ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

上賀茂神社(2)賀茂別雷神社・すずやかに鈴なりの音ひびく 片山御子神社・紫式部、新宮神社・高龗神

楼門と拝殿。拝殿の向こうに本殿と権殿。

御祭神・賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)を祀る「本殿」と常設の仮殿「権殿」が並んでいる(撮影禁止)

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上賀茂神社・楼門と拝殿

拝殿から本殿・権殿の方(ここまで撮影OK)鈴の絵が描かれている

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拝殿から本殿・権殿の方

上賀茂神社の拝殿には神社につきものの鈴がない。代わりに「鈴の絵」が描いてあった。

ところで神社でじゃらんじゃらん鳴らす鈴は何ていうのか調べてみたが、神社本庁サイトには「社頭の鈴」と素っ気なく紹介されていた。

上賀茂神社の境内には8摂社・24末社があるが、中でも「社頭の鈴」が「鈴なり」の2社を紹介。

片山御子神社(片岡社)縁結び恋愛成就、子授け安産 紫式部ゆかりの社

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片岡社(片山御子神社)

御祭神は上賀茂神社の御祭神・賀茂別雷神のお母上、玉依姫命。片岡社と云うことが多い。

上賀茂神社の中で第一の摂社ということで、天正の1591年、朝廷より「正一位」の神階が授与されたという。

かの紫式部がたびたび参拝した社で、ここで和歌を詠んでいる。(案内板・文字起こし)

賀茂にまうでて侍りけるに、人の、ほととぎす鳴かなむと申しけるあけぼの、片岡の梢おかしく見え侍ければ、

ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに 立ちやぬれまし(新古今和歌集 巻第三 夏歌)

【通訳】ホトトギス(将来の結婚相手)の声を待っている間は、この片岡の社の梢の下に立って、朝露の雫に濡れていましょう

ハート型の絵馬の願い事、鈴なりの音とともに届けばホトトギスが啼くかもしれない。

新宮神社(貴布禰神社心を豊かにし身体を守る(身体健全、若返り) 癒しの社

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新宮神社

境内の「最奥」に鎮座。貴布禰神社とも云う。御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)

高龗神は水源域の女神「出雲の奥津様」だ。

上賀茂神社HPでは「鞍馬の貴船神社(貴布禰総本宮)は江戸期まで当社の摂社であったが、洪水や冬季の吹雪で貴布禰詣りができなくなったので新たに境内に祀った」、御利益は「祈雨・止雨、灌漑・治水、舟運、身体健全、若返り」とある。

人気の「鞍馬の貴船神社」が、新宮神社の摂社だった?

意外な感じだがHPにそう書いてある。

江戸期以降の神社なので新しいものの、上賀茂神社の中でも「奥」という特別な位置に鎮座している意味を考える必要がある。

運が良ければ、龍の神様・神楽「賀茂の舞」を見学することができる。(時間中、30分ごと開催)

癒しの鈴なりの音は、せせらぎの音のように優しかった。

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ホトトギスといえば

信長、秀吉、家康を例えた短歌を思い浮かべてしまう。

さて、ホトトギス(将来の結婚相手)をどうするか。したいか。

なかせてみせるか、なくまで待つか。

信長はないと思うが。

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