にしていただろう。

今でもドッグカヌーのスタイルがあるが、同じようなイメージ。

猟にしても、長旅の航海にしても、大型犬は食糧確保の問題から向いていない。結果、パネルの説明にあるように、現在の柴犬よりも一回り小さいサイズが求められたのだろう。

もともと猟犬だったビーグルも小~中型だ。

アイヌ犬・リキの思い出

子供の頃、自宅で「アイヌ犬」を飼っていた。

血統書付きで、動物好きのオヤジが、仕事の関係先(神奈川で有名な政治家一族の親戚)から、もらってきたのか、買ってきたのか、したらしい。

名前をリキといったが、模型の黒い方にソックリなのでビックリした。

目つきはもっと優しい感じ。

それ以外、体毛の背中からお腹にかけての色合い、黒光りする硬めの毛とツヤの感じ、そして目の上の茶色の斑点が同じだ。

そう。シェパードを小型にした感じ。

散歩係の子供の自分にとって、大人しくて、力強くて、とにかく賢いイヌだった。力があるのに子どもの足を知っているのか、グイグイ引っ張ることもなかった。いつも横を歩く。

個人的な記憶であるが、縄文とアイヌがここでも繋がった。

グーグルで「アイヌ犬」を検索すると、某ケータイ会社がお父さん犬と宣伝していた白い犬が主に出てくるが、私が記憶するアイヌ犬は違う。

展示会場で見た模型そのもの。

どうやって復元したのだろう。

あらためて問い合わせようと思う(模型の所蔵は栃木県埋蔵文化財センター)