高津神社(大阪市中央区高津1丁目)
高き屋に昇りて見れば煙立つ「民のかまど」は賑ひにけり
古代上町半島に宮を置いた第16代仁徳天皇を主祭神として、祖父の仲哀天皇、祖母の神功皇后、父上の応神天皇が左座、后の葦姫皇后と長男の履中天皇が右座、というロイヤルファミリーを祀る神社だ。
なお在位中の「高津宮」の最有力地は難波宮(なにわのみや)と考えられており、ここ高津神社・高津宮とは違う。
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実は高津神社は私の通勤路で、ほぼ毎朝、東側の梅林の小路を歩いている。
梅林の道。7月3日、今年、いや令和初のセミの抜け殻を発見。
お世話になっている上、縁結び坂に縁切り坂、恋文おみくじ、上方落語の舞台になったりと、何かと話題が多いので、数回に分けて紹介する。
ここの神社のよいところは、毎夕近所の子供たちの遊び場になっていて、神職さんや管理人さんが時々声がけしているところ。自分の子供時分を思い出させてくれる。
まもなく夏祭りでもある。境内には桂文枝一門が主宰する「高津の富亭」もあり、祭りの18日に寄席が開かれる(入場料2000円)
民のかまど
仁徳天皇はいろいろと逸話の多い方であるが、ここでは「民のかまど」について。
宮の高台に立ち、国見するのが日課の天皇は、しばらくの間、家々のかまどの煙が立たないのを見て、民が貧しい生活を強いられていることを悟り、三年間、ノータックス(税金なし)に。お陰で自分が住まいする宮は傷み放題、着るものもボロボロになった(絵でもボロボロ)が、三年後、景気が回復した時、民は我先に宮を修理し、衣服をこしらえ、仁徳天皇にプレゼントしたという。今時うらやましい、エエ話やなぁ。
この話が大阪市の歌になった。