ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

日本の謎の古代史 考える時のポイント(4) 地球規模の変化と縄文時代・弥生時代

20000年前、氷河期。最も海が低い時期で海抜は現在より120m低かった(-120m)

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20000年前の日本列島。古代大阪。古代淀川

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20000年前(石器時代)の古代大阪平野

樺太~北海道~本州~四国~九州は陸続き。瀬戸内海はない。

南方ルートは海路で、北方ルートは陸路で、それぞれ移動してきたグループが想定される。北方ルートは氷河期の当時は極地に近く、人口密度の点から、ヒトの移動は南方メインと考えられる。

16000年前、縄文時代 始まる(-120m)

●15000年前、ウルム氷河期終わる(-120m)

●12500年前、寒冷期終わり。縄文海進始まる(-120m)

縄文の大海進

●8000年前、現在の海抜(±0)

地球の温暖化で、4500年の間に海が120mも深くなり、列島はこの時期から孤立した。

1年で2~3センチのスピードで海が深くなるペース。

当然、縄文の人々は、ジワジワと海から山に追い立てられることになる。

この事実は、日本列島の沿岸海域(海底)に、多数の石器時代縄文時代の「海底遺跡」が存在することを示唆する。海洋考古学の研究アプローチが発展することを期待している。

個人的にはこういう用途で人工知能(AI)の予測機能を活用できると思う。海底遺跡の位置予測システムのようなもの。複雑なファクターを教え込む必要があるが、そのプロセスを実践するだけでも考古学は理系学問も加えた総合的な方向に変わってゆけると思う。

6300~5000年前、さらに上昇(+4~5m)

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縄文大海進で海水面が最も高かった時期の大阪

現代よりも温暖で、三内丸山が最も栄えた時期。

海が近く温暖な気候は「狩猟 & 農耕による定住」という世界に類を見ない独特の縄文文化を育んだ。この場合の農耕は主に樹木の栽培。

三内丸山ではクリの栽培が確認されているが、全国レベルでは、ドングリや果実が収穫できる広葉樹種が中心だった。現在の「里山」の原型。

また、列島各地で見られる醸造、発酵食、保存食のスタイルは、元をたどれば、縄文文化の継承だ。

後の神社建築に繋がる巨大木造建築技術(溝くい)も、縄文時代から引き継いだ(三内丸山の灯台建築物、大型宿泊施設 ←開物発事説

灯台・大型宿泊説が正しければ、海進期・北海道~日本海沿岸~北九州(高台)の縄文海人遺跡で、三内丸山と同じような巨大な木造建築物のこん跡が見つかるかも知れない。

3000年前、弥生時代 始まる(+1m~±0m)

縄文晩期~弥生初期にかけて、地球規模の寒冷化が進み、海水面が4~5メートル下がる「小海退」が起きる。

三内丸山は寒冷化でクリの栽培ができなくなるとともに、海が遠くなった。海の幸山の幸に恵まれた環境ではなくなり、やがて放棄される。人々は海岸に近いところ(河口の扇状地)に移住する。

縄文大海進に比べて海抜の変化はわずかだが、海退で現れた海底に河川からの土砂が堆積して現在の平野を創る。

このクニビキ現象・クニウミ現象に適した食料として「コメ」が選択され、水稲栽培の弥生時代が始まった。

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2500年前・河内潟の時代(弥生中期)

●2000年前、現在の海抜(±0m)

水稲栽培はたいへん優れた循環システムであるが、水が豊富であることが条件だ。

大陸の大河にくらべ、古来、日本人は細い水系から広範囲な水田に水を引くこと・水で潤うことを飽くことなく願い、取り組んで来た。日本古代史の骨格と考えるようになった。

海退の後、土砂の堆積でできた平野は現在都市部・市街地のところが多く、基本的に液状化のリスクがある。各地域のハザードマップも古地理の検討に基づき作成されている。日本の古代史を学ぶことは現在の防災に繋がる。

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古墳時代(西暦250頃~600年)

古墳時代、百舌鳥・古市古墳群の形成、倭の五王時代。

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1600年前・河内湖の時代

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