目次
まとめ
国栖人(くずびと)の文化が色濃い奥明日香~宇陀~吉野には、葛、九頭など「くず」の音の神社がいくつかあります。明日香村阪田の #葛神社 も水の神・恵みの神を祀る村の鎮守 #絵馬の起源 #なもで踊り #メイクアップ狛犬
本文
葛は国栖(くず)であり九頭(くず)
連想ゲームみたいですが、古い水の神、山の恵みの神への信仰のカタチと考えられます。
ちょうど一年前の夏にお参りした奥明日香・栢森(かやのもり)の加夜奈留美神社(かやなるみ)は、地元では滝本神社、ふるくは「葛神(くずのかみ)さん」といわれていたそうです。
明日香村の葛神社(明日香村大字阪田736)
奥明日香~宇陀~吉野には、葛神社(くずじんじゃ)がいくつかありますが、明日香では(現存するのは)ここだけでしょう。
いかにも村の鎮守という風情の、懐かしい感じがする棚田の中の小さな杜の景色です。
暑くてぼーっと歩いていたら見落として、通りすぎてしまいました。
多武峰(とうのみね)街道が石舞台古墳のあたりまで下って行く斜面に鎮座しています。
明日香村大字の阪田と祝戸(いわいど)の合祀神社と云われていますが、創建時は不明です。
御祭神:気吹戸主命・いぶきどぬしのかみ、天津児屋根命・あめつこやねのみこと
明治43年、山奥にあった巨石を祀る龗(おかみ)神社の高龗神(たかおかみのかみ、水神)を合祀したそうです。
地図に見える「くつな石」のことかも知れません。
水源地から幾筋にもわかれて流れ下る渓流と滝は、頭がたくさんある龍の姿に映ることから、九頭竜(くずりゅう)信仰ともかかわります。
絵馬の起源(あるいは神馬の起源?)
黒馬と白馬の絵のそばに地元の人が書いた説明書きが掲示されていましたので転載します。
「絵馬」について。生けにえの代り。起源は京都貴船神社。降雨、止雨を司ったり、降った雨を地中に蓄えて適量を湧き出させたりということをも司る水源の神。水神「たまおかみのかみ」。雨乞いのために淳仁天皇*1が黒毛の馬を奉り降雨を祈願した。又、光仁天皇*2の時、止雨のため白馬を奉り見事に成就したとのこと。いけにえの代り馬の絵を描いて奉納するようになる(原文ママ)
明日香の雨乞い神事、南無天(なもで)踊り
旱魃(かんばつ)の時にはワラで造った竜を村人がかついで『雨降れタンモレ 雨降れタンモレ』と唱えて祝戸の川へ浸けて水浸しの竜を再び担いで『雨降れタンモレ 雨降れタンモレ』と唱えて葛神社に帰ったそうです。
鳥居を出ると、大和盆地を眺望できます。
中央やや左側、台形の山陵が畝傍山。