ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【天田神社】肩野物部の祖・ニギハヤヒが牽牛のモデルなら織姫は?【推古女帝の私市部】

はじめに

大阪府交野市 #天田神社。天の川羽衣(#七夕)伝説 が伝える #甘田の宮 の牽牛が #肩野物部 の祖 #ニギハヤヒ なら、織姫は #ナガスネヒコ の妹 #御炊屋姫 ということ? #推古天皇(#豊御食炊屋姫)の #私部 があったところ

目次

本文

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朝の雲(6月20日撮影、夏至の前日)

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甘田(天田)の水田(6月20日撮影、夏至の前日)

『天の川の羽衣伝説』で、星田妙見宮の織女石(たなばたいし)に対応して、天野川を挟んで、牽牛(けんぎゅう)が田を耕した 甘田の宮 が、ここ天田神社と伝承されています。

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交野ケ原(交野市から淀川に流れ込む天野川一帯)(交野ケ原物語Vol.10より)

天田神社(あまだじんじゃ、大阪府交野市私市1丁目)

天田神社の鳥居の向こうを京阪電鉄交野線が通過。河内森駅はすぐ近く。(私はJR学研都市線河内磐船駅から徒歩10分でゆきました)

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天田神社 鳥居

謎の古代史のいくつかの『点』を繋ぐ興味深い御由緒

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天田神社鳥居の向こうに境内と拝殿

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天田神社

【御祭神】境内入口の御由緒には、もともと饒速日命ニギハヤヒノミコト)であったのが、住吉四神*1に替えられたことが書いてあります。

御由緒文字起こし)当社は私市(きさいち)・森、両集落の氏神社で住吉四神を祀る。古代、この地方は地味肥え作物豊かな野であったので『甘野』といわれ、川は『甘野川』、田は『甘田』であった。この甘田に田の神を祀って建てた 甘田の宮 が当・天田神社の起源である。交野地方は 肩野物部氏 の所領で その先祖・饒速日命 は天の磐船に乗って河内の哮が峰に天降ったと先代旧事本紀に記され、長く交野の祭神となっていた。その物部氏が577年敏達天皇の皇后、御食炊屋姫尊(後の推古天皇)にこの地を献じて、ここが私市部となった のであるが、平安時代に入り、京都の宮廷貴族が遊猟に来ては盛んに和歌を詠み、七夕伝説に因んで甘野川は『天の川』、甘田は『天田』と書くようになった。そのころ、住吉信仰が流行し、一方、磐船の神も海に関係があると考えられ、さらに物部氏の衰退もあって、交野の神社の祭神は饒速日命から海神であり、和歌の神でもある住吉神に替わって、今日に至っている。境内からは祭祀に用いられたと思われる土師器が出土し、また近くに物部氏のものと推定される巨大な古墳群が発見されるなど、当地の歴史の古さを偲ばせるものがある

以前、四天王寺に関連して『(敏達天皇が)詔して日祀部(ひまつりべ)、私部(きさいべ)を置く』という日本書紀敏達天皇6年(577年)2月条を紹介したことがありますが、御由緒には、ここが私部であると書かれています。

日祀部の実態は不明ですが、私は日祀部は四天王寺(の前身の熊野の社)ではないかと推理しています。

もちろん、日祀部と私部を掌握したのは、皇后の豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)。後の推古天皇

推古天皇用明天皇の姉で聖徳太子の叔母にあたります。また四天王寺の近くに敏達天皇を御祭神とする五条宮が鎮座】

交野ケ原と四天王寺。。。敏達天皇推古天皇(豊御食炊屋姫)。河内平野をまたいで繋がってきましたかねぇ。

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天田神社 御由緒

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天田神社 狛犬

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天田神社 拝殿

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天田神社 拝殿の中の随身

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アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(全54話完結)

【2020年12月~2021年5月、連載】

novel.daysneo.com

*1:表筒命(うわつつおのみこと)、中筒命(なかつつおのみこと)、底筒男命(そこつつおのみこと)、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと、神功皇后じんぐうこうごう)