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まとめ
明日香村で #べんてんさん と呼ばれる #くつな石。水源の #高龗神 を祀る #イワクラ だったのでしょうか。昔々、石にノミを打ち込んだ男、割れ目からあらわれた血染めのヘビを見て逃げ帰ったが、その晩から高熱にうなされ亡くなったという言い伝え
本文
巨石イワクラ信仰と高龗神(たかおかみのかみ)
葛神社(くずじんじゃ)から棚田の坂を徒歩で上ること約20分。
葛神社では「イセタニ」の巨石(イワクラ)を拝んだ山奥の高龗神(たかおかみのかみ)を明治の時代に合祀したと伝えられますが、それが「くつな石」ではないかと考えられています。
高龗神は水源域の女神さまで、京都鞍馬・貴船神社(貴布禰総本宮)の御祭神として有名ですね。
棚田の坂道を高い所まで上り、振り返ると、手前の台形の山稜が畝傍山、その向こうに大和二上山が見えます。
イノシシやシカの棚田への侵入除けフェンスの向こう側、橋を渡って山道を進んだところにあります。
フェンスに巻いてあるチェーンを外して森に入ってゆきます(出入りの際は必ずフェンスを閉めておきます)
くつな石 言い伝え*1
その昔、この山に来た石屋さんがこの石を見つけ、これは立派な石だ、持って帰ろうと考えたそうな。早速ノミを使って切り出そうと石に打ち込んだところ、割れ目から血が流れ、血に染まったヘビが出て来たそうな。びっくりした石やさんが道具を投げ出して一目散に逃げ帰ったそうな。ところがその晩から高熱にみまわれ、とうとう亡くなったそうな。それを知った村人たちは、これは神様の宿る石に違いないといってねんごろに祀ったそうな。
神奈備(かむなび)のたたずまい
立札に書いてありましたが、鳥居はボランティアさんが明日香で育ったヒノキで制作し、奉納したものとのこと。
くつな石の左に「吉高大明神、高住大明神、恒吉大明神」と刻まれた碑が建っていました。お稲荷さんだそうです。
木の根っこがしっかりくつな岩をつかんでいる様子は、何ともいえない神聖な雰囲気。
くつな石の言い伝えでヘビが登場しますが「くつな」はおそらく「口縄、朽ち縄、くちなわ」で、ヘビのことと思われます。
地元の大字(おおあざ)阪田では「べんてんさん」と呼んでいるそうです。
くつな石の上の方から伸びたツルが、ヘビのように見えますね。
*1:明日香村の大字に伝わるはなし