出雲の地伝酒(じでんしゅ)
古代の酒について調べている中で、出会ったのが出雲の地伝酒。黒酒(くろき)の仲間。
透明な清酒ではなく、その名の通り、黒い酒。
やや甘く、我が家でも料理酒(みりん)として使っている。
みりんとして
うまみの元、天然のアミノ酸が豊富。
健康ドリンク的な食前酒によい。
これを使うと魚の煮付け、野菜や肉を使った煮物などの旨味とコクがアップする。
魚や肉のクサミも消えるため、多少お安い材料でも、そこそこのレベルに仕上がると奥さんが言う。
眉をひそめられることも多い私の古代妄想趣味の中で見つけた逸品。
酒造メーカーさんのホームページを読むと、プロの料理人さんもよく使うらしい。
熊本の赤酒、鹿児島の黒酒も同じ
黒酒は、灰持酒(あくもちざけ)ともいわれ、醸造の最終段階で、木灰(きばい、くさき)を加え、アルカリ化して発酵を止めて出荷する。つまり「火入れ」をしない生酒。
微アルカリ性であるため、食材に味がしみこみやすく、かつ、型くずれしにくいというのも特徴。
黒い色はアルカリ変化によるとのこと。
ここでは出雲の地伝酒を紹介したが「熊本の赤酒」「鹿児島の黒酒」も同じ。
各地の郷土料理になくてはならない、古代から伝わる酒、そして、調味料だ。
大嘗祭・新嘗祭の黒酒
令和元年10月22日は、令和天皇の「即位礼正殿の儀」
11月に「大嘗祭、だいじょうさい、おおにえのまつり」が執り行われる。
例年は「新嘗祭、にいなめさい、しんじょうさい」だが、皇位継承(御代替り、みよがわり)の今年は「大嘗祭」となる。
大嘗祭、新嘗祭の神饌(メニュー)のひとつ、黒酒は白酒(しろき)とともに「神酒、みき」として供される。